東山魁夷の代表作『道』を思い出させるジャケット〜DEEN『SINGLES+1』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2020/1/22 12:00]

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。


第76回:東山魁夷の代表作『道』を思い出させるジャケット


今回ご紹介するのはこちら。

DEEN『SINGLES+1』(1998年)

<あの海外セレブの背後に偶然ロバートが写り込む奇跡>

僕と同世代の人で青春時代を彼らの音楽とともに過ごしたという人は多いと思う。1990年代に小室ファミリーなどと並び日本音楽界を席巻したビーイング系アーティストの雄である。

彼らのいいところはいい意味でクセが少ないところ。ビーイング系アーティストの多くに言えることでもあるが、耳に馴染みやすいキャッチーなメロディと曲展開、身近な詞の世界観はまさにJ-POPの王道であり、王道であるからこその強みである余計なことを考えさせず純粋にいい曲をいいと感じさせてくれる魅力をもったバンドである。僕のなかでは永遠の好青年バンド。

同作はまさに彼らが売り上げ的にも最も充実していた1990年代のシングル曲を集めたベストアルバム。デビュー曲にしてミリオンヒットとなった代表曲『このまま君だけを奪い去りたい』や、夏の定番曲『瞳そらさないで』、ドラゴンボールのタイアップにもなった『ひとりじゃない』など、30代以上の人なら必ず聴いたことがあるであろう曲が多数収録されており、青春時代に気持ちをタイムスリップさせてくれる1枚である。個人的には『SUNSHINE ON SUMMER TIME』『LOVE FOREVER』も大ヒットとまではいっていないが名曲だと思うのでぜひ聴いてもらいたい。(次ページへ)