この並びを見てワクワクしないロックファンはいない~ザ・ローリング・ストーンズ『ロックンロール・サーカス』~平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2020/4/1 12:00]

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。


第86回:この並びを見てワクワクしないロックファンはいない


今週は久々にDVDのジャケットを。

ザ・ローリング・ストーンズ『ロックンロール・サーカス』(1968年)

<あの海外セレブの背後に偶然ロバートが写り込む奇跡>

こちらは1968年にストーンズの主催によりテレビ放送用に行われたロックとサーカスを融合させた企画ライブ。さまざまなバンドの演奏とその合間にサーカス芸人によるパフォーマンスが行われ、セットや観客の衣装などもサーカス風に統一された楽し気なイベント。だが、結局この映像は長らく公開されてこなかった。その理由についてはいろいろ憶測が流れているが、明確な答えはわかっていない。しっかりとした形でリリースされたのは1996年で、今では普通にDVDなどでも手に入るようになっている。

しかし、とにもかくにもメンツがすごい。主催のストーンズをはじめ、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ザ・フー、タジ・マハール、ジェスロ・タルといったレジェンド級が一堂に会し、さらに即席バンドとしてジョン、クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェルからなる文字どおりのスーパーバンド『ザ・ダーティ・マック』としての圧巻のパフォーマンスも楽しめる。

撮影はなかなかに難航したようで、確かに作品としては荒い部分も要所に見られるが、バンドの演奏自体はどれも素晴らしく、また楽しそうに会話するミック・ジャガーとジョン・レノンという貴重なシーンや(顔がやたら近い。デキとんのか)、当時ミックの恋人だったマリアンヌ・フェイスフルの妖精のような美貌を堪能できたりと見どころは非常に多い。(次ページへ)