竹下幸之介(DDTプロレスリング)『ニシナリライオット』第40回:「担任に裁判にかけられた話(西成じゃなかったらニュース沙汰やで)」

連載・コラム

[2020/9/25 12:00]

DDTプロレスリングの未来を担う若き逸材・竹下幸之介。そんな彼が自身の昔のブログを読み返しながらつづる、地元・西成のお話!


2007年10月25日

469話『地球は青かった』

今日は体育やら音楽やら話し合いやら参観日やらで勉強がとくに無かったです(^o^)
これはラッキー(o^-')b

今日からヤマモが腸炎から復活!!

隣のクラスのもめ事を見て
「こりゃおもろいぞ!!やったれやったれ!!」
と言ってると
「見せ物じゃありません」
って怒られてました(>_<)

来月の音楽発表会でボクの班は松山千春をやることが正式に決まりました(・∀・)

参観日は毎回恒例とくになにもなく終わりました( ̄ー ̄)

今日のサッカーはいつもの公園を使われていたんで違うところで2時間ワイワイしゃべりながらひたすらパス回ししてました(^^ゞ

これで予想外のコンビネーションができたりして(~▽~@)

追記 パインあめは永遠に不滅です


<「お胸が豊かすぎる」「鼻血がでそう」華原朋美のセクシーショットに動揺コメント続出!?>

またまた登場。”ブレーキの壊れたマウンテンバイク”ことヤマモ(実際に壊れていた)。修学旅行では向かい側に座っている女子を見つめながら、スウィングサンタマリアの無重力を利用することで自慰行為を行ったり、買ってもらったばかりの携帯電話で写メデビューをする際には問答無用で自身のイチモツを激写。それを送りつけることチェーンメールの如し。

件名「ヤマモです」
本文「どう?」

という文面から、その画像を開くと案の定彼の清々しい股間が映し出されているのだが、トイレで用をたすついでに撮ってるものだから、よく見ると(よく見なければいい)股の間からは子犬が出したようなウ○チも写ルンです。その小学生ながら170センチ65キロの大きな図体からは考えられないような、コロコロした汚物。現代の画質でなくてよかった。

「うんこ写ってるで。流してから撮りや」

と、返信すると

「出ケツ大サービス!!」

と、返ってきて静かにガラケーを閉じた。

前置きが長くなってしまいましたが、そんなヤマモが愛してやまないのが“人間の意地汚い醜い部分”。誰かが殴り合いの喧嘩をしようものなら、そのときの嗅覚はすさまじく隣の教室からでも飛んできて

「いけ! もっと! もっとやれやれーー!!」

と、野次をとばす。自分もその争いに巻き込まれそうになると、不可抗力的な蹴りを1、2発お見舞いして、俺は何もやってないよ?と平気で白を切る。

女子同士が一度大喧嘩をしたときは5人くらいで髪は掴む、物は投げるの大乱闘。すかさずヤマモが野次を飛ばして煽りに煽る。それがバレてしまってからがまさに地獄。

先ほどまであれほど喧嘩していた当人たちが、

「Y本、なめてるん? なにふざけてんの?」
「喧嘩売ってんのか、てめえ!」
「こいつ調子乗ってるから、や(殺)ったろうや!」

仲直りというステップを踏むことなく、”絆パワー”からの男子を集団リンチ! ただヤマモはここでやられるヤワな男ではない。その巨体をフルに活かした突進で、バッタバッタと女子をなぎ倒していく。そこに”遠慮”の二文字は皆無で、やっと現れた先生が止めに入るや否や。

「すべて正当防衛です」

と、言い放つ。

「これは言わんといてや」と、ヤマモに釘を刺されていたのを忘れていました。ごめん。

ついでにもうひとつ釘刺されエピソードを公開すると、ヤマモのライバルはS田先生(58・女性)で、何かあれば突っかかりいつも言い争いをしていた犬猿の仲だったわけですが(還暦間近の先生と)、ヤマモはその日もなにか揉めたらしく、

「今日こそはあいつを泣かす」

と、鼻息を荒げながら息巻いていました。何度も言いますがあいつとは、還暦間近の女性の先生です。

そんなお祭り男のヤマモ。今ここまで書いていて思い出した話、否、記憶の底にしまっていたのにあふれんばかりに湧き出てしまった話。思い出すと腹がたってきたので、ここで完全に浄化したい。

小学3年生のとき、私のクラスの担任は新任の先生でした。この先生が今思うとまあダメなやつで、授業中に急に泣き始めたりすることはザラで、文化祭的なイベントでお化け屋敷をするときには、チョークを塗りたくった黒板消しを顔にパンパンすることで幽霊のメイクができるからと薦めて、ほとんどの生徒が顔に蕁麻疹のようなものができてある意味阿鼻叫喚の世界になって保護者も含めた大問題になったりと、ここには書ききれないほど問題がありました。

その先生と、当時3年生だった私は理由は忘れましたがなにかで揉めて、先生がまた泣き始めて、次の授業で”裁判”なるものが行われたのです。

今ならば大大大問題! まあこのときも、後々キレたおかんが学校に乗り込んだりで十分事件になりましたが、話は戻して裁判の判決としましては竹下が有罪判決になることに。

「もう竹下さんにはこのクラスを出て行ってもらいます。みんなかかれ!」

と叫ぶとクラスメイトが私をおしくらまんじゅうのように、教室の外に追い出そうとするではありませんか! 私が抵抗しているあいだに、机や椅子を廊下に出す、クソ担任!

そんなとき、必死に抵抗してくれていたのが仲間たちでした。

「みんなやめろ!」
「ふざけんな!」

そう言いながら守ってくれていました。そんな混沌とした状況だったからこそ、あのときのヤマモを忘れることはありません。

「やれやれー! もっとやれやれー!」

と言いながら、笑顔でおしくらまんじゅうの”おし側”にいたのです。あとから問いただすと、

「そのほうが盛り上がると思って……」

そう呟くヤマモがどうも憎めんのです。

あ、問題の先生は途中から学校に来なくなり、転勤されました。ほんま西成じゃなかったらニュース沙汰やで。

竹下幸之介

1995年5月29日生まれ、大阪府大阪市出身。身長187センチ、95キロ。現役高校生レスラーとして2012年8月の日本武道館大会でデビュー。高校卒業後、日本体育大学へと進学し、学業とプロレスの両立に励み、2018年3月に無事卒業した。卒論のテーマは『ジャーマン・スープレックス』。2018年4月に入江茂弘に敗れるまで、KO-D無差別級王座11回防衛の最多記録を樹立した。地元西成への愛が深く、2018年大みそかの『年越しプロレス』には、「西成魂」の刺繍が入ったオーダーメイドの特攻服をわざわざ作って参戦。“西成のエリートヤンキー幸之介”として愛されている。