竹下幸之介(DDTプロレスリング)『ニシナリライオット』第47回:「敗北に我を忘れた私はマエアツに掴みかかっていた」
DDTプロレスリングの未来を担う若き逸材・竹下幸之介。そんな彼が自身の昔のブログを読み返しながらつづる、地元・西成のお話!
2008年02月04日
571話『Wanted Dead Or Alive 』
今日の学校ではとくに何もなかったです◎
で前田家でスマブラ大会!!
ゲーマー四天王・・・
"三度の飯よりゲーム!!・・・やっぱり三度の飯かも"エキスパート大知
"ゲームを生きる男"前田あっちゃん
"ゲーム界の最北端”りきや
"好きです!ゲーム!"竹下
この四天王が集まりスマブラXの研究会を開きました!!
めちゃくちゃおもろかったー('◇')ゞ
楽しい時間がたつのは早いです( ̄ー ̄)
でPSPのウイイレ買ったりしましたとさ('∇')
追記 白いなっちゃんのCMいいわ
<「お胸が豊かすぎる」「鼻血がでそう」華原朋美のセクシーショットに動揺コメント続出!?>
小学生の頃の放課後といえば、アウトドア派とインドア派に別れていて、竹下はその両方に属していました。ほとんどは野球やサッカーをしていたけど、人数の集まりが悪いときなどには友達の家に押しかけて、ゲームか遊戯王かビーダマンのいずれかをやる。
この頃は小学校ではちょっとガキ大将というか、ジャイアン的なポジションについていたので、弱みは見せたことがなかったし、どんな遊びでも強い存在でありたくて密かに努力をしていました。
だけど人間には絶対に勝てない壁があるんだと知ったのはこの頃です。
ここに登場する前田のあっちゃんことマエダアツヤ。西成の遊戯王界では絶対的センターのマエアツ。何度挑戦しても勝てた試しはなく、私がレアなカードをこれでもかと詰め込んだ100枚近いカードデッキに対して、40枚という最低限のカード枚数で戦うマエアツは西成の頂点に立ち一時代を築き上げていました。(遊戯王でのみ)
それは小学校3年生の冬。私は何としても彼を打ちのめすべく、お年玉をすべて注ぎ込んでカオスソルジャーという当時最強とされていたカードを手に入れます。そしてその事実を告げずに挑んだのです。
序盤こそ押されるもとにかく耐え忍んで、カオスソルジャーを引ける瞬間を待ちます。
そのときは突然やってきました。カオスソルジャーが手札にやってきて、私に語りかけるのです。
「もう大丈夫だよ」
カードの絵札のカオスソルジャーはなぜか横を向いているのですが、このときたしかに目が合ったような気がしました。
張り裂けんばかりの声で叫びました。
「カオスソルジャー召喚!!!」
ギャラリーから「おおー!」というどよめきが起こるのと相反して毅然とした態度のマエアツ。こいつビビって固まってやがる。そう感じ取った私はここから逆転劇をみせるべく、怒涛の攻撃を仕掛けることに。このカオスソルジャーのみが、当時の遊戯王で1ターンに二度攻撃することを許されていたのです。
「カオスソルジャーで攻撃!」
よっしゃー!! 心の中でガッツポーズをした瞬間……。
「リバース効果発動。人喰い虫の効果でカオスソルジャー終わり」
人喰い虫とは攻撃力も守備力も段違いに弱いのに、裏向きから表向きになった瞬間、好きなカードを破壊できるという憎きカード。
カオスソルジャーの活動時間5秒。
ギャラリーの前で恥をかいたことと、マエアツの温情のなさに、我を忘れた竹下少年は遊戯王カードを投げ捨てて、泣きながら相手に掴みかかって暴力で解決しようとしたのです。みんなに抑えられながらも、暴れ回るその姿はバーバリアン2号のようだったと誰かが語っていました。
今思うと本当に恥ずかしい思い出。遊戯王で負けて泣くなんてダサすぎる。でもそれほど真剣だったと思う。大人になった今、どれだけ真剣に勝負できているだろうか。いつも負けたときの言い訳を考えながら闘っていないだろうか。
あれから15年が経った。もし竹下幸之介の闘い方を忘れてしまったら、迷わずマエアツに勝負を挑もう。遊戯王カードで。