【掟ポルシェの食尽族】第6回:本当に美味いとんこつラーメンの店『安全食堂』〜福岡のオリジナルすぎる麺文化〜後編

連載・コラム

[2019/12/9 12:00]

自称「食べもののことになると人格が変わる」ほど食に執心する“食尽族”でミュージシャンの掟ポルシェ(ロマンポルシェ。、ド・ロドロシテル)が、実際に食べてみて感動するほど美味しかったものや、はたまた頭にくるほどマズかったもの、食にまつわるエピソードについて綴る連載。読んで味わうグルメコラムがここに!


第6回:本当に美味いとんこつラーメンの店『安全食堂』〜福岡のオリジナルすぎる麺文化〜後編


福岡の本当に美味しいとんこつラーメンをご紹介!

 さて、今度こそ福岡の美味しいラーメンをご紹介します! なお、私ラーメンヲタクではないため、ただ自分で食って美味かったラーメンを「うまい!」と声高に言うだけの雑なコラムとなりますが、美味いのは確実ですのでご参考いただければ!

<耳マンのそのほかの記事>

 福岡に仕事や観光で来た方から、「福岡の美味しいラーメン屋を教えてほしい」と聞かれることがあります。これ、実はすごい答えに困る質問です。当連載の第5回を読んだ方、「なんだよ! 福岡は豚骨ラーメンだけは美味いんじゃないのかよ!」という貴殿のライオット、ごもっともでございます。違うんです、その方が泊まってるホテルが天神などの繁華街にあったとしましょう。おそらくですが、美味い店とは、「(なるべく近場で)美味い店ないですか」というひと言が含まれていると思われます。東京でも渋谷で食える美味いものの紹介が今ひとつ決め手にかけるように、街の中心部で「これは!!」という店はなかなかないもんです。観光客向けのこの店とこの店は割と、なんぼか、ちょっとは、うーん小マシな方ですけど……とかお教えすることはできるんですけども、「本当はもっと美味しい店があるんだよなぁ」と思いながら、なんとなく無難な店をお知らせするのは気が引けるものです。それで食ってみて「なんだあいつ、美味い店知らねえんじゃん」と思われるのは最悪ですし。
 よし! というわけで、まどろっこしい話はここまでだ! ハッキリ言います!

「本当に美味い福岡のとんこつラーメン屋紹介するんで、ちょっとだけ電車乗ってください!」

 申し訳ないんですが、どうしても美味しいところ紹介したいんで、天神から地下鉄空港線に乗って、筑肥線で24分の九大学研都市駅まで行ってください! 九大学研都市駅から徒歩7分、唐津街道沿いに福岡で一番のラーメン屋があります! それが、俺が月のうち半分は住んでいる福岡市西区の誇り、『安全食堂』です!

 1974年創業。昼11時の開店時間から行列が絶えない超人気店ながら、天神や中洲といった福岡の繁華街から思いっきり離れた田舎の街道沿いにあるためか、これまで福岡のグルメ本にもそれほど載らず、載ったとしてもラーメンランキングのページではなく、地方の人気店のコーナーみたいなところにちょろっと掲載される程度でした(最近になってようやく福岡のラーメン本でも1位に選ばれたりしてましたが、ようやくと言った感じ)。観光客があまり足を伸ばさず、地元民(&一部のラーメンヲタクの方々)に愛されまくった、気取りのない“町のラーメン屋”です。福岡に住んでていろいろな点で俺この街あまり合わないなぁと思っていますが、唯一良かったことといえば安全食堂のラーメンがいつでも食べられるということです! それだけでチャラ! うどんがやわいのも醤油が甘いのも本当に苦手だが、安全食堂があるならチャラでいい!

 ラーメン(600円)は、“ザ・とんこつラーメン”と言えるオーソドックスなものです。豚の骨を割ってグラグラ煮出したイメージから想起する臭みやアクの強さが微塵もなく、割とスッキリした味のスープで、大人から子どもまで万人にウケる味と言えるでしょう。麺は福岡のとんこつラーメンらしい綺麗な極細麺、具材は固い歯応えのある焼豚と刻んだネギだけで実にシンプル。卓上には取り放題のすりごまと入れ放題の紅ショウガが置いてあるだけ。玉子(50円)も現代的な半熟の煮卵ではないカッチカチの茹で玉子。殻付きなので自力で剥いてラーメンが来たらボチャンと入れます。ここには余計なものは何もありません。作り手も町のおいちゃんおばちゃんがやっていて、“おらが町の繁盛店”です(一度ギャルママ店員さんが入り安全食堂ファン騒然となったことが。お会計してもらう際なんか嬉しくて……まぁそれはいいとして)。

 店を見てもらったほうが早いかもしれません。ほら、ここ!

安全食堂

 ……ね! 店構えからして美味そうな感じしかしないでしょ? こういう店で出てきそうな、ひと昔前の、完成されている味の美味しいラーメンが出てきます。いつも変わらぬ味……と言いたいところですが、日によってめちゃめちゃブレがあります(笑)。とはいえハズレの日なんてなく、当たりの日に行くととんでもなく美味いってことです。もうね、食べたあと目がトロンとなって小さい声で(美味かった…)とつい声が出てしまうほど、と言ったらハードル上げすぎでしょうか。
 麺の茹で加減も言った通りに来ないときもあり、そこも安全食堂の醍醐味です。メインの作り手のおいちゃん曰く「バリとかカタとか言われようけど、そんときによってバリやったけどカタになったりするけんねー」とか普通に客前で話してます。それを聞いて横でネギ入れたりしてる割腹のいいおばちゃん店員爆笑。あれ、バリカタいつも頼んでんだけど今日のやわいな、と思っても、そういう店なんで文句は言えません。美味いから大体のことはチャラ。(次ページへ)

ラーメン(600円)