【掟ポルシェの食尽族】第8回:北海道の魚卵〜掟流!生筋子の醤油漬けレシピ〜
掟流!生筋子の醤油漬けレシピをご紹介
で、これをですね、漬け込みます。まず、この袋に入った状態からひと粒ずつにイクラをほぐしていくんですが、ボウルにぬるま湯と塩ひとつまみ入れてあまり力を入れずフラフラ揺すると、袋から勝手にほぐれていきます。海水の中でサケが産卵して海水の塩分でほぐれていくのと似た環境を作るわけですね。この際、ぬるま湯は熱いと感じないぐらいの温度にしてください。お湯でやったほうが簡単にほぐれますが、イクラの皮が固くなって美味しくなくなるので注意。
イクラがひと粒ずつにバラけたら、調味液に漬け込んでいきます。いろんな味付けがありますが、とあるサイトを参考に作ったら美味しかったです。(※記事最後の参考リンク参照)
調味液の配合は、醤油7:酒2:みりん1の“浜造り系”をセレクト。調味液の分量ですが、同サイトが推奨しているとおりイクラの重さの18%にします(申し訳ないけど美味しく食べるためにデジタルはかりをご用意ください! 目分量でもいけるっちゃいけますけども)。例えばバラしたイクラの総重量が1,000gだとすると調味液は180ccです。醤油=126cc:酒=36cc:みりん=18ccになります。こちらの液体をボウル等に入れたイクラにかけて粒がはじけないようやさしく混ぜます(こぼれないようにラップなんかかけとくと安心ですね)。それを冷蔵庫でひと晩寝かせてイクラの醤油漬けが完成です! 漬け時間は6時間くらいでもいけるっちゃいけますが、24時間くらい待ったほうが美味しく食べられます。そこで味見して塩気が足りないと感じたら醤油を1回しかけてもうひと晩置くとかでもいいです。個人的には丸2日くらい漬け込んだらイクラの中に醤油がしみて、中から出た脂が調味液に浮いてきてとても美味しいです。この辺は多少の試行錯誤がいるかと思います。あとはアツアツの炊きたて白飯にかけて食うだけ! ギャーうますぎて死ぬー。自分で漬け込んだから大量に食えますからね! 自分漬け最高~。
北海道の魚卵といえば“カジカのコッコ”
そして、北海道独自の魚卵といえば、こちらを思い起こす方も多いと思います。それが、これ! “カジカのコッコ”です。
イクラや数の子に比べ、北海道民でもごく一部の人しか知らないかと思います。冬場、北海道の魚屋にごくたまに入荷するだけで、北海道以外の魚屋に入ることはまずないです。(ギスカジカも含む)カジカのコッコは、何故そこまで希少なのでしょうか?
まず、カジカはそれ自体を獲るカジカ漁やカジカ漁船というものが存在しません。ほかの魚を獲るための漁で、たまたま網に引っかかったものが少量だけ魚屋や北海道のスーパーの店先に並ぶ程度です。東北や長野にもカジカは存在しますが、そちらは川で釣れる小ぶりなもので、北海道近海で獲れる体長30cm程の大型のカジカとは種類が違います。見た目はアンコウやハゼのようなかなりグロテスクな感じで、魚類というよりちょっと両生類に近い印象です。見た目こそあまりよくありませんが、カジカは魚卵だけでなく身も美味しくてなかなか人気がありまして、味噌味で鍋料理にして食べるのが一般的。カジカの味噌鍋は別名「鍋壊し」とも言われ、<美味くてみんなが鍋を猛烈に突くので土鍋が割れてしまう>という比喩表現があるほど。味としてはフグや食用ガエルに似ていて、多少の臭みというかエグみがあります(この辺が一般的に普及しない要因にもなっているかと思います)。特に肝の部分が美味しいと言われます。
カジカのコッコの醤油漬けは、イクラと同じく醤油と酒とみりんの調味液に漬け込んで作ります。イクラと比べて多少日数を多めに漬けこまないとちょっとお腹壊します。最低2~3日は必要です。本来魚卵は濃紅色で、醤油の茶色になった部分は食べられます。味ですが、生姜醤油のような酸味にも似た風味に、カジカの身のエグみをプラスした、なんとも通好みな味といえるでしょう。魚卵のサイズが小さめのギスカジカのコッコのほうが美味しいという人もいます。俺です。もし両方魚屋に売っていればギスカジカのほうを買いますね。味も似た感じですが、ひと粒のサイズはトビッコぐらいで、それが板状に連結した感じを想像してもらえれば。カジカもギスカジカも魚卵を包む外皮を破ってひっくり返して漬け込みます。こちらも非常にメシが進みます。
調べたところ、カジカもギスカジカも俺の出身地である留萌地方の人がよく食べているみたいです。数の子の産地でもある我が町ですが、カジカのコッコのほうが全然美味いしおすすめです! 問題はおすすめしても冬場の北海道ですらあまりお目にかからないことなんですが。見つけたら買え! サーチ・アンド・バイ!
(※参考リンク:http://sakanaya109.seesaa.net/article/23871806.html)