【掟ポルシェの食尽族】第19回:料理が苦手な人にも役に立つ! 基本の米・味噌・ご飯のお供

連載・コラム

[2021/1/28 12:00]

自称「食べもののことになると人格が変わる」ほど食に執心する“食尽族”でミュージシャンの掟ポルシェ(ロマンポルシェ。、ド・ロドロシテル)が、実際に食べてみて感動するほど美味しかったものや、はたまた頭にくるほどマズかったもの、食にまつわるエピソードについて綴る連載。読んで味わうグルメコラムがここに!


第19回:料理が苦手な人にも役に立つ! 基本の米・味噌・ご飯のお供


ストレス溜まる昨今、せめて美味いメシ食う自由だけは謳歌させて!

 どうも! 自分で作ったメシが美味くてバシバシに体重増加してる掟ポークです! いや、俺だけではない。自粛とかなんとかでこんな感じの人、多いんじゃないでしょうか?

<「胸がこぼれ落ちそう」浜崎あゆみのインスタ写真が本当にこぼれそう>

1.家でメシを作る機会が増加
2.仕事で外へ出歩いたりしなくなり運動量激減
3.人前に出る必要がないから見た目をあまり気にしなくなる
4.さまざまなストレスを食欲を満たすことで解消しようとする

 ……上記の理由から自炊の腕が以前に比べて上達、バクバク食いたいだけ食ってしまい、気づけば立派な小デブプランパー体型、女性なら相当自分好みのタイプに。いや、自分がなるのは困る! ぽっちゃりはAV選ぶときだけにして!
 まぁ、痩せる努力は俺の担当じゃないんで、ここでは食に関するコラムということで、開き直って自炊をさらに充実させる情報をお届け! デブまっしぐら! でももうしょうがない! ストレスばかり溜まる昨今の社会情勢、せめて美味いメシ食う自由だけは謳歌させて!
 ここで気の利いた料理のレシピでも一発書き殴りたいところですが、今回は料理が苦手な人でも役に立つ基本的な自炊情報をお知らせしようと思います。題して、

 『定番の米、味噌、ご飯のお供について』、です!

 具体的には普段買ってる美味い米の銘柄、美味しく食べられる炊飯器での炊き方、簡単に美味い味噌汁が作れる普段使いの味噌の商品名、そしてオススメのご飯のお供について、シンプルにお伝えしようと思います。デブへの道はここから始まる!

【普段買ってる米:つがるロマン】

 これまでいろんな銘柄の米を食ってきました。でも2019年からはつがるロマン一本やりで大決定です。
自炊を始めた大学生時代は安けりゃなんでもよかったですし、金もなくて外食もほとんどしませんから、どんな米でも美味く感じていました。米の味そのもので特に感動もないけどまぁそんなもんだろうと。当連載で何度も書いてますが昔から嫁や彼女には料理をほとんど作らせず、「食べたい料理は自分で作る」を実践し続け、やればやるだけ料理の腕は上達しましたが、米ばかりはよくわからないままなんとなくコシヒカリを買ったりしていました。問題なく美味しいけど米食について特筆すべきことはないというか。
 それがですね、以前青森のイベントに呼んでくれた方から「おいしいので、ぜひ」ということで、送っていただいた天日干しつがるロマンの2019年新米を食べたら、まー米ってこんなに美味いのか!ってショックを受けるほど従来自分が食ってたものと違いまして。最初ひと口食べて「なんじゃこりゃーーーーーー!!!!!!」とリアルに声が出ました。大げさだと思うでしょ? それに対しては食べたらわかる食べなきゃわからないとしか言いようがない。
 俺が食べたのは青森県黒石市の個人農家さんから売ってもらったもので、生産者や田んぼの場所によって味が変わってくるそうなのですが、送ってくれた方が「特A米の青天の霹靂よりもおいしい」とブランド米以上の評価をしていたのがよくわかります。コシヒカリを先祖に持つ低農薬米で、コシヒカリに似た甘みと味なのですが、それより格段に洗練された味と言いますか、端的に言えば「なんじゃこりゃーーーーーー!!!!!!」が伝える言葉として適切です。いただいた5キロの米を食べきってしまってからは福岡の近所のスーパーでつがるロマンを購入、天日干しのものに比べれば多少味は落ちるもののそれでも十分美味しかった。値段もそんなに高くないというか、福岡の激安スーパーだと5キロで1,800円で、これは福岡産コシヒカリと同価格。コシヒカリとつがるロマンなら断然つがるロマンを選びますね。
 2020年の新米はつがるロマンを作っていた農家がまっしぐらを作るように指導があった模様で、スーパーでもつがるロマンの取り扱いがなくなってまっしぐらが置かれるように。まっしぐらも食べましたがそこまでの感動はなく、やはりつがるロマンが美味しかったんだと痛感しています。2021年は作付面積も少ないのか5キロ2,800円くらいとちょっとお高めゆえ買えていませんが、お米の味でびっくりしたい方はぜひ。

つがるロマン

【炊飯器の使い方でお米はおいしくなる!】

 米のブランドのこととかここで言われてもそんな簡単に近所で売ってないでしょうし、食べたことがない米を通販で買うのも博打でしょうから、ここでお米が美味しくなる炊飯器の使い方を、ごく基本的なことだけ書きます。これをやるだけでマジで美味くなりますんで、騙されたと思って1回やってみてください。

1:美味しい水で米を研いで浸す水をできるだけ澄ませる
2:炊飯器の早炊き機能を使う
3:炊きあがったらできるだけ早くふんわり混ぜる

 これだけです! まぁ1と3は「お前に言われるまでもないわ!」でしょうが、一応。
 まず1について、できるだけ美味い水で炊くのは基本かと思われます。水道水がマズい地域だと米を美味しくするのは難しいですが、現代の日本だとそこまでゲロマズな水道水も以前に比べてなくなりましたし、心配な地域は浄水器でも使用していただければ。そしてこの2が重要。現代の炊飯器には早炊き機能というのがついておりまして、これを使用したほうが実感として美味しくなると思います。「熟成ふっくら極め炊き」とか必殺技みたいな機能が付いているのが昨今の炊飯器の売りですが、料理研究家の土井善晴先生によれば、「米は水に浸かってる時間が短いほど美味しく炊ける」のだそうで、1時間以上かけてゆっくり熟成炊飯したお米より素早く研いで早炊きで炊いたご飯のほうが断然美味いです。早炊き機能がある炊飯器をお持ちならすぐにできますのでぜひ。で、なんといってもこれです3番。米は炊きあがったらすぐ混ぜてふんわりするようにほぐす。これだけで全然違います。切るように潰さず混ぜてふわっとさせることで余分な水分を飛ばし、均一な炊きあがりにします。あとは、炊けたらすぐ食べる。炊きたてに勝るものなしですね。あの、夜のうち米研いでおいて水に浸した状態でタイマーセットして朝炊きあがるようにしてってのやってる方多いと思いますが、それだと水に浸かる時間が長すぎて美味しくなくなっちゃうので、美味しいご飯が食べたければ食べる直前に研いで炊きましょう。なかなか難しいとは思いますが、美味しく食べる労力は惜しまない方向でひとつよろしく!

【普段使ってる味噌:京懐石(マルコメ)】

 味噌汁については出身地によって慣れ親しんだ味噌があるでしょうし、こればかりは正解は各自にあると思いますが、ここでは自分が長年使ってるのをリコメンド。
 マルコメ京懐石は出汁入り味噌。熟成した信州の赤系味噌に北海道の昆布と焼津の鰹節の出汁。市販の粉末の出汁と味噌を足して味噌汁を作る場合配合が変わると味も変わってしまいますが、最初から適正なバランスで出汁が入っているためざっくり入れても失敗しません。信州の赤系味噌は中京地区の豆味噌の赤味噌とは違った程よいマイルドさがある米味噌で、鰹節エキスの酸味と相まって風味豊かでとても美味しいです。よく使う具はえのき茸。根元を切って4分割ぐらいに短くして沸騰したお湯に投入。京懐石を味見しながら目分量で丁度いいところまで入れて、仕上げに溶き卵を1個ふんわり仕上がるようにします。味噌の量が少なめだと出汁の香りが立ち、多めだと強い旨味が味わえます。味噌難民になって毎回いろんな味噌を試してる方はぜひ。

京懐石(マルコメ)

【定番のご飯のお供:樽味屋のからし高菜(激辛)】

 よくテレビの企画で“今夜決定! 輝け日本一のご飯のお供”的なのやってますよね。そこでまぁまぁ上位に食い込んでくるのが辛子高菜。当連載過去回でも散々ディスりまくってきた口に合わないことが多い福岡グルメですが、そんななか、高菜だけは本当に美味しいな!と思います。とはいえですね、高菜と言ってもメーカーによって味が全然違います。高菜自体が美味いのではなく、美味い味付けの高菜とそうでないなんじゃこりゃ(悪い意味で)というボンヤリした味のクソマズい高菜があって、なんならマズいほうが世にあふれている状態。1番最初に食べたのでマズいのに当たったら「高菜はマズいから嫌い」となりかねませんよね。
 というわけで1番おいしい辛子高菜をご紹介。それが樽味屋の辛子高菜(激辛)! 辛子高菜とは、高菜の葉を塩とウコンで漬け込み乳酸発酵させた高菜漬けを細かく切り、唐辛子と調味料を入れて油で炒めたもの。漬物研究家の矢下善生監修のこの辛子高菜は他社製品に比べて旨味が段違い。2007年モンドセレクション金賞受賞のラベルに納得です。そりゃ賞取るよ美味いもんこれ! 福岡市に6年間在住し仕事のたびに東京の仕事場と行ったり来たりの生活をしておりますが、250g入りパックが540円(税込)と値段も手頃なんでよく東京在住の方へのお土産にしてまして、食べた方々がこりゃ美味い!と続々リピーターになっている模様。この激辛も実にウルトラホットで猛烈に辛くてそれでいて旨味がとんでもなくてメシが進む! 辛いの苦手な人には小辛か中辛、そして新ラインナップに激辛よりさらに辛い“バリ辛”が誕生! 唐辛子を入れすぎたためかこれだけ200gで販売中! 辛すぎて食べきれないことも想定しているのか、それとも唐辛子もただではないということなのかは不明。今ではバリ辛でないとダメな体になりました! うっひょ~かっれえええ~~~! うんんめええええ~~~!
 6年前に福岡へ移住した当初、引っ越し費用だなんだであまり経済状態がよくなく、しばらくの間は卵かけご飯と樽味屋のからし高菜激辛を食べてました。でも全然苦じゃなかったのは樽味屋のからし高菜がとても美味しかったからです。もうメチャメチャ感謝してます。今春から福岡を引き上げて再び東京へ拠点を移すわけですが、今後も通販で樽味屋のからし高菜をバリ購入しバリ辛バリうまを味わい続けたいと思います。マジでオススメ。

 さて、今日も太っちゃいますかね!

樽味屋のからし高菜(激辛)
2021年1発目の著者近影!

掟ポルシェ 通販サイト開店!

『掟ポルシェ泥棒市場』https://okite.theshop.jp/

掟ポルシェ

おきてぽるしぇ●1968年北海道生まれ。1997年、男気啓蒙ニューウェイヴバンド、ロマンポルシェ。のボーカル&説教担当としてデビュー、これまで『盗んだバイクで天城越え』ほか、8枚のCDをリリース。音楽活動のほかに男の曲がった価値観を力業で文章化したコラムも執筆し、雑誌連載も『TV Bros.』、『別冊少年チャンピオン』など多数。著書に『説教番長 どなりつけハンター』(文芸春秋社)、『男道コーチ屋稼業』(マガジン・ファイブ)、『出し逃げ』(おおかみ書房)、『男の!ヤバすぎバイト列伝』(リットーミュージック)、『豪傑っぽいの好き』(ガイドワークス)がある。そのほか、俳優、声優、DJなど活動は多岐にわたるが、ここ数年はアイドル関連の仕事も多く、イベントの司会や楽曲のリミックスも手がける。