SILENT SIREN・すぅ『この季節が終わる前に〜わたしと○○のはなし〜』第4回:影響を受けた映画3本

連載・コラム

[2022/11/29 12:00]

ガールズバンド・SILENT SIRENのボーカル&ギターを担当し、同バンドでの作詞や他アーティストへの楽曲提供を通して数々の名曲を生み出してきた、すぅ。メロディーがない文章を初めて書くという彼女が、毎回異なるテーマで自身のことを明かす連載!


忘れてしまいがちな秋の存在

連載第4回になります♡ すぅです!

あっという間に11月です。

もう11月……、早いっ! 年々、月日の流れが早く感じています。子どもの頃は「毎日が長いな〜」「1週間が長いな〜」って思っていたのに、なんなんでしょうね! 生き急いでる!? いやいや! 充実していると捉えましょう(ポジティブ)!

11月は秋に入ると思いますが、昔から秋の感覚があまりなく、夏が終わって寒くなると冬モードになる私です。そのくらい夏に全振りしてます(笑)。ちょっと無理矢理になるけど、私が「秋だなー」と感じる瞬間は、「肌寒いけどアウターを着るほどではないな」っていうときとか、コンビニに“お芋コーナー”が増えたり実家から栗が送られてきたりするときかな。私には秋の感覚があまりないけど秋の食べものは大好きなので、それを食べたときに「はぁ〜、これが秋かぁ〜」と浸ります。そういえば、東京に来てからあまり紅葉を見に行っていないから行きたいと思っていたのですが、しばらく経ってしまいました(笑)。

秋といえば! 芸術の秋! ということで、私が影響を受けた映画をご紹介します。

私が影響を受けた映画を3本ご紹介!

『鉄コン筋クリート』(2006)

この作品は松本大洋さんによる漫画が原作のアニメ映画で、私は映画化されてから観ました。ASIAN KUNG-FU GENEIATIONの『或る街の群青』が主題歌なのですが、当時の私はアジカン(ASIAN KUNG-FU GENEIATIONの略称)にかなり影響を受けていたので、音楽を含めてこの作品はとても好きでした。作品に登場するキャラクターの、不思議な力をもつクロとシロは正反対の性格だけどお互いがお互いを必要としていて、そのふたりの関係性や、成長するにつれて生じる心の変化に魅了されます。違和感があるのにどこか懐かしい風景にも惹かれて何度も何度も見返しました。

私は絶対的な信用や信頼があることとか、「絶対に手放しちゃいけない」「傷つけちゃいけない」という存在がいるということに憧れがある気がしていて、クロとシロを見ていると羨ましい気持ちにもなったし、崩れていく関係に胸が苦しくなったりもしていました。

そして、やはりアジカンが最高! 「音楽がプラスされるとこんなにも見え方や感じ方が変わるのか」って感動したのを覚えています。挿入歌や主題歌は映画のおまけではなく、映画の世界観を作り上げる重要な役割なのだと感じましたし、そうして完成された作品を観て、幼いながらに胸がドキドキしていました。今でもたまに観たくなることがあるのですが、なぜか観たくなるようなときは少し寂しいときです。

『時をかける少女』(2006)

こちらもアニメ映画ですが、本当に何回観たかわからない! 朝から夜まで何回も見返したこともありました。セリフをほとんど言えるくらいには観ていました! ハマるとのめり込むタイプなのかもしれません! “時かけ”はタイトル通りタイムリープ系のお話で、私はタイムリープ系が好きなのでどっぷりとハマりました。当時は、ほかの人の考察を検索するという概念がなかったので自分なりに理解して、「こういう意味か!」と腑に落ちるまで見返していました。

この作品は夏の物語なのも最高だし、公開された当時は私が登場人物と同年代だったことも共感できるポイントでした。「なんでこんなに何度も見たんだろう」と振り返ると、ストーリーが好きだったのはもちろんだけど、多分、作品に登場する千昭という男の子に恋してたんだと思います(引かないで……!)。そして、時かけがきっかけで劇中の音楽を担当している奥華子さんを好きになったのですが、その後の2016年にSILENT SIREN主催のフェス『サイサイフェス2016』に出演していただけたときには心の底から感動しました。

時かけは今年の夏の終わりにも観たけど、やっぱり最高です。夏に大きな雲が空に浮かぶと、「“細田守雲”が出てるな〜」っていつも写真を撮ります(笑)。

『ハイスクール・ミュージカル』(2006)

私はミュージカルにあまり興味がなかったのですが、「ミュージカルすごおおお!」となったきっかけの作品です。これを観たときは私も学生だったのですごく共感できる部分が多かったけど、舞台がアメリカということで生活や学校の雰囲気などは自分とかけ離れていて、かなり憧れの眼差しを向けていました。運命的な出会いをした主人公の男女が同じ高校でミュージカルをやることになるストーリーで、曲もとにかく素敵! 見えるものすべてがオシャレで可愛かったし、人間関係のギクシャクや恋愛のシーンでは胸がドキドキして、“ぎゅー”って苦しくなりながら画面に張りついてました。

この作品はシリーズになってるから、リリースの日は学校帰りに爆速でショップへ走り、目をキラキラとさせながらレジに向かって、「今回はどんなストーリーになっていて、どんな曲が流れるんだろう」ってワクワクしていました。私は吹き替え版と字幕版を交互で永遠に観ていて寝るときも流していたので、映画で使われている英語が勉強素材でした(笑)。

ちなみに、ザック・エフロンが演じる主人公の男の子、トロイ・ボルトンにガチ恋していたので、中学校の卒業アルバムに「ザック・エフロンと結婚する」って書いたり、ずっと欲しかったフェンダーのテレキャスを買ったときにはそのギターに“ボルトン”という名前をつけたりしていました(引かないで……Part2)。

中学校の卒アルの写真

12月にとうとう30歳を迎えます!

ほかにも影響を受けた作品はたくさんあるけど、自分は子どもたちが仲間と力を合わせて何かを成し遂げる系が好きなのかな! 最近の作品でいうとNetflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は音楽も含め、本当に本当に最高ですね。

今はストーリーだけに注目するんじゃなくて劇中の音楽もよく聴くようになりました。「音楽を担当している人はこのシーンをこう解釈してこのメロディーをつくったのかなぁ」とか「この不穏なシーンをこの音で表現するのやばい」とか考えています。映画を観て泣く瞬間の大体は主題歌が流れるときだったりするので、音楽の偉大さを感じます。私も何度か映画の主題歌などを担当させていただいたことがあるけど、それが本当に嬉しくて、これまた何度も見返しました。また音楽で映画に関われたらどんなに嬉しいことか〜!!!

来月はとうとう12月! 私! 30歳になります!! ぎゃーーー! 実感ない! やばい! 自分を盛大にお祝いしてやりたい! そしてなんといっても12月といえばクリスマスなので、次回はクリスマスが嫌いだった私が、クリスマスを好きになるまでのお話などを諸々!

ではまた次回お会いしましょう♡

最近のこめ!

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すぅ(SILENT SIREN)

1992年12月28日生まれ。福島県白河市出身。本名は吉田菫で、愛称はすぅ。高校2年生のときに上京し、雑誌『CUTiE』などの読者モデルとして活動。2010年にガールズバンド・SILENT SIRENを結成し、ボーカルとギターを担当。同バンドではほとんどの楽曲で作詞も担当し、他アーティストへの楽曲提供も積極的に行なっている。2022年6月には歌手の鈴木雅之のシングル『GIRI GIRI』にゲストボーカルとして参加。2023年6月にデビューしたアイドルグループ・Fuhuaの総合プロデューサーを務めている。アパレルブランドとのコラボレーションも行っており、音楽活動以外でもセンスを発揮している。