SILENT SIREN・すぅ『この季節が終わる前に〜わたしと〇〇のはなし〜』第15回:2年ぶりに再始動するサイサイへの想い

連載・コラム

[2023/10/31 12:00]

ガールズバンド・SILENT SIRENのボーカル&ギターを担当し、同バンドでの作詞や他アーティストへの楽曲提供を通して数々の名曲を生み出してきた、すぅ。メロディーがない文章を初めて書くという彼女が、毎回異なるテーマで自身のことを明かす連載!


約2年の活動休止期間を経て、SILENT SIRENが再始動します!

こんにちは! すぅです。

最近のわたし

すっかり冬支度の季節になってまいりましたね。前回のコラム(第14回:バンドの楽しさを知った文化祭の記憶)であけびのお話しをしたところ、ファンの方からあけびをいただきました(笑)。子どもの頃以来にあけびを見て、「こんなに “ナス感”あったっけ?」「この食べ物どうやってたべるんだっけ?」って“あけびブランク”が発生していました(美味しくいただきました♪)。

さて。最近の私はといいますと、先日私がギターボーカルを務めるSILENT SIRENの再始動のお知らせをさせていただきました!

SILENT SIREN

想像以上の反響がありとても驚いたし、みんなが私たちを待っていてくれたことに改めて気付かされました。

この約2年、SILENT SIRENから離れてたあいだに、会社を設立してバンドをやっていた頃にはできなかったこともたくさん経験できました。パソコンなんてほぼ触ったことがないところから始まり、動画編集や事務的なこと、イベント運営、クライアントさんとのやりとりなど、数えきれないほど初めての経験ができた2年間でした。

そんななかで、SILENT SIRENではない自分には何の価値があるのだろうか、自分は何者なんだろうか、自分の言葉に説得力や影響力があるのだろうかと悩んだこともありました。でも、ひとつだけ決めていたことは、SILENT SIRENが活動を休止していても音楽を作ることは辞めないということです。

この2年間でたくさんの作詞提供もさせていただけたし、私の夢のひとつでもあったアイドルのプロデュースも叶えることができました。アイディアが枯渇しないように常にアンテナを張る意識をしていたけど、SILENT SIRENの活動やライブがないというのは私にとってかなり物足りなくて、欲しい刺激が無い日々だったのかもしれない。プロデュースをしているアイドルグループFuhuaにアドバイスをするときも、今の自分はどこか説得力に欠けているんじゃないかと落ち込むときも多かったです。

でも、そんな何者でもないと思い込んでいた私に、「お前はSILENT SIRENのすぅだ!」といつも思い出させてくれたのは応援してくれているファンのみなさんでした。私たちは活動休止中にバンドの話にはあまり触れてこなかったし、活休がいつ明けるかもわからないなか、私たちが作る音楽に今でも支えられていること、いつまでも信じて待っているということを伝えてくれて、とても支えてもらいました。

再始動の発表後、「信じて待っていてよかった」というメッセージがたくさん届き、思わず涙があふれました。「会社を設立してもすぅはバンドマンだよ!」「好きにやれ!」と言ってくれるファンの言葉にハッとさせられることが多かったです。

サイサイの再始動を考え始めたきっかけとその想い

SILENT SIRENの再始動が決まるまでは、とても長かった気がします。バンドを始めたときは、「カフェいこうよー」くらいのノリで「バンドやろー」って始めたのに、今回はそうもいかず。大人になって責任や背負うものが増え、ひとつずつ整理していき、このタイミングでの発表になりました。

私自身、このメンバーでまたSILENT SIRENができるとは正直なところ思っていなくて、それなら私はバンドをやりたくないとすら思っていました。だからファンの方と同じくらいに、SILENT SIRENの復活は私にとって喜ばしいことなのです。

以前このコラムにも書きましたが、私は今年の頭に大きな手術をしました。初めて死を感じたとき、このまま死にたくないと思った。「私まだ音楽やりたいし、死ぬならバンドマンで死にたい!」って(笑)。個人的には、それがSILENT SIRENの再始動をリアルに考え始めたきっかけです。

バンドの形に異常なこだわりを持っていて、「このメンバーじゃなきゃやりたくない」と常々言っていたので、活休前のメンバー体制が変わったときも相当なダメージだったし、再始動するときがきたらもう誰も欠けてほしくないと思っていました。でも手術を経て、どんな形であれSILENT SIRENを待ってくれてるファンや自分と向き合い、「やり残したことやり切ろう、やるべきだ」と思いました。

いつだってメンバーは私の意見を尊重してくれます。だから私もメンバーの人生を尊重したいし、1番にメンバーの幸せを願っているからこそ、バンドを続けることが正義や義務だと思ってほしくなかった。そんな想いもありつつ、もう一度このメンバーでバンドが再開できることが心底嬉しかった。みんな同じ想いだったんだなぁと。

バンド活動の再開において私が誇りに思えたことは、一貫してメンバー全員が、誰よりもSILENT SIRENを愛しているという自信があることです。そして、信じて待っていてくれている大切なファンがたくさんいるということ。これ以上ない強みです。

バンドが続くことは奇跡だと言ってきましたが、ファンのみなさんやメンバー、SILENT SIREN、すべてが私にとっては目に見える奇跡です。その目に見える奇跡が続くように、命を燃やしSILENT SIRENだからできる音楽を奏でたいと思います。

今後とも、SILENT SIRENをよろしくお願いします!!

「ウエストえぐぅ!」「めちゃムキムキ」Perfumeあ~ちゃん、引き締まったパーフェクトボディに反響

すぅ(SILENT SIREN)

1992年12月28日生まれ。福島県白河市出身。本名は吉田菫で、愛称はすぅ。高校2年生のときに上京し、雑誌『CUTiE』などの読者モデルとして活動。2010年にガールズバンド・SILENT SIRENを結成し、ボーカルとギターを担当。同バンドではほとんどの楽曲で作詞も担当し、他アーティストへの楽曲提供も積極的に行なっている。2022年6月には歌手の鈴木雅之のシングル『GIRI GIRI』にゲストボーカルとして参加。2023年6月にデビューしたアイドルグループ・Fuhuaの総合プロデューサーを務めている。アパレルブランドとのコラボレーションも行っており、音楽活動以外でもセンスを発揮している。