『LLR伊藤の大家族に生まれて良かった!』第4回:年に12回開催される盛大で楽しい誕生日会の思い出
10人兄弟、12人家族のなかで育ったお笑いコンビ・LLRの伊藤智博。にぎやかな暮らしを送ってきた彼が、自身の半生を振り返りながら大家族ならではのエピソードを綴る連載っ!
友達ではなく家族みんなでお祝いするにぎやかな誕生日会
僕は今年で44歳になるんですが、誕生日っていくつになっても楽しいです。よく「歳をとると誕生日なんてただの普通の日だよ」って言われる方もいますけど、僕は今でもとても楽しい日だというイメージを持っています。これには、大家族だったことが関係しているのかもしれません。
子どもの頃は、友達が自宅で開催するお誕生日会というものにすごく憧れがありました。というのも、伊藤家には“家に友達を呼んではいけない”という、暗黙のルールがあったからです。
今となってはその理由をとても理解できます。まず、我が家は12人分の荷物が所狭しといろんなところに置かれている状態で(小さいピアノもあったんですが、途中から棚の代わりになってました)、12人分の洗濯物が常に干してある状態でしたし(毎日、朝と夜に2回ずつ洗濯してました)、何より友達を呼ぶタイミングがほかの兄弟とバッティングしたら、家の中はとんでもないことになってしまいます。ということで、伊藤家ではどの兄弟も友達を自宅に呼ぶことはしなかったので、自宅に友達を呼んでの誕生日会というものを開催することはありませんでした。
じゃあ、誕生日は味気なかったのかというと、そんなことはありません。友達ではなく家族みんなでお祝いする、なんなら友達を呼ぶよりも盛大な誕生日会が開催されるからです。家族だけでなく、親の友人であるおじさまやおばさまの家族が何組も来てくれて、みんながそれぞれ誕生日プレゼントをくれるので、2週間くらい前からその日がくるのを心待ちにしていました。
年に12回しっかり開催されるのですが、その12回、毎回盛り上がります。特に誕生日ケーキのろうそくに火をつけて、部屋を暗くしてみんなで「ハッピバ〜スデ〜トゥ〜ユ〜♪」とバースデーソングを歌うメインイベント。母親によってアメリカナイズされた伊藤家では、歌の最後に「ハ〜オ〜ラ〜ユ〜?」(※「How old are you?」を発音良く言ったやつ。小さい頃は意味がわからずに言ってました)とみんなが誕生日のメンバーに聞き、主役が「ナイン!」のように年齢を答えて火を消すというルールがあったんですが、そのろうそくの火を、年少の2、3歳の子が消してしまうというお約束があり、それで毎回みんな爆笑してました。
大家族の誕生日会は今でも定期的に開催……!
今でも月ごとに誕生日の人をお祝いする会は開催されてます(ほぼ毎月です)。さすがに家族全員が集まることはほとんどないんですが、甥っ子や姪っ子たちも増えてきたので毎回楽しいです。小さい子どもたちがろうそくの火を消すお約束もしっかり受け継がれています。
こんな感じで、大家族の誕生日はとても楽しいです。あと、誕生日のことで「大家族で良かったな」と思うのは、兄弟みんなでひとつのものをプレゼントできるということです。これはとても良いです。自分じゃ到底手が出せないものでも、兄弟の力を合わせてプレゼントしてもらえるんです。本当に嬉しいです。
ちなみに、大人になってから兄弟みんなで母の誕生日にダイソンの掃除機をプレゼントした年がありました。自分のなかでは、「10人で割ったらひとり5,000円くらいかな」と想像していたのですが、兄弟のグループLINEで姉から「トモは500円でいいよ」というメッセージがきたときには、とても複雑な気持ちになりました(実際に500円しか払いませんでした)。
こうして振り返ってみると、伊藤家ってとても素敵な家族だなと実感できました。改めていい家庭に産まれてきて良かったなと思います。いつか自分の子どもがろうそくの火を消してみんなが爆笑してくれる日がくるのを楽しみにしています。あと、自分が今年で44歳になることにも驚いています。僕の誕生日は10月16日なので覚えておいてください。プレゼントお待ちしています!