Takassyがジェンダーに縛られない国・タイで感じたこと「さまざまな個性と多様性に巡り合う国」〜【ENGAB♡AtoZ】第7回〜

連載・コラム

[2024/2/20 12:00]

唯一無二の3人組オネエユニット・ENVii GABRIELLA(通称エンガブ)のメンバーが愛してやまないヒト・モノ・コトについて、アルファベットのAからZを頭文字に始まるキーワードで紹介していく新連載『ENGAB♡AtoZ』。第7回はTakassyが“G”を担当し、タイを訪れた感想とともに、ジェンダーアイデンティティ(性自認)やセクシュアリティについて綴ります。


【G】Takassyが自由の国・タイで感じたジェンダーに縛られない風潮

私は今、タイのバンコクにいる。タイで行われる日本文化を紹介するイベント『JAPAN EXPO THAILAND 2024』(※)に出演するためです。実は、私はこれまでの人生で海外に行ったことがなく、この遠征が初めての海外!!  旅行についてのあれこれは、また機会があるときにでも詳しくお話しますけれども、今回は「Gender」(ジェンダー)をテーマに綴りたいと思います。
※2024年2月2日から2月4日にタイ・バンコクのセントラルワールドで開催

今やポピュラーになった「ジェンダー」「ジェンダーアイデンティティ(性自認)」「セクシュアリティ(性のあり方)」「多様性」というワードは、私が思春期を送っていた頃にはまったく認知されていない言葉たちでした。ゆえに、それらを表す単語として「同性愛」「ホモ」「オカマ」などが使われていたのだと思う。

私は自分のジェンダーアイデンティティやセクシュアリティで悩んだことはほぼなかったです。物心ついたときから男の子が好きだったし、女の子の身体に興味を持つことも一度もありませんでした。「男なのにイメケン見てときめくことができる自分、尊い」とか思ってた。今も。

そんな幸せなことを思いながら、自分で行動ができる歳になると、まずは俗に言う“BL本”を古本屋で買い漁り、こそっと雑誌を買いまくっていろんな知識を蓄えていきました。そして今に至るまで、幸いなことにこのジェンダーアイデンティティやセクシュアリティによって迫害を受けたことも、差別されたこともなかった。そりゃ、思春期には、友人関係で男と女の間で揺れ動いて、どっちつかずで友達ができづらい時期もあった。だけれども、私は元来「そういうものならばどうしようもない」「プランAが上手くいかないなら、プランBでいこう」というマインドなので、そのときそのときの人生をそれなりにひとりで楽しむだけのバイタリティはあったのかも。

さまざまな人と触れ合った、楽しくて自由なタイの“ナイトマーケット”

さて、話はタイに移ります。タイには有名な“ナイトマーケット”というものがあって、毎晩のように深夜2時頃まで飲食店や雑貨店が並ぶマーケットがあります。日本人としての感覚では、もはやマーケットというよりフェス。タイフェス。

私はエンガブのメンバーやスタッフと、好きなようにその広大な敷地内を歩きまわりながら、食べたり飲んだり、さまざまな国の人たちと触れ合ったりしたよ。そこにいる人たちはみんな楽しそうで、こんなに酔っ払いとパリピのるつぼなのに、喧嘩なんて起きそうもない。

しかも、パフォーマンス後にそのままナイトマーケットへ行ったので、私たちはステージ用のフルメイクで練り歩いてました。日本だとチラ見されたりするけど、タイには私たちより派手な女性の姿をした男性(わかりやすい表現にしています)がたくさんいるから、なんてことないわけ。そんななか、とある店のおじさんが「綺麗だね!!(タイ語っぽい英語で)」と声を掛けてくれました。その夜は、ほかにもいろんなところで「Cute!」「Beautiful!」なんて声を掛けられたりして。

ホアムムナイトマーケットで『豪華ネェサン』を爆音で流してくれた、素敵なオネエさんと可愛い店員さんのいるお店『แซ่บดูดสาก ตลาดหัวมุม(日本語に直訳すると“美味しくてスパイシーなホアムム市場”)』

翌日には、大型のデパートやモールにも行って爆買い。タイのコスメをたくさん買おうと思って、コスメコーナーで1番華やかで綺麗なロングヘアの店員さんに「ちょっと聞いてもいい?」って声を掛けました。「いいですよー!」って返ってきた声は男性特有の低い声。タイでは珍しくない女性になった元男性だったのかなと思います。

さまざまな個性や多様性に巡り合うタイに存在する“どうでもいいマインド”

行く場所行く場所で、さまざまな個性と多様性に巡り合う国。どんなジェンダーアイデンティティやセクシュアリティだとしても、みんなが楽しそうに働いているように見える。タイでもLGBTQにまつわるさまざまな社会情勢はある。でも、街をつくる人々からあふれているのは、日本とは違うエナジーでした。人が集って、行き交う様子を見て、そう感じました。

他人に関心がないから、他人を自然と受け入れられる。「私は好きにするからあなたもご自由に」「ああ、あなたはそういう人なのね。オッケーオッケー」みたいな。人への関心がないことと、人を受け入れることは一見まったく逆のようだけど、結局そういうことなのかもな。

このある種の“どうでもいいマインド”が日本でも広がったらいいのに。「あなたの性自認/性的指向はなんですか?」とか、そういう質問がナンセンス。そんな国になっていってほしい。「あなた素敵」って、それだけでいいじゃない。私にとって、ジェンダーアイデンティティやセクシュアリティってそのくらいの重さでしかない。運命の人に出会うための“鍵”のひとつ。その人とマッチするために持って生まれたもの。そう考えてる。

日本でのニュースに染まっている私は、この時代に「戦う」「傷つける」のようなワードを連想するときもあったけれど、“こうあるべき”という日本人としての“国民的プライド”みたいなものがそうさせているのかもしれないと、「自由の国」と言われるタイを訪れて感じたのでした。

タイのナイトマーケットにて

HIDEKiSMが、ナイトマーケットで「日本でもこういう街づくりとかマーケットをすればいいのに」と言っていました。ふたりで話してて、「渋谷とか新宿にこんなマーケットがあったら、毎日トラブルが起きるから無理なんじゃない?」って結論だったんだけど。治安がいいというのを誇りにしている日本人なのに、そういう結果を想像しちゃうのって皮肉よね(笑)。

(Takassy)

Takassy(タカシ) プロフィール

3月24日生まれ、神奈川県出身。音楽ユニット・ENVii GABRIELLAのリーダーで、YouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』のママ。同ユニットの楽曲やアートワークを担当している。専門学校でボーカルを専攻し、卒業後はsouljuice(ソウルジュース)名義でアーティストとしての活動を開始。楽曲やデザイン、ステージングなどのセルフプロデュースを行うほか、メジャーアーティストへの楽曲提供も行う。2022年12月には自身初となる著書『私は私の幸福論を歌うから、あなたはあなたの幸福論を歌えばいいの』を発売した。

編集部からお知らせ

当サイト『耳マン』は2024年2月29日をもって新規コンテンツの配信を終了します。これに伴い、本連載『ENGAB♡AtoZ』はリットーミュージックのボーカルウェブメディア『Vocal Magazine Web』(https://vocalmagazine.jp)に移行を予定しております。詳細は追って発表いたします。これまで『耳マン』でのご愛読、誠にありがとうございました。

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ENVii GABRIELLA

Takassy(タカシ)、HIDEKiSM(ヒデキズム)、Kamus(カミュ)からなる唯一無二の“最強オネエユニット”。それぞれ違うフィールドで活躍していた3人が、2017年3月よりユニットでの活動を開始し、2021年10月にメジャーデビュー。バラエティ豊かな楽曲、圧倒的な歌唱力、息の合ったダンス、ピンヒールを着用しての華麗なパフォーマンスが特徴的。“動画で楽しむ新宿二丁目”がコンセプトのYouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』も人気で、約20.6万人のチャンネル登録者数(2023年11月時点)を誇る。