【社長と音楽】最高にパリピでレイバー! 電気グルーヴで人生変わったハイエナジー社長の音楽愛に迫る

[2017/12/21 12:00]

メディアに多数出演! 仮装パフォーマーとしても大活躍!?

集塵機のほか航空・宇宙、原子力、粉・流体、工業用分野など、幅広い分野において豊富なエンジニアリング製品を世に送り出している株式会社流機エンジニアリング。同社の仕事はメディアでもたびたび特集され業界内の認知度は高まるばかりだが、社長の西村司氏はプライベートでも大規模な仮装コンテストに出場して優勝をさらうなどエンタメ性に富みまくった活躍をみせつけている。どうやら音楽にもかなり造詣が深い様子……。今回は気になりすぎるこの社長に突撃だっ!

株式会社流機エンジニアリング 西村司社長

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——これまでにも手がけているお仕事がさまざまなメディアで取り上げられていますが、近年はハロウィンの仮装コンテストで優勝するなど注目を集めていますね。先日は仮装パフォーマーとして『パリピ展』(日本で始めて“パリピ”をテーマに開催されたイベント)にも出演されたりして……。今日は社長の“お仕事じゃない部分”のお話を聞かせていただければと!

ぜひよろしくお願いします。何でも本気になっちゃう性格なんですよねぇ(笑)。去年から仮装を始めて、川崎のハロウィンイベント(『川崎ハロウィン』)やageHaのイベント(『ageHalloween』)の仮装コンテストで2連覇しました。それがきっかけで『パリピ展』などのイベントにも声をかけていただいたりしまして。

——そもそもなぜ仮装コンテストに出場することに?

地元が川崎なんですけど、20年くらい前からずっと開催されている『川崎ハロウィン』をずっとお客さんで観に行ってたんです。このイベントはドイツのレイヴイベント『ラブパレード』を目指して発足したものみたいなんですが、もともと『ラブパレード』に強い憧れがあって。『ラブパレード』は街中が音楽と100万人のレイバー(raver)であふれるめちゃくちゃ大きなイベントで、私は電子音楽が大好きなので、若い頃からいつか行きたいとずっと思ってきたんです。そんななか、地元で『ラブパレード』を目指したイベントが開催されると! これは運命だと思いまして、ほぼ皆勤賞で観に行ったんですよ。

——それでついに出ちゃったんですね。

観ているうちに目が肥えてきちゃったんですよね(笑)。「自分だったらこんなことやるのになぁ」とか思うようになって。でも、出場するのは恥ずかしくて嫌だったんですよ。有名になると悪いことができなくなっちゃうなっていう気持ちもあって。

——悪いこと……それは聞かないでおきます(笑)!

ハハハ! でも流機エンジニアリングの社長として『ほこ×たて』みたいな全国放送のテレビにも出させていただいたりしてきたので、「テレビ観ました!」みたいに言っていただくことが増えてきていて。「こうなったらどんどん顔を売っていこう!」っていう気持ちになってきていたタイミングでおもしろい出会いがありまして。

——それは?

アメリカのネバダ砂漠で年に1回開催されている『バーニングマン』っていうイベントがあるんです。世界中から変わり者が7万人も集まってくるイベントなんですが、去年そこに行ったときにハロウィンが好きな日本人女性と出会ったんですね。それで彼女に「(日本で)ハロウィンイベントに一緒に出てください」って強く頼まれて、出ることになったんです。去年は彼女がリーダー、今年は諸々の事情で自分がリーダーになって7つの仮装イベントに出て、3つで優勝しました。

今年の各地のハロウィンイベントで賞を総なめした西村社長率いるチーム“ランドリーモンスター”。社長は右から2番目の洗濯ばさみ!
洗濯ばさみぃぃ!

——なるほど。電子音楽好きが高じて仮装にたどり着いたんですね。

そうですそうです。

——音楽好きになったきっかけは?

小学校の頃、家族とすごく仲が悪くて、家にいるときは部屋に閉じこもっていたんですね。部屋でずっとラジオを聴いては録音をしていて。それで、録音した音楽や何かの効果音、芸人のおしゃべりとかCMのワンシーンとかを繋ぎ合わせて、ひとつの作品みたいにして遊ぶっていうことをやっていて。

——おぉ、DJみたいですね。

そうなんです。音を繋げて遊ぶっていうことを自然にやってたんです。そんな生活のなかで決定的だったのが電気グルーヴのオールナイトニッポン。番組のなかで、メンバーが誰も知らないようなマニアックな音楽を紹介するコーナーがあったんですけど、そこで紹介される音楽がことごとくツボで。「これはなんていうジャンルなんだろう?」ってどんどん深く調べていくようになったんです。

——電気グルーヴがきっかけですか。

そこからその大元にはYMOがあるってことがわかって、彼らにハマって。彼らの前にはジャーマンプログレがあったり、クラフトワークがいたりしたんだなとか。でもYMOはそこじゃなくてディスコミュージックがルーツだって言ってるぞってことで、ジョルジオ・モロダーあたりにたどり着いたりして。そいういうふうに“枝”となるような人たちをどんどん発掘していくようになったんです。

——それはいつくらいですか?

高校生くらいですね。ほかにもマイアミ・ベースみたいな陽気な音楽とか、デ・ラ・ソウルやN.W.A.などのニューヨークのヒップホップを聴いたり、電子系ではソウルとファンクを電子で表現したアフリカ・バンバータとか、西のバンバータと称してテクノを広めたウエストバムとかが出てきたり。それで『セカンド・サマー・オブ・ラブ』(1980年代の後半にイギリスで起きたダンスミュージック/レイヴムーヴメント)が巻き起こって、日本でもテクノが日の目を浴びたりして。自分が興味をもって好きになったものがどんどんメジャーになっていくっていうのを体感できたんです。

——これは本気の音楽好きですね……。

高校を卒業するとクラブに遊びに行くようになるじゃないですか。そうすると家とはぜんぜん違う聴こえ方がするんですよね。いろんなDJを観てるうちに目も耳も肥えてきて、「自分だったらこう繋ぐのになぁ」とか思うようになって。それで気が合う友だちとイベントをやり始めて、DJをやったりして。

——DJデビューはいつですか?

19歳くらいですかね。定期的にイベントをやったり、池袋のバーでDJみたいなことをやったりもしてました。

CDやレコードは4,000枚も所持。ご出演は娘さん。こちらもエンターテイナー! 怖いよー!
2017年にイベント『アフロキャンプ』でアフロマンス氏とDJをしたときの様子

——音楽的な体験で最も感動的だったエピソードを教えてください。

『ラブパレード』は事故で開催中止となってしまってとうとう行くことは叶わなかったのですが、同じくドイツで開催されている世界最大級のダンスミュージックイベント『メイデイ』に遊びに行くことができたんです。5年前くらいでしたね。あれはとても感慨深かったなぁ……。ゴールデンウィークに合わせて休みをとって、ついでにドイツの周辺の国もあちこちまわろうと思って。ベンツをレンタルして速度無制限のアウトバーンをアクセルベタ踏み230キロで走りまくって9ヶ国(笑)、走行距離5,500キロくらいになりました。宿もとらないで、走ってるか仮眠してるかどっちかっていう生活で(笑)。最高でした。

——いやぁタフすぎですね。そんなに音楽が好きなら、音楽関係の仕事に就こうとは思わなかったんですか?

思ったことはあるんですけど、父がこの会社の創業メンバーのひとりで、創業15年目くらいに社長になったんですね。僕も忘年会や社員旅行で社員さんと交流したりしていて、なんとなくですがいつかはこの会社に入るんだろうなって思っていたんです。あとはひとつポリシーもあって。

——それはどんなものでしょうか?

自分が一番好きなことを商売にしてはいけないっていう考え方です。好きなことで失敗してしまったら、それを嫌いになってしまったり、自分が生きている価値がなくなってしまうって思ったりしちゃうんじゃないかって。何もなくなってしまうのは不幸だと思うんです。メシを食うことと大好きなことは混ざり切ってしまわないほうがいいと僕は思うんです。

——好きなものがあるから仕事もがんばれるみたいなところもありそうですね。

そうですそうです。ただ、仕事と好きなことのリンクは必要だと思うんです。正反対の関係ないことばっかりやっても、単純に資源を半分こにしてるだけなので非常に効率が悪い。人には24時間しか与えられていないわけですから、持ってる能力を行き来し合えることは外せないかなって。

——社長にとって仕事と好きなことがリンクするのはどのあたりですか?

私たちは “環境を作り上げていくこと”を目的としたB to Bの仕事なので直接の交わりはないですが、強いて言うならば、長渕(剛)さんの桜島ライブで大型エアコンを使っていただいたりとか、世界最大級のミストファンをイベントに提供したりですとか。

——よくバラエティ番組で芸人を吹き飛ばしているでっかい扇風機も御社のものだったりするんですよね?

そうなんです。ほかにも防音対策の技術なども持っていますし、“エンターテイメント”や“音”という部分ではリンクしているところもあるんです。

国連サミットで事業が紹介されたこともあるとか! すごい……

——本当に刺激的な社長さんで社員さんがうらやましいです。社長として大切にしていることを教えてください。

私の生き方を見て、「楽しいな」とか「こういう風に生きないともったいないな」って思ってくれる人がひとりでもいてくれたら嬉しいです。僕は仕事も、趣味も、家庭に対しても全力で臨んでいて、寝る時間も削って、寝ない日もあるくらいに時間を目一杯使って、充実した生活をおくりたいと思っているんです。今でもageHaだったりVISIONに行ってオールナイトで遊ぶこともありますし、もちろん仕事にも全力で取り組んでます。社員にも「仕事ばっかりが能じゃないよ」「いつ死ぬかわからないんだから」っていつも言っていて、そんな生き方を率先的に、必要以上に見せているつもりです。生き生きと生活してくれたら、仕事の成果も質も上がってくると思うんです。

——社長が積極的にいろいろなことをやっている理由がわかりました。

人生の“長さ”は決められているものなのかもしれないですけど、“太さ”は自分のさじ加減でどうにかできると思うんです。そういうふうに生きてくれる仲間を増やしたいですね。そうなれば僕も楽しいですから。負けませんよ!(おわり)

音楽関係者じゃないですよね……!?

本当に音楽が好きでたまらない様子だった西村社長。電子音楽はもちろんだが、ロックやゲーム音楽、特撮音楽やプロレス入場曲などなど、音楽的な懐の広さに驚かされた。まだまだ語り足りない様子だったので、ぜひまたの機会にじっくり音楽トークをしてみたい。社員や家族思いな面も存分にうかがうことができ、「楽しむ」ことがあらゆる部分にポジティブなバイブスをもたらしていることがひしひしと伝わってきた。僕もこんなふうに生きていきたいです! 西村社長、ありがとうございました! くれぐれもお身体、大切にしてくださいね!

【オマケ】西村社長にいただいた取材用資料〜好きな音楽リスト〜

面白音楽感化時代

YMO、電気グルーヴ、スチャダラパー、クラフトワーク、OMD、ヒューマンリーグ、レジデンツ、P-MODEL、スネークマンショー、ザ・ドリフターズ、クレイジーキャッツ、猛毒、筋肉少女帯、アニメ特撮、プロレス入場曲、ゲーム音楽

DJ&レアコレクター時代

ハードフロア、ケミカルブラザーズ、808 State、Shamen、Messiah、プロディジー、オービタル、orb、ケン・イシイ、サワサキヨシヒロ、Fluke、レオパルドン、カラテクノ、sharpnel、ホンダレディ、天宮志龍、KUDO、テイ・トウワ、ダブマスターX、ビッグビート、トリップホップ、一次二次デトロイトテクノ、ロッテルダム系、ダッチハウス、アシッドハウス、二次シカゴハウス、NYハードハウス、トレバーホーン系、DEAD OR ALIVE、ハッピーハードコア、ハッピーチャームフール、エレクトロニックボディミュージック、シープオンドラッグス、ジーザスジョーンズ、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、Dragon Ash、THE MAD CAPSULE MARKETS、AIR、プライマル・スクリーム、ジャングル、ジャーマンプログレ、ジャーマントランス、ディスコソウル

深耕&惰性時代

ビーマニ系、ドラムンベース系、Electro Bass系,サイバートランス系、アンビエント系、FPM、EDM、J-POPリミックス、ディズニーリミックス、ナードコア、Mash Up系、funkot、Chiptune

プロフィール

にしむらつかさ◎1973年生まれ、神奈川県川崎市出身。188センチ、70キロ。妻・娘2人。2014年に株式会社流機エンジニアリングの社長に就任。同社は創業41年、社員104名、年商38億円の環境装置メーカーで『夢の扉+』『ほこ×たて』『Mr.都市伝説 関暁夫のELIZA~ 未来を切り開くテクノロジー~』ほか、多くの番組で特集されるなど注目を集める。個人としてもエネルギッシュに活動しており、仮装パフォーマンスのほか、スポーツエンターテインメント『KuroOvi』や世界最高峰の障害物レース『リーボック スパルタンレース』に出場。『スパルタンレース』ではプロ用エリートコースをスーツで完走し参加者の度肝を抜いた。音楽のほかプロレスや一人旅も趣味。芸術ユニット・明和電機のイベントでのゲストパフォーマンス歴もある。

[Oh!Lee]