【社長と音楽】クイーンが好きすぎてドラムを始めちゃった“ストーリー戦略コンサルタント”社長

特集・インタビュー

[2019/3/6 12:00]

クイーン大好き!な個性派社長

今回の『社長と音楽』は、大ヒットを記録したクイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』に影響されてドラムを始めてしまったというアグレッシブな女性社長をご紹介。取材に応じてくれた株式会社うぃずあっぷの芝蘭友(しらんゆう)社長は、“ストーリー戦略コンサルタント”という肩書きを持ち、さまざまな分野で活躍する経営者たちをサポートしているという。耳馴染みのない“ストーリー戦略コンサルタント”とは一体どんな仕事なのか!? そしてどんなクイーン愛、ドラミングをきかせてくれるのか! ワクワクしながら取材場所に指定された都内のスタジオに到着した。

スタジオのなかから響くドラミング!

ドラムを練習中!?

——芝蘭社長、今日はよろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!

——ドラムの練習中ですか!?

実は今年からドラムを始めたんです。大好きなクイーンのドラムを叩きたいと思って!

——わぁ!素敵です! 練習中のところ非常に恐縮ですがインタビューをさせていただければと……。

そうですね! よろしくお願いいたします。

ドラムはちょっと休憩。改めて株式会社うぃずあっぷ・芝蘭友社長

——芝蘭社長は“ストーリー戦略コンサルタント”という肩書きをお持ちですが、恥ずかしながらこういったお仕事があることを初めて知りました。

日本でも私だけなんじゃないかなと思います(笑)。私はもともと、経営者の方のビジネス本出版をプロデュースする会社にいたのですが、2018年に独立しまして。経営のプロであっても本を出すことに関してはプロじゃない経営者の魅力を見つけ出して、「あなたにはこういう未来があるはずだから、こういうブランディングをしたほうがいい」というアドバイスをさせていただいています。なのでコンサルティングでありブランディングでもある、そういう変わった仕事なんですよね。

——大変興味深いお仕事です。それぞれの方のストーリーを生み出す際、何か参考にしているようなものはあるのでしょうか?

昔から本が大好きなので、本から吸収したことを生かしている場合が多いかもしれません。小さい頃はキュリー夫人や野口英世などの偉人伝シリーズが大好きでよく読んでいました。20代の頃には1日に2、3冊はビジネス書を読んでいましたね。小説はまったく読まないんですけど。

——ストーリー作りという意味では小説も参考になりそうですが。

小説でよその世界に行かなくても、偉人たちや名を成した経営者たちなど、現実世界でもおもしろい人がいっぱいいるんです。ビジネスの世界に関してはリアルに共感してもらうことが大切だと思いますし、具体的なビジョンが必要ですので。

——なるほど。今の仕事のやりがいはどんなところですか?

20年間いろいろなところで講演をしてきているのに出版社からまったく声がかからない経営者の方がいらっしゃったんですけど、私がその方の肩書きを作って、見え方を整えてプロモーションをしたら、あっという間に本の出版が決まったんです。そういうときは本当に嬉しいですね。例えばどれだけいい刀職人だったとしても、一生懸命研ぎ続けているだけじゃ刀は売れないですよね。だから私がラッピングしてリボンかけて、その刀のかっこいいコピーを作って……そういうお手伝いをさせていただく。世の中には素晴らしい経営者がたくさんいるので、もっとそういう方の魅力を広めるお手伝いをしていきたいと思っているんです。

なぜそんなにクイーンにハマったの!?

——多くの人と接してきている芝蘭社長だと思いますが、クイーンの魅力は格別だということでしょうか?

彼らの音楽って元気が下からつき上がってくるような感じがするんですよね。本格的にハマったのは2013年くらいからでしょうか。その頃、数年連続でアフリカに行っていまして、フレディ(・マーキュリー)が生まれたザンジバル島(タンザニア)にも行ったんです。ザンジバル島は本当に海が綺麗で、「フレディもこの海を見てたんだろうな」なんて思いながら眺めていたら彼をすごく身近に感じてきて。それで映画(『ボヘミアン・ラプソディ』)のヒットでさらに火がついたという感じです。

ザンジバル島に行った際に撮影した、フレディの写真が飾られた建物。生家ではないらしい

——『ボヘミアン・ラプソディ』は観ましたか?
4回も(笑)! 史実と違うところもあるのかもしれませんが、毎回感動する大好きなセリフがあるんですよ。「I decide who I am.」(自分が何者なのかは自分で決める)っていうセリフなんですが、その考え方ってまさに私の仕事に通じているところがあるなって。仕事をする相手が何者なのかをしっかりと導き出すのが私の役目なので、初めて聞いたときにはもう「このセリフを聞きにきたんだ!」って感動しました(笑)!

——クイーンというバンドのストーリーは芝蘭社長にはどう映っていますか?

あんなに個性的なメンバーが集まったのが奇跡なんだと思います。ドラムのロジャー・テイラーはミロのヴィーナスみたいにかっこいいのにボーカルじゃなかったり、ベースのジョン・ディーコンは地味だけどポツリと放ったひと言でバンドをまとめたり、あんなに素晴らしいギターを弾くブライアン・メイがいたり、本当にメンバーが個性的ですよね。そして映画でも自分を“パフォーマー”と表現しているフレディがいて、そんな彼をバンド全員で支えている。本当に奇跡みたいなバンドなんだと思います。

——社長は『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーン愛が高まってドラムも始めちゃったんですか?

そうなんです! 2018年は自分を見失うくらいに忙しくしてしまって、疲弊しすぎたなって思ったんです。やっぱり自分が楽しむ時間もちゃんと作ろうっていうことで、もともと興味があったドラムでクイーンを叩きたいって思ったんです。ドラムを叩いていると何も考えないでいられるんです。頭のなかを真っ白にできることってあまりないので本当に楽しいです! 初めて趣味になりそうなものを見つけられました。

ジャーン!ジャーン! ※『WE ARE THE CHAMPIONS』のサビのところ
先生の工藤健介(CRAZY WEST MOUNTAIN)さんも演奏を聞かせてくれました!うまい!

——バンドマンからストーリー戦略の相談を受けた経験ってないですか? バンド活動もそういう部分が大切だったりするとも思うのですが。

今のところそれはないですが大歓迎です。バンドマンを集めて、どういう部分を訴求していけば売れるかっていうところを一緒に考えたりして。楽しそうですね!

——需要あると思います!

そうですかね! バンドマンの方、ぜひご連絡ください(笑)。

——これからもドラムは続けますか?

まだ3回目のレッスンなので全然叩けませんが、まずは一曲ちゃんと叩けるようになりたいです! がんばります!

まだ3回目! がんばります!

(おわり)

大御所セッションマンのような器の大きさ!

各地での講演、そして数多くの経営者のヒアリングをこなしている芝蘭社長だけあって、話す/聞くのスキルが卓越しており、楽しく会話をしているような雰囲気のままあっという間に取材が終了してしまった。社長は「言葉(会話)は音楽」とも語っていたが、まるで大御所セッションマンが演奏を楽しんでいるときのように、どんな質問にも遊び心を交えながら的確に答えてくれた。そんな芝蘭社長がどんなドラマーになっていくのか、非常に楽しみ! まだ3回目のレッスンだったため今回は叶わなかったが、ぜひいつか『地獄へ道づれ』をセッションしましょう! ベース練習しておきます! 芝蘭社長、本当にありがとうございました!

プロフィール

しらんゆう●1972年7月7日生まれ、大阪府出身。グロービス経営大学院卒業(MBA)。シナリオライター、出版プロデュース会社を経て、2008年に経営者のブランディングを主とする株式会社うぃずあっぷを設立。「言葉の力で、世界を変える!」という理念のもと、顧客のロイヤル・ポジション構築、マスメディア戦略に力を注ぐ。著書に図書館情報学部門amazonベストセラー1位獲得の『死ぬまでに一度は読みたいビジネス名著280の言葉』(かんき出版)がある。

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