ついに復讐へと動きだす女囚たち……最終回前の伏線回収がスゴすぎた『監獄のお姫さま』第9話
漫画家の鈴木詩子が話題のドラマ『監獄のお姫さま』を語るッ
宮藤官九郎が脚本を担当し、小泉今日子が主演を務め、10月からスタートしネットでも話題を賑わせているドラマ『監獄のお姫さま』。女子刑務所の中という過酷な状況でたくましく生きる女たちの群像劇を描いた作品です。今回はそんな同ドラマの第9話の感想を、漫画家の鈴木詩子氏に素敵なイラストとともに熱く綴っていただきました!
ついに復讐へと動きだす女囚たち……
いや〜観ましたか? 火曜ドラマ『監獄のお姫さま』第9話! 脚本・宮藤官九郎で主演が小泉今日子という豪華な組み合わせが話題の“おばさん犯罪エンターテイメント”ですが……ついに大詰めです、来週が最終回ですよ!
仲間たちが出所してしまい、刑務所にひとり取り残された“姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)。雑居房のメンバーにつけられた新しいあだ名は“アスパラ”。「ひょろひょろのブス!」となじられ、夕食のマヨネーズを奪われてしまう辛い毎日です。
そんな姫の様子を見てきた刑務官のふたば(満島ひかり)は、姫の母親宛に板橋吾郎(伊勢谷友介演じる姫の元婚約者で勇介の父親)に内緒で勇介(姫の子ども)に会わせてあげられないか手紙を書きます。しかし、姫の母親は金銭面で吾郎に頼りきっているので吾郎のしもべも同然。しかも姫のことは完全に見切っていて、ただの犯罪者扱い……。
ふたばの手紙が原因で姫の母親がこの件を吾郎に密告してしまい、さっそく面会にやってきた吾郎が姫を攻め立て、彼女は錯乱状態になってしまいます。
そのことに胸を痛めたふたばは、なぜか『女囚さそり』(1970年代にヒットした梶芽衣子主演の映画)の出で立ちで、シャバに放たれた姫の仲間の女囚たちの元に現れ、招集をかけます。
“しゃぶ厨”こと小島悠里(猫背椿演じるカヨたちと雑居房で同室だった元薬物中毒の女囚)が店長を務める美容院で働く馬場カヨ(小泉今日子)の元に突然現れるふたば。彼女は「角刈りにしてくれる?」と、カヨのもっとも得意なヘアスタイルをオーダーしたのち、無言でカヨたちが獄中で計画を立てるために使っていた“復讐ノート”を置いて帰ります。するとそこには、女囚たちがわちゃわちゃしながら立てた適当で不完全な計画が、ふたばの手によって練り込まれた計画に生まれ変わっていたのです! “これは実行するしかない”と、仲間たちは再び集まり、吾郎への復讐を誓います。
こうして、今まで過去(刑務所)と現在(シャバ)を行ったり来たりしながら進んでいたストーリーが、伏線を回収しながら第1話に繋がったのですが……そのテンポの良さが、まるでドミノ倒しを見ているようでめちゃくちゃ気持ち良かったんですよ。おまけに小ネタもビシバシ決まりまくり、緊張と緩和で1秒も飽きさせなくて……本当にクドカンさんはすごいと思いました。
そして今回、吾郎のクズ男ぶりに改めて感心してしまいました。だって、かつての恋人・ユキ(雛形あきこ)を使い捨てるかのように殺し、社長の娘だからという理由で付き合っていたしのぶに罪をなすりつけ自分は社長の席に収まり、シレッとモデルと結婚し、のうのうと暮らしているんですよ? こんな男、復讐されてもなんの文句も言えません。
女囚おばさんたちには、生まれてきた勇介のためにも絶対に姫の冤罪を晴らしてほしいし、吾郎にはコテンパンにひどい目にあってほしいです!
ちなみに、今回のオンエア後に伊勢谷友介さんがTwitterで「#監獄のお姫さま 面白かったぁ〜 しっかし、ヒッデー奴だっ!!! 自分でやってて悲しくなるくらい、ムカつく #板橋吾郎 め!」とつぶやいていて、私はちょっと胸がキュンとしてしまいました。なんだかんだ役柄にムカつきながらも、嫌な男を呼吸をするかのようにナチュラルに演じている伊勢谷さんのファンになってしまったみたいです……。あぁ、書いていて恥ずかしくなってきました!
#監獄のお姫さま面白かったぁ〜
— 伊勢谷友介 《座右の銘☞挫折禁止》 (@Iseya_Yusuke)2017年12月12日
しっかし、ヒッデー奴だっ!!!
自分でやってて悲しくなるくらい、ムカつく💢#板橋吾郎め!#来週も一緒に観れたら
も〜来週が最終回なんて本当に寂しい……でもラストまで見届けなければ!!