アイドルレスラー伊藤麻希、ベルトを手に入れて自転車を失う「本当に返して」
「丸め込みはすごく難しいんですからね！」
――伊藤さんが最近プロレスラーとして急成長しているのは、客席から観ていても感じます。丸め込みが上手くなったことで、ものすごく強いイメージはないかもしれないけど、ひょこっと勝ってしまうような底知れなさを身につけたというか。
丸め込みはダサいみたいな風潮あるじゃないですか。「丸め込みで勝つんかい！」みたいな。でも丸め込みって、ああ見えてすごく難しいんですからね！ 重心をポイントにちゃんと合わせなきゃいけないんですよ。それで全体重をかけて抑え込まないといけない。まなせ選手との試合は、大きい技がくるまで死んだふりを続ける作戦だったんですよ。大技を出して油断したところを全身全霊で抑え込もうと決めていた。でもそれまでずっとやられていたぶん、体力も残っていない。……いや、本当によかったです。返されなくて。イチかバチかでした。私は意外と頭脳派ですね（笑）。
――伊藤さんはマイクとかパフォーマンスは目立ちますが、使う技はけっこう堅実な感じですよね。
そうですね。昭和のプロレスを勉強したりしています。自分は派手にグルグル回るような技はできませんから。じめんタイプのポケモンなんですよ（笑）。
――自分の美学として発信しないだけで、やっぱりプロレスの映像を観て勉強したりしているんですね。
言わないだけでちゃんと練習もしていますよ（笑）。道場で練習しているとき、ほかの選手が組み合っているのを見ながら自分も真似して体を動かしていたら、山下実優に「伊藤、真面目すぎるだろ！ 試合では中指とか立ててるのに！」って笑われました（笑）。
2022年以降の野望は「目黒に住む」
――インターナショナルプリンセスのベルトを手に入れて、海外進出の野望に近づきました。
何年かかるかわからないけど、世界的に有名になりたいんですよね。プロレス界でASUKA選手みたいな知名度がほしい。でも最近、海外のファンが増えたのは感じます。まだ遠征は2回しかしていないのに、Twitterのリプライとか日本人よりも海外のファンのほうが多かったりするんですよ。どこから伊藤にたどり着いたのかは謎ですが……。そもそもインターナショナルプリンセス王座に挑戦したのも、9月にスペイン遠征に行ったのがきっかけです。海外でも自分がウケるのを実感したし、外国人選手からもいい刺激を受けて、海外に行きたい気持ちが強まった。そのためには緑のベルトが必要だと思いました。あの遠征がなかったら挑戦していなかったかもしれません。
――遠征したい国はありますか？
イギリス（即答）！ イギリスってプロレスが盛んじゃないですか。あと旅行が好きだから外国で癒されたいですね。最近引っ越したんですけど、隣の人が渋谷109で流れているような音楽をずっとかけていて寝られないんですよ。ドゥン！ドゥン！って。まだ引っ越して1週間なのに、もう引っ越したい……。でも前回住んでいた家も変な人ばかりだったんですよね。チ○コ出して歩いている人とか普通にいましたし。……次は目黒に住みたいな。3年後に整形手術の借金を払い終わるから、3年後に目黒に住もうと思います。
――なぜ目黒？
ずっと大田区に住んでいるんですよ。一度住んだらそこから離れたくない。でも大田区と目黒は近いから大丈夫かなって。中野坂上とかいいって聞くんですけど、見知らぬ土地に行くのは怖いから、大田区まわりから生涯離れたくない。
――これから海外進出しようとする人とは思えない発言ですね。
（笑）。借金完済する2022年以降は目黒に住むのが野望です！ 大崎でもいいな。ASUKA選手レベルに有名になりたいと言っておいて大田区周辺から出ない（笑）。
――引っ越しなどで生活が上向きつつあるのは感じさせますよね。今は何にお金を使っているんですか？
最近は老後が怖くなって、つみたてNISA（※積立投資サービス）を始めました。今プロレスで身体を酷使しているし、老後は歩けないかもしれない。35歳で引退するとしてそこから何するか考えたら、マックで60歳くらいまで働こうかなと……。私は引退したら一度もみなさんの前に出ません！ 復帰も絶対しません！
――プロレス引退後は芸能活動にシフトするということもなく？
うん。「さみしい」って言わせたい。芸能界も多分35歳になった伊藤はいらないでしょ？完全な一般人として、どこかでひっそり生きます。35歳まで残された時間は限られていますからね。うかうかしていられないんですよ。
――11月3日の東京・両国国技館大会も何をしてくれるか楽しみです。
両国大会は、DDT全グループから80人を超える選手が集まります。自分は第3試合なのでがんばらないと埋もれてしまう。だから爪痕を残せるように、伊藤がおもしろい試合を見せますよ（ニヤリ）。パートナーのクリス・ブルックスもすげー強いから結果も出せるはず！ クリスと『セツナイロ』（伊藤率いる伊藤リスペクト軍団の持ち曲）を踊って入場します。
――自転車を失ったぶん、また何か手に入るかもしれませんね。
そうですね。もっともっと結果を残して、高い自転車を買います！ そして二重ロックにします！
伊藤麻希
1995年7月22日生まれ、福岡県出身。2011年にLinQ加入。2017年6月にLinQとしての活動を終了させた後は、東京女子プロレスでプロレスラーとして活動中。熱のこもったマイクパフォーマンスで、「新時代のカリスマ」と呼ばれる。また、エンターテインメント集団・トキヲイキルのメンバーとして、舞台出演など幅広く活躍している。2019年10月19日、東京女子プロレスの両国KFCホール大会でまなせゆうな選手に勝利して、インターナショナルプリンセス3代目王者に輝く。
11月3日に両国国技館にて開催される『Ultimate Party 2019～DDTグループ大集合！～』では、クリス・ブルックスと“NEO伊藤リスペクト軍団”として第3試合に出場する。