ダメ、絶対! 事件に巻き込まれないためにも知っておきたい薬物の違い

連載・コラム

[2019/12/30 10:00]

数多くのショッキングな薬物ニュースがありました

2019年、数多くの芸能ニュースが世間を賑わせたが、特に薬物に関するニュースが目についた。人気ミュージシャンや元アイドル、人気女優やスポーツ選手に至るまで、多くの有名人が逮捕され、世間に大きな衝撃を与えた。言うまでもないが薬物はダメ、絶対! 薬物は「1回だけ」と興味本位で使用したとしても、強力な精神依存のため自分の意志で止めることができなくなってしまうものであるとのこと。現に、複数の著名人がなんども薬物の所持、使用で逮捕されていることをご存知だろう。「個人的な使用ならば自己責任だろう」と思う人もいるかもしれないが、薬物は精神に異常をきたすことがあり、結果的に犯罪を犯してしまう可能性がある。また、違法薬物は反社会組織の収入源になっていることもあるようで、自己責任だからいいということはまったくない。絶対に手を出してはいけないものなのだ。

薬物が関連する事件に巻き込まれないためにも

違法薬物と言っても、なんとなく「麻薬」という言葉を知っているだけだったり、ほかにもいろいろな名前で呼ばれていたりでよくわからない。使用するわけではないのだから、多くの知識を持っていなくてもいいような気がするが、違法薬物のなかには抵抗感を薄めるためにお菓子のような見た目に加工されていたり、馴染みのある名称で呼ばれるものもある。正しい知識を持ち、自分や周囲の身を守ってもらうため、今年ニュースになった薬物にスポットを当てて、その違いを紹介してみたい。

コカイン

3月、ミュージシャンで俳優のピエール瀧が、コカインを使用したとして逮捕された。違法薬物の一種であるコカインは、使用することで幻覚や妄想が現れることがあり、大量に摂取することで死に至ることもある非常に危険なドラッグ。「コーク」「スノウ」「キャンディ」などと呼ばれることもある。南アメリカにある「コカ」という木の葉が原料であり、気分が高揚し、眠気が覚めたり幸福を感じるようだが、効き目が短く、日に何度も使うようになってしまうという。瀧は、ストレスの解消として使用していたというが、20代の頃から使用しているということから、ストレス発散に留まらず、依存状態に陥っていた可能性は否定できない。

大麻

大麻の所持で元KAT-TUNの田口淳之介と元女優の小嶺麗奈、ロックバンド、RIZEのギター&ボーカルを務めるJESSEと、同じくベースのKenKen、スノーボードのオリンピック元日本代表の国母和宏氏などの著名人たちが逮捕された。大麻は「マリファナ」「クサ」「野菜」「ガンジャ」などと呼ばれることもあり、リラックス効果、多幸感が得られるとされている。大麻といえば、海外の映画などでも度々登場し、これまでも数多くの芸能人が大麻の所持で逮捕されていることから、聞き馴染みのある薬物ではないだろうか。国、地域によっては合法化されていることもあり、原料となる植物自体が衣類の素材のなっていたり、種が食用で使用されていたりする。そのためか、タバコや酒より安心だと言われたり、危険性がないのではと話題になることもある。しかし、厚生労働省によると、脳神経のネットワークを切断し、やる気の低下、幻覚作用、記憶への影響、知覚の変化を引き起こす、などとされている。

覚せい剤

11月、元タレントでミュージシャンの田代まさし氏が、覚せい剤取締法で逮捕された。薬物使用、所持としては5回目となる。覚せい剤は「アイス」「シャブ」という名称で呼ばれることもあり、コカイン、大麻とは違って自然界には存在しない、科学的に合成される薬物である。幻覚や妄想が現れ、使用をやめても強烈なフラッシュバックを起こすことでも知られている。依存性が大変強く、血圧が異常に高くなったり、静脈に炎症が起きるなど、肉体的にも大きな影響を及ぼすようだ。食欲抑制効果があるため、ダイエットとして使用を始めるケースもみられるようだ。数多くの芸能人が覚せい剤の使用所持で何度も再逮捕されていることからも、依存性のおそろしさがうかがえる。

MDMA

女優の沢尻エリカが11月に麻薬取締法違反で逮捕された。2020年の大河出演が決まっていたことも相まって、ファンのみならずテレビ業界を巻き込んだ大騒動となったことは記憶に新しい。MDMAとは、覚せい剤同様、科学的に合成される薬物の一種で「エクスタシー」などとも呼ばれる(MDMAにアンフェタミン、カフェインを添加したものをエクスタシーと呼ぶともあるようだ)。共感性を高める効果があるとされ「セックスドラッグ」として使用されるケースもあるという。幻覚、精神錯乱、脳や神経の破壊、心臓や肝機能の不全を引き起こし、場合によっては死に至ることもあるようだ。キャラクターが彫られた可愛い錠剤の形をしていることもあり、手軽さなどから「パーティドラッグ」と呼ばれることもあるようだ。

ダメ、絶対!

言うまでもないが、薬物の使用は法律で処罰され、所持、輸入、製造、栽培などでも処罰の対象となる。懲役や罰金などはもちろん、自身の健康、仕事や周囲への信用なども失うこととなり、薬物で破壊された精神は凶悪な事件を引き起こすこともある。薬物が引き起こすさまざまな影響を理解し、薬物が関連する事件に巻き込まれないようより一層注意したい。

綾小路 龍一