TRF・DJ KOO、ハロプロにハマる!? 優しいパパの一面やバズッたあのツイートの真相にも迫る
「普段親しんでいる曲を耳で聴くプラス身体で感じることが大切」
——3月4日にリリースされた『オドレーJAPAN!』には世代を超えて楽しめるJ-POPの名曲が収録されています。家族で楽しんでほしいという気持ちも込められているんでしょうか。
僕が生まれた昭和から令和に時代が移り変わっていますけど、そのなかでいろいろな世代の人に、いろいろな世代の名曲をこのアルバム1枚で楽しんでもらいたいっていうのはありますね。僕と娘がモーニングをきっかけに親子の共通点が生まれて会話ができたみたいに、僕の世代の名曲も娘に聴いてもらって「ピンクレディーはね、僕の世代はみんな振り付けを踊れたんだよ」って教えたり、そうやって世代を超えた交流ができるアルバムになったと思います。
——DJ KOOさん自身が特に思い入れのある楽曲は?
やっぱり沢田研二さんの『TOKIO』! あと、僕が実際に1980年代にディスコでかけていたこともある杏里さんの『キャッツ・アイ』。この辺はやっぱり聴きどころだと思いますよ!
——今でこそJ-POPをかけるDJもたくさんいたり、J-POPを中心にかけるDJイベントもありますけど、1980年代でJ-POPをDJでかけるのは珍しかったですか?
毎日かかっているわけではなく、土曜日の一番盛り上がったときに最後のフィニッシュホールドとしてみんなが誰でも知ってるようなその時代のヒット曲をかけることで、お客さんがピーク以上に盛り上がるっていうシーンがあったんです。だからそこでかかってる曲ってよっぽど最強なんですよ。そういう意味で言うと『キャッツ・アイ』もそうだし、アン・ルイスさんの『六本木心中』なんかは本当にキラーチューンです。普段親しんでいる曲を耳で聴くプラス身体で感じるっていうことが大切で、だからアルバムのタイトルも“オドレー” なんですよね。音を浴びて心も身体も踊ってもらうっていうような。そんなキラーチューンたちをノンストップでどんどん繋げていくっていうのがこのアルバムの特徴かなと思います。
Twitterで話題になった“手紙” に込めた想い
——今回のリリースとは少し話題が離れてしまうのですが……以前、Twitterでレコード店のスタッフ兼DJの方が綴ったエピソード(※4)が話題になっていました。DJ KOOさん自身はこれについて覚えていらっしゃいますか?
(※4:買い取ったTRF『Happening Here』(1995年)サンプル盤のレコードに、当時DJ KOOさんがDJの方々に向けて書いた手紙が入っていたというもの https://33man.jp/article/000235.html )
このツイートは僕も見ましたし、この手紙を書いたことも覚えています。サンプル盤を売っちゃう人がいたんですねぇ〜(笑)。当時はDJのソースが全部アナログレコードだったんですよね。なのでTRFもCDだけではなくレコードでもリリースしていました。僕はもともと現場DJなので、DJがアナログのレコードをフロアで回すことによってTRFが浸透したり、自分たちがやってきた音楽がDJの土壌のなかでプレイされることがやっぱり嬉しいんですよ。そういう気持ちや、DJのみんなに同士として協力してもらいたいっていう想いでこの手紙を書きました。特にこの『Happening Here』は、『EZ DO DANCE』(1993年)や『survival dAnce ~no no cry more~』(1994年)からしばらくあとのリリースだったし、それまでのTRFの路線とはちょっと違って、よりダンスフロア寄りな楽曲だったので、僕は現場DJのみんなにこの曲を盛り上げてほしいなっていう気持ちがすごくありました。
——このお手紙にもあるとおりで、DJへのリスペクトがある上でずっとご活動をされてるんですね。
もちろんです。今も僕の一番のこだわりで変わらないところは、現場DJであることです。例えばTRFのコンサートには、自分たちをウェルカムな状態で受け入れてくれるファンの方が来てくれますよね。でもクラブやディスコって、友達同士だったり、会社の同僚と一緒だったり、さまざまな人が飲みに来たり遊びに来る場所です。そういうお客さんたちがいる空間でリアルタイムに選曲してフロアをひとつにまとめていくには、DJの勘やテクニックが必要だし、いろんな曲を持ってきて繋げていくっていうことができないと成り立ちません。今僕がやっている盆踊りでのDJやさまざまな活動も、現場でのDJがちゃんとできていないと全部崩れてしまうんです。
——今も自ら現場に足を運ばれてるんですか?
えぇ。若くて上手いDJ、たくさんいますよ! 僕とはまったく違った感覚でDJをやる20代の連中もいるんで、そういう若い世代のDJとも交流を持って、彼らが流してる曲をずっと聴いたりしてますね。あと、今はダンスミュージックだけじゃなくていろんなジャンルのDJがいるじゃないですか。アニソンDJとかアイドルDJとか、そういうDJがどういうかけ方をしてるのかなっていうところを勉強したり、「今この曲がすごくヒットしてるんですよ」とか、そういう情報も得て。そういうのも全部フロアで吸収してますね。そこは僕の変わらないこだわりです!
(おわり)