岡村靖幸と羽生結弦、そしてフィギュアスケート~あの子僕が和菓子作ったらどんな顔するだろう~【第21回】

連載・コラム

[2016/12/16 12:00]

ふたつのループ

11月25日、岡村ちゃん(岡村靖幸)のライブ会場にいた私はライブでもそわそわ、そしてもうひとつの出来事にそわそわしていました。ライブ中だけど!フィギュアスケートのNHK杯のことが気になって仕方がない!

『ぶーしゃかLOOP』を歌いながら踊っている岡村ちゃんを観ながら「羽生選手の4回転ループは決まったんだろうか?」と考えてしまいました。ライブ後、即試合結果を検索しながら帰ったっけ。岡村ちゃんは日本のプリンスだし、羽生選手の曲もプリンスだし、ふたりともループだし、ついつい連想してまったのです。

『ぶーしゃかLOOP』は岡村ちゃんがオフィシャルサイトのBGMとして使用されていた楽曲で、彼がこれまでに発表した曲のなかのフレーズがリズムにのって繰り返されるというユニークなものです。中村勇吾監督が手がけたおもしろいMVも話題になりました。最近では中高生がエアカラオケ動画を投稿するのがブームにもなっていましたね。

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そして4回転ループとは、フィギュアスケートの羽生結弦選手が今シーズンから試合で跳ぶようになったジャンプのことです。羽生選手は跳べるジャンプの難易度を上げ今シーズンから4回転ループというジャンプをプログラムに入れています。この技が公式で認定されたのは世界初だそうです。すごいですね。

オバッチ、実はめちゃくちゃフィギュアスケートが好きなんです、はい。子供の頃に伊藤みどりさんを観てから、冬になるとついつい観てしまうんですよね。日本の選手も好きですが海外の選手も好きだったりします。音楽に注目して観ると、洋楽好きな人は「お!」って思うプログラムもあるかもしれません!

フィギュアと洋楽〜これまでに作ったお弁当たち〜

フィギュアの音楽はクラシックのイメージが強いと思うのですが、映画のサウンドトラックや洋楽に合わせて滑ることもあります。また、数年前から試合でもボーカル入りの音源が使用可能になったので(以前はシングル・ペアでは使用されていませんでした。アイスダンスのみボーカル入りも使用可能でした)、使用される音楽の幅が広がりましたね。ボーカル入りの音源が使用できなかった頃でも、ボーカルなしの音源で洋楽を使用して滑った選手もいます。フィギュアスケートで使用された楽曲のアーティストをジャケ弁とともに振り返ってみようと思います。

映画『アマデウス』

これは安藤美姫選手の応援で作ったジャケ弁。彼女がバンクーバーオリンピックのシーズンに滑っていた曲がモーツァルトのレクイエムだったので、モーツァルトの後半生を、フィクションを織り交ぜて描いた映画『アマデウス』のジャケ弁。実際に試合でこの映画の音楽は使われておりませんが、印象的な映画だったので作ってみました。

ジミ・ヘンドリックス『エレクトリック・レディランド』

日本の小塚崇彦選手がバンクーバーオリンピックで滑ったのはジミ・ヘンドリクスの『ボールド・アズ・ラヴ』でした!

マシッヴ・アタック『ヘリゴランド』&プロディジー『ザ・ファット・オブ・ザ・ランド』

スウェーデンのアドリアン・シュルタイス選手は、マッシヴ・アタック、サイプレス・ヒル、プロディジーを組み合わせた曲! 個性的なプログラムでした。

MUSE『アブソルーション』

アメリカのアボット選手は、MUSEの『エクソジェネシス(脱出創世記):交響曲第3部』をチョイス。彼の美しいスケートと壮大な曲がマッチしていました。

ほかにもピンクフロイドや、ビートルズ、マイケル・ジャクソンなど、たくさんの音楽が使われています。羽生選手がオリンピックで使ったのもゲイリー・ムーアの曲でしたね。

エキシビジョンでの洋楽編

試合後に上位になった選手たちが出演し、行われるエキシビジョンは試合とは違って、好きな曲で自由に滑れるので、試合とはまた別の楽しみ方ができます。選手本人の好みが反映されることも多い気がしますね。

ビョーク『グレイテスト・ヒッツ』

高橋大輔選手は暗い曲が好きでビョークで滑ってました。

レディ・ガガ『ザ・フェイム』

アメリカのジョニー・ウィアー選手はレディ・ガガ!

日本の選手だけじゃなく、海外の選手の演技も音楽の視点で見るととっても楽しいです。逆にエキシビジョンで使われた曲は世界的にヒットしてるんだなぁって味方もできますね。

プリンスもU2も……

冒頭で11月末の岡村ちゃんのライブが試合と重なったと書きましたが……12月11日、岡村靖幸コンサートツアー『運命』ファイナル公演。それが今度はグランプリファイナルの放送と重なっていました。

今回のツアーで岡村ちゃんはU2の『アイ・スティル・ハヴント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー』をカバーしてました。そういえば!! 羽生選手ってシニアデビューした頃にU2の『ヴァーティゴ』でエキシビジョン滑ってた!!

U2『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』

なんでもあだ名の「ユズ」とU2が似てるからという理由で当時のコーチが作ったと聞いたことがあります!ww

プリンス! ループ! さらにU2……歌い回る岡村ちゃんを観ながら、羽生選手との謎のリンクが脳内でループ……岡村ちゃんは日本のプリンスだし! 羽生君は今シーズンのショートプログラムはプリンスだ! ふたりともループだし! 実際青春してるし! 背が179!(岡村靖幸『聖書』のフレーズより)

ライブの余韻に浸りながら和菓子を作ってみました

ライブの余韻に浸りながら、家に帰ってグランプリファイナルの放送を観つつ、最近ちょっとお勉強しはじめた和菓子でこんなの作ってみましたよ!

岡村ちゃん

プリンス

スケート靴

どーん!!!

和菓子って難しい……生地が難しい。でも『ぶーしゃかLOOP』も4回転ループも難しいんだ!

フィギュアスケートはルールが難しい競技ですが、音楽に注目するといろんな選手の演技が楽しく見えるのでおすすめです。羽生選手は見事グランプリファイナル4連覇! 岡村ちゃんも無事にツアーを終えて、来年のツアーも発表されました。ふたりの天才がまた来年も素敵なループを見せてくれるよう祈るばかりです。

マイペースで続けたこの連載もこれで年内最後です。読んでくださったみなさま、ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

来年の作戦考えようぜ(岡村靖幸『Peach X'mas』より)

【著者紹介】

オバッチ(ジャケ弁職人)
本職は印刷関係のデザイナー。料理の腕は人並み、手先は器用。好きなミュージシャンはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ベン・ハーパー、岡村靖幸など。いつかザック・デ・ラ・ロッチャさんにお弁当を食べてもらうのが夢です。

[耳マン編集部]