ベック『カラーズ』ジャケ弁! 来日公演を観て、食材の色の研究をしてみたよ〜オバッチの『ロックな食生活』〜

連載・コラム

[2017/10/28 11:30]

ベックの来日公演に行ってきた!

2017年9月に突然「来月、日本に行くぜ!」といきなり告知をしたBECKさん。気が付いたらニューアルバム『カラーズ』がリリースされ、いよいよライブが近い……いつ日本に来るのかな?と思っていたら、選挙で大騒ぎの日本に、大型台風もベックもやってきました。土日は台風の影響でいろんなイベントが中止になったりしていたので、月曜日(10月23日)に開催される日本武道館公演は大丈夫なのかと心配だったけど、ライブは無事に開催されることに。

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私もぎりぎりまで行けるかわからなかったので、武道館についたら当日券売場までダッシュしました。天気の影響で迷っていた人も多かったのか、当日券売場には列ができていました。初めて知ったのですが、当日券ってクレジットカードでも買えるんですね。現金だけなのかと思っていました(イベントによるかもしれませんが)。

アリーナスタンディングチケットをゲットし、会場に入るととってもベックりすることがありました。アリーナの仕切りが……ロープでした。さすがに前方のところは柵でしたが、横と後ろはスタッフの人がロープを持って仕切っていました。ベックりしたなぁ、もう。

ほぼ定刻でスタートし、ベックが登場! 黒い帽子とジャケットとパンツ、白地に黒の水玉のシャツに身を包んでいます。アルバムタイトルが『カラーズ』だからカラフルな衣装かと勝手に思い込んでたけど、バンドメンバーもモノトーンの衣装。ステージ後方のスクリーンに映し出される映像と照明のライトがすごくカラフルで、衣装をモノトーンにすることで“演出の色”を際立つようにしていたのかもしれない!

さすがニューアルバムがリリースされてすぐのライブ! “カラー”がテーマのツアーなのか! すごい! と思っていたら、同アルバムの曲は、そんなにやってくれなかったww(翌日の新木場スタジオコーストのライブではもっと同アルバムの楽曲を演奏していたようです)。ベックのライブはいつ観ても良いんですよねぇ。すごい幸せな気持ちになりました。

デビュー時のベックさんは、おたくっぽい雰囲気だったのに、今じゃオシャレおじさまになってたんだなぁとしみじみ。

実はベックのジャケ弁ってあんまり作ったことがなかったなぁと。本人の顔のジャケットが多いので、作りにくいのもあるんですよね。

以前作ったベック『オディレイ』のジャケ弁

『カラーズ』のジャケのメインカラーは青だし「作れない」と思ってたんですが、ライブを観て興奮した私は同作のジャケ弁を作りたいという気持ちになって帰宅しました。


“青”に悩み続けるジャケ弁制作……

ジャケ弁を作り始めてからずっと“青”を表現するか?と悩んでいます。薄い水色はとろろ昆布でごまかしたり、紺に近い青は茄子で置き換えたり、一部のパーツを茄子の漬け物の汁にかまぼこを浸して色を染めたことはあるんですけどね。

とろろ昆布を使った例。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『ロデオ・タンデム・ビート・スペクター』のジャケ弁

茄子を使った例。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『バイ・ザ・ウェイ』のジャケ弁

青が大きい面積をしめたデザインのジャケ弁は作ったことがない。そもそもジャケ弁って美味しそうに見えないから「青を使うことでただでさえまずそうな弁当が、さらにまずそうに見える!」と思って、ずっとやったことがなかったのです。

でも今回はアルバムタイトルが『カラーズ』だし! 私も“色”に重点を置いてジャケ弁を作ってみたい! という気持ちになり、ベックさんへのリスペクトを込め挑戦してみました。


実験的なジャケ弁作りに挑戦

1.着色料を使う

富沢商店さんの着色料は天然色素なんだそうです。

タッパーにはんぺんを入れ、「青」「青+赤」の粉をコップに入れます。

水で溶くとこんな色合いになります。

一晩つけ置きします。

2.紫キャベツを使う

前に茄子の漬け物の汁でやったことがあるんですけど、今回は紫キャベツ煮た汁でやってみます。重層を入れると青になるんだそうです!

紫キャベツをカットして煮込みます。その汁がこちら。煮込んだキャベツは色が薄くなっています。

煮込んだ汁に重曹を少し入れると青くなります。

こちらはカマボコにしてみました。

こちらも一晩つけ込みしてみます。

結果は……

こんな感じになりました。

着色料の青は薄め、紫になると思ったほうはピンクになりました。キャベツのほうは鮮やかではないですが、うっすら青くなりました。紫はちょっとグレーっぽいですね。食材の違いもあるかもしれません。

紫キャベツで染めたカマボコが1番キレイな色なので、それを使って作ってみようと思います!


カラフルにベック『カラーズ』のジャケ弁を作るぞ!

(1)お弁当箱にご飯を敷き詰めます。

(2)カットした焼き海苔を配置し、ゆかりふりかけをまぶします。

(3)薄焼き卵とカマボコをカットして配置します。

(4)とろろ昆布を髪の位置に、カットした焼き海苔で口を作ります。

(5)紫キャベツで染めたカマボコをカットして配置します。

(6)焼き海苔を目の形にカットし、瞳の光をカマボコで表現。

(7)カマボコを文字の形にカットして配置します。

(8)完成です!

ベック『カラーズ』 ジャケット

青い色を出すのって本当に難しいんですねぇ。想像以上に大変でした。

今回はアルバムごとにイメージが変わる彼のスタンスに影響されて、青を使ったジャケ弁に挑戦してみました。青を使った無限の可能性を考えつつ、やっぱり美味しそうには見えないから、「やっぱり美味しく見られたいんですよ、食べ物だから!」という気持ちにもなりました。青を多様するジャケ弁を作ることの悩みはまだまだ続きそうです。

ちなみに、ベックがライブの最後に「また来年!」と言っていたので、またすぐ来てくれるのかな? 来てくれるといいですねぇ。

↓今回のジャケ弁制作過程の動画です!

『JAKEBEN - Beck "Colors" ジャケ弁 ベック「カラーズ」 #Beck #BeckColors』

【著者紹介】

オバッチ(ジャケ弁職人)
本職は印刷関係のデザイナー。料理の腕は人並み、手先は器用。好きなミュージシャンはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ベン・ハーパー、岡村靖幸など。いつかザック・デ・ラ・ロッチャさんにお弁当を食べてもらうのが夢です。

[オバッチ(ジャケ弁職人)]