「アイドルを目指す方へ」運営に振り回された3人組アイドルからのアドバイス~元アイドルインタビュー第9回・後編~
前編で、自分たちが所属していたアイドルグループの信じられない運営体制を明かしてくれたナルミ(仮名)さん、マリナ(仮名)さん、ホノカ(仮名)さんの3人。後編では、これからアイドルを目指す人々に向けて、自身の体験をもとにアドバイスを送ってくれた。
自分を押し出す運営には気をつけろ!?
――大変な思いをした3人から、これからアイドルを始める方へ向けてアドバイスしたいことはありますか?
ナルミ:加入してみないとわからない部分もありますけど、運営さんのことはよく見た方がいいです。わからないことだらけでも、勢いだけで動いちゃダメです。しっかりと下調べして慎重に行動してほしい。
マリナ:公式Twitterアカウントで私情をツイートする運営には気を付けたほうがいいかもしれないですね。もちろんそれでおもしろくできている運営さんもいらっしゃいますが、メンバーよりも自分が前に出ようとするタイプのプロデューサーは、ちょっと危険な可能性があります。
ホノカ:私たちのプロデューサーさんは、ちょっと変わった人だったけど、悪い人ではなかったのでしょうね。もし本当に悪い人だったら、グループ加入時に変な契約をさせられていて、辞めることもできなかったかもしれない。
ナルミ:プロデューサーが契約書でアイドルの子を縛っちゃうことって結構あるんです。自己都合で脱退すると違約金何10万とか。だから、契約書だけは絶対にちゃんと読まないといけません。少しでもわからないことがあったら、ちゃんと確認しておかないと絶対ダメです!
「メンバーの気持ちに寄り添ってくれる」のが良い運営
――良い運営と悪い運営の違いはなんですか?
マリナ:振り付けをメンバーに任せたり、急なムチャ振りをするのは、それがあとあとメンバーやファンのためになることなら問題ないと思います。ただ、ムチャ振りする理由が、運営が楽するためだったり、単なる思いつきだったりするのは絶対ダメですね。
ナルミ:メンバーの気持ちに寄り添ってくれるのが良い運営さんだと思います。年齢が離れていてやりづらいのはわかりますけど、メンバーと同じ目線に立ってお話してくれれば、メンバーもがんばれます。そういう運営さんは、何かしらのアクシデントが起きたときに、矢面に立ってメンバーを守ってくれる印象です。
――アイドルをやってみてわかったことはありますか?
ホノカ:みんながんばっているんだなって思いました。裏ではつらいことや大変なことがあるのに、それを隠して、あんなに素敵な笑顔をみんなに届けているんだなって。長く続けているアイドルさんは本当にすごいと思います。
ナルミ:私たちの場合は運営さんと噛み合わなかったけれど、アイドル活動自体はすごく楽しかったです。大変なことも多かったけど、応援してくれるファンの方の存在は本当に嬉しかった。
マリナ:ほかのアイドルさんたちも多く出るイベントで、たったひとりでステージ最前のど真ん中でコールを入れてくれたファンの方がいて、それを見たときはがんばらなきゃって思いました。大変だったけど、やっぱりアイドルをやっていてよかったです。
ホノカ:それだけに、解散をファンの方に自分の口で伝えられなかったのは本当に悔しいです。
新しいグループ結成へ
ナルミ:前のグループにいて良かったことは、ほかにもあります。それは3人の絆が強まったことです。私たちは、放置されていたぶん、3人でいる時間が長かった。3人で振り付けを考えて、3人で今後のことを考えて、3人で愚痴を言って(笑)。とにかくいつも3人でいたので、絆はすごく強いと思います。
ホノカ:グループを脱退してからもよく3人で遊んでいます。仕事仲間だった元メンバーっていうよりは、普通に仲の良いお友達って感じですね(笑)。
マリナ:みんなで前のグループについて、「ああいう風にすれば良かった」「もっとこうしたかった」とかお喋りしているうちに、「セルフプロデュースでアイドルできるんじゃない?」と思ったんです。もともと3人で別のグループを作ろうと思って脱退したわけではなかったんですが、やっぱりみんなで再スタートしてみようって。
ナルミ:実は新しいグループ名も決まっています。もう楽曲を提供してくれる方も見つかって、1曲作ってもらっているんです。前にいたグループ時代の思いをもとに、私たちが歌詞を書きました。まだまだ決まっていないことも多くて、すぐに動き出せるような状況ではないですが、少しでも早く活動をスタートさせて、ファンの方を安心させたいです。
――今後の目標をお聞かせください
ナルミ:とにかく今はファンの方のためにがんばりたいです。売れっ子になってテレビで活躍するなんて大それた目標は持っていませんが、今はとにかくアイドル活動を楽しみたいです。
マリナ:アイドル活動だけで生活できたらそれが一番ですけど、そんなに長く続けられる仕事でもないので、人生賭けて挑戦するというよりは、全力で楽しむことが目標です。
ホノカ:私はアイドル活動だけでなく、アニソンDJとかもやっているので、もっともっと活動の幅を広げて行きたいです。
運営に振り回された過去よりも、未来について生き生きと語ってくれた彼女たちは、その後開催したお披露目ライブを見事成功させたのだった。
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