「バンドマンってモテるんでしょー?」タケムラ アキラ(SNAIL RAMP)『炎上くらいしてみたい』vol.2

連載・コラム

[2017/3/15 11:30]

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマン・タケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載! この人……ホントにキックボクシングの元日本チャンピオン!?


新装され始まったコラム『炎上くらいしてみたい』第2回です。その時々で書きたいことをしたためるので、更新タイミングによっては「今更この話題?」と思うこともあるでしょうが、そこら辺は考えるな感じろ。

ここ1年くらいはゲスさん、カナブンさんとバンドマン絡みの話題があり、音楽業界ではない友達からは「なんであんなレベルの男で芸能人と付き合えるんだよ!」などと散々聞かれもしたが、俺は彼らと親交もなければ恨みもない。「あんなレベル」って言われても、どんなレベルだよとしか、ねぇ。ただ、「やっぱバンドマンてモテんのかよ!」と思った人は多いと思います。

まー、昔から「バンドマンってモテるんでしょー?」と聞かれることも多いので、そのメカニズムについてこの機会に触れておきましょう。バンドマンのモテ公式としてはこうだ。

【バンドマンのお前>何もしてないお前】

これは揺るぎのない事実。ただ、これだけで俺たちの夏は終わらない、つーかまだ3月だから夏は始まってもいない。公式はもうひとつある。

【モテ度が増えても、リアルモテ男には敵わない】

モテはRPG。バンドが話題になり、「人気」という立派な武器を装備したところで、それはあくまで個人が持つ初期スペックに一定の価値が上乗せされただけ。弱小キャラが強くなっても、そもそもの土台が低いのだ。

これがリアルモテ男になるとどうか。そもそもモテていた男がバンドマンになり、それなりのポジションになっちゃった。
もとのスペックが高いとこに「人気」という武器を装備しちゃうもんだから、こりゃもう最強。

俺たちみたいなちょっとしたブサイクが束になったって、もう敵わない。そういう意味ではもともとの「モテ ヒエラルキー」と「バンド界モテ ヒエラルキー」の逆転はあり得ないわけです。

しかしこれが「一般社会界モテ ヒエラルキー」と「バンド界モテ ヒエラルキー」だと多少話しも変わってくる。一般社会界のモテランキング12位だった人がバンドマンになり人気が出た、そうすると「一般社会界モテ ヒエラルキー」の中で8位とかにランキングされる可能性が出てきちゃう。

こうなったときに「バンドマンってモテるなー」と見えるんでしょうね。

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一見モテているように見えるんだけど、そうじゃない

あ、今気づきました? 「モテるなーと見えるんだろうね」と書いたこと。そうなんです。一見モテているように見えるんだけど、実はモテてない。結局ですね、人気があるバンドのメンバーに寄ってくる女性てのは「人気」の付加価値に釣られてることも多い。

「この人がいい」ではなく「このバンドのメンバーがいい」みたいな場合もあり、恐ろしいのは、最初はドラムの奴と関係を持っていたはずが、次にギター、最後にはボーカルと知名度の高いメンバーに乗り換えていった女性の例も。

だからさ、バンドが人気を獲得し自分がモテ始めても浮かれんじゃねーぞと。バンド始める前からお前はそんなにモテていたかって話しで。今のモテは虚栄のモテ、蜃気楼みたいなもんだからな、と石丸(SNAIL RAMPの元ドラマー)にはよく言ってたもんですわ。

バンドマンに寄ってくる「アイドルくずれ」たち

そういやよく見るのは、バンドマンに寄ってくる「アイドルくずれ」の構図。「グラビアアイドルくずれ」と言い換えてもいいかも知れません。「くずれ」というか、そこになりきれていないレベルの人たちと言いますかね。アイドルであればいわゆる地下系、グラビアであれば主な仕事は「撮影会」、写真集を出した経験はなく画像集CD-Rを手売りとネット通販のみで販売しているようなレベル感。でも彼女たちはガッツありますからね、自分より知名度あるバンドマンであればガンガンいきますよ。

で、またバンドマンも能天気な人が多いですから。嬉しくなっちゃってホイホイ楽屋に入れたり、「打ち上げいこーよ」なんて誘っちゃう わけ。もうどっちもどっちで、「ふたりがいいならいーんじゃねーの?勝手にしな」状態です。

さあここまで読んで「タケムラ、ひねくれてんなぁ」と思ったアナタ、正解です。せっかくバンドをやったのに大したモテも経験できなければ、ひねくれもするというものです。

というわけで『炎上くらいしてみたい』、第3回もひねくれた大人が書き殴ります。

【著者紹介】

タケムラ アキラ
1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。

タケムラアキラ

竹村哲●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。