「バンドマンのおクスリ事情」タケムラ アキラ(SNAIL RAMP)の『炎上くらいしてみたい』

連載・コラム

[2017/6/2 17:00]

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマン・タケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載! この人……ホントにキックボクシングの元日本チャンピオン!?


元ジャニーズの男性が大麻所持で捕まってしまった初夏、皆さんいかがお過ごしでしょうか。著名な人が違法薬物などでパクられちゃう事件も定期的にといっていいほど聞くわけですが、一般の方も含めると使用率ってどのくらいなんでしょうね。昔と比べると高くなってるのかなー?

<耳マンのそのほかの記事>

でも俺が実感できる音楽関係の人やバンドマンでいうと、減ってるんだよな。それは俺が年齢を重ねるとともに周囲の人の年齢も上がり、そういうリスクのあることをしなくなってきたのと、単純にシークレット状態で使ってるってのもあるとは思う。あとは喫煙率や飲酒率が下がっているのと同様に、健康志向や「そういうモノを敬遠する雰囲気」もあるのかも。

ひと昔ふた昔前だと「バンドマンならハッパくらいやんないとな」とか「大麻とか子供かよw 冷たいの打とーぜ」みたいに勘違いしちゃってる人もPUNKシーンにはゴロゴロいたんですね。

俺が当時身を置いていたPUNKシーンはSKA PUNKみたいな健全な場ではなかったけど、特別凶悪な場でもない、いわば清濁あわせ持つシーンでもあった。

なので薬物をやる人もいればやらない人もいる、でも売人もいるから物販感覚でブツが入るっていうカオス。というかですね、20年ちょっと前までの日本って結構ヒドくて新宿駅前で普通に違法薬物が買えたんですよね。

新宿駅東口の一帯、今だと大ガード向かいにあるヤマダ電機の横あたりからアルタ、その先を右折してアディダスのショップがある辺りまで、そこら一帯に売人がいて熱心にいろんな「モノ」を売っている。週末の夜なんて3~4メートル間隔でびっしりと売人が並び、彼らの仕事への意欲を感じずにはいられない程だった。

こんなことを書いてると「あぁ、竹村やってたな」と思う人もいると思うが、俺は元来そういった物に興味がない。というかショッパイ奴らほど数人で集まってクスリやって、「仲間だけの秘密感」と「俺たち悪いことやってる感」に恍惚としてるのがたまらなくカッコ悪く思えて、その場を離れるようにしていた。

そして本気でバンドをやるまでに、多くの反面教師も見てきた。いいバンドなのにクスリが原因で関係性がくずれ、空中分解したバンド。念願叶ってメジャーデビューまでこぎつけたのに、クスリでパクられすべてを失ったメンバー。

だからSNAIL RAMPをつくりメンバーを集めたときも、それぞれに念押しをしてたな。「うちのバンドでクスリは絶対に禁止。もしやってるのがわかったら、その場で辞めてもらうから」と。これは「法律は守らなきゃいけない」とか「身体に悪影響があるから」という理由ではないんですね。「バンドを成功させる」という最重要目的を阻む原因になるという単純な理由だけなんです。

これは自身で運営したレーベルSCHOOL BUS RECORDSでさまざまなバンドと契約を交わすときも、必ず念押しする事項。

そのお陰もあってか俺の直接の周囲から、違法薬物での逮捕者を出す事はなかったと思う。

そもそも違法薬物をやる人たちは何がそんなにおもしろいのかね。そのときの高揚感なりなんなりはイメージできても、トータルとしてのメリットは何かあったんだろうか?

「クスリを通じて心、身体が鍛えられました」とか「仕事でかなりの成功を得た」「クスリで一生の友達ができた」みたいなさ。
あの頃の奴らに会ったら聞いてみたいもんだ。

【著者紹介】

タケムラアキラ(竹村哲)●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。

[タケムラ アキラ]