「ギタリスト、チン中村から米田AKIOへ変わる〜SNAIL RAMPの作り方・27」タケムラ アキラ『炎上くらいしてみたい』

連載・コラム

[2019/10/11 17:00]

早速連絡して会いに行ったのは米田が当時バイトしていたカラオケボックス。客がまったくいなかったようで、俺と米田はカラオケルームにあるソファに座りながら話したのだが、前に会ったときと印象がまるで違っていた。初めて会ったときはフワッとしたボンボンのついたニットキャップをかぶった、ちょっと可愛い感じだったし、一緒にライブをやったときはTシャツ短パンみたいなスタイル(下はジーンズだったかも)。それが今や、頭はサイコ刈りでダボシャツに雪駄という「そりゃあこのカラオケルーム、お客さん来ないよね」という風態だった。その頃はthe STARKEYSという和を押し出したバンドをやっていて、そのバンドのテイストが米田の格好にそのまま出ていたのだった。

でもSNAIL RAMPのヘルプは快諾してくれて、リハスタの日取りまで決めてその日は帰った。何回かリハをやり、予定どおり4月の頭にSNAIL RAMPのファーストシングル『FLATFISH COMES!』をレコーディング。その後すぐに名古屋ダイアモンドホールでライブをしたのだが、入ったばかりといっていい米田がノビノビとライブをしていて「おー、いいね」とステージ上で思ったのを覚えている。

そしてこのあとすぐ、アメリカから来たFALLING SICKNESSとのJAPANツアーに俺たちは出かけることになる。そして、そこで俺は「外人すげーな!」と痛感する出来事に遭遇する。

タケムラアキラ

竹村哲●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。