「反響デカすぎコラムの総括を」タケムラ アキラ(SNAIL RAMP)『炎上くらいしてみたい』
1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマンであり、キックボクシングで日本チャンピオンにまで上り詰めたタケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載!
前々回のコラム『夏フェスで受けた人種差別』はかつてない人数の方々に読んでいただきき、びっくりするくらいの反響がありました。書いた張本人、俺のツイートはまだしも、このコラムを紹介してくれた人たちのツイートが万単位でリツイートされたこともあり、それがすごい勢いでコラムのPVに跳ね返ってきたようです。読んだ人の大部分はコラムの内容をストレートに受け止めてくれ、こちらの心情とそれほど相違ない反応を示してくれましたが、今回の読者数は文字どおりケタが違ったので思ってもみなかったような反応もありました。
単純に意見の相違であればいいのですが、「ちゃんと読んでたらわかるじゃん……」くらいのことも理解せずにいわゆるクソリプを送りつけてきたり、あまりに理不尽なクレームをつけてくる人もいました。そういう人に対しても丁寧な言葉でリプライ(Twitterで返信すること)をし、その意図を確認しようとしましたが、そういう人に限ってスルー。「まあ、disってる相手から直リプきたら正気にもなるか」と楽観してたら、フォロワーさんから「あいつ、竹村さんに対して動画まで作ってますよ!」的な知らせが入り、呆れ返る俺。
まったく筋違いにdisってきた子はHIP HOPをやっているらしかったけど、あれじゃビーフにもならない。やりようによっては彼のチャンスにもなったはずが、「はいはい、wannabeね」で終わってしまい、張り切って作ったであろう動画も残念ながら過去に溶け込んでいったのだと思う。
そんななか「あー! それは確かに!」となる部分もあるリアクションもあった。それは「随分前の事を何を今さらコラムに書いて、フェスをdisってんだよ」という内容。これ、半分は違うが半分は合っている。
まず「半分違う部分」については、俺が言及しているのはあくまで「人種差別」であって当該夏フェスを批判しているものではないということ。そして半分合っている部分。件のコラムを読んだ多くの人は、あの1編をいきなり読んだ人がほとんどだと思う。その人たちは、今のコラム『SNAIL RAMPの作り方』がSNAIL RAMPの歩みを振り返るシリーズだとはわからないし、当該コラム中にそんな注釈もなかった。こちらとしてはズラズラと書き続けるなかでの話として、「夏という時期」「ご時勢」を反映したつもりであの件を取り上げたのだが、「いきなりあの章だけを読んだら、そらそう思うわなぁ」という意見内容だった。
細心の注意を払って書くのであれば、そのことへの注釈が必要だったのかもしれないが、まさかあんなに大量の人に読まれるとは思ってもみなかった自分としてはそこへの想像に至っていませんでした。(次ページへ)