『推しメンが結婚しちゃった日記』第5回:美人女医さんの個別診察会
元モーニング娘。の石川梨華に10年以上“ガチ恋”を続けているドルヲタのふちりんによる完全ノンフィクション連載。梨華ちゃんに健気に恋をする彼が、2017年3月13日に結婚した彼女への想いを、結婚が近いという報道があった2017年元旦から振り返り繊細に紡ぐ。(ガチ恋……アイドルにガチ(本気)で恋をすること)
2月2日木曜日
「美人女医さんの個別診察会」
2017年2月2日、『元モー娘。石川梨華、結婚へ』の報道があってから2度目の美人女医さんの個別診察会に行きました。なぜ個別診察会と呼んでいるかと言うと、その女医さんがアイドル並みに可愛らしいからです。
僕が心のクリニックに行こうと思ったきっかけは、梨華ちゃんに彼氏がいることを思うと、いても立ってもいられないくらい不安な気持ちになり、もはや限界だと感じたためです。初めて行ったのは2014年8月某日。電話で予約をして、心のクリニックの扉を開きました。待合室で名前を呼ばれるのを待っているとき、梨華ちゃんのことを考えてしまい、いても立ってもいられない不安に襲われ、窓の外の青空を見ながら、「神さま! どうか助けてください!」と祈りました。
名前を呼ばれて診察室に入ると、黒縁メガネをかけた若い男性が、白い机の向こうに座っていました。明らかに僕より年下でした。僕は、「10年以上付き合っていた恋人と別れて、心の調子が悪くなりました」と嘘をつきました。心の調子が悪くなったのは本当です。10年以上付き合っていた恋人と別れた、という部分が嘘です。本当は、「10年以上ガチ恋していたアイドルに彼氏ができた」です。でもそんなことは恥ずかしくって言えませんでした。嘘をついた僕に、担当医の男性はすぐさまこう言いました。「診断書を書きますから、しばらく仕事を休んでください」。僕はこう答えました。「親と2人で自営業を営んでいて、僕の代わりをする人がいないので、休むことができません」。その後、担当医の男性が何を言ったかは、よく覚えていません。「少しでも仕事を減らすようにしてください」的なことを言っていたような気がします。
結局、仕事を減らすことはほとんどできず、苦しみながらも働きました。食欲が減退し、元気の“げ”の字もない僕を見て、父親は「失恋でもしたのか?」と言いました。僕は「その通りです」とは言えず、「別に何もないよ」と強がりました。母親にも心配されましたが、「気にしないで。大丈夫だから」と答えました。
担当医の若い男性は、ちょっと話を聞いて薬を出すだけでした。僕は重大な嘘をついているくせに、それを不満に思いました。また、もし本当のことを言っても医師をしている若いメガネ男子に僕の気持ちはわからないだろう、と思いました。きっと合コンでモテモテだろう。合コンをするまでもなく女の方から寄ってくるのだろう。この先生ではだめだ。もっと僕の気持ちをわかってくれる人がいいし、梨華ちゃんの気持ちもわかるような人がいい。女医さんだったらどうだろう。女性だから梨華ちゃんの心もわかりやすいだろうし、僕の心についてもきめ細かな心遣いをしてくれるだろう。僕はクリニックを変えて、女医さんを希望することにしました。
2014年10月某日、別の心のクリニックの扉を叩いた僕は、女医さんに本当のことを話しました。「石川梨華さんの熱愛報道があってから、いても立ってもいられないほど不安になるんです」と。大島優子に似ている女医さんは、ときおり優しく可愛らしい笑顔を見せながら、僕のしょうもない失恋話を親身になって聞いてくれました。僕は決めました、この美人女医さんを信頼して、先生と二人三脚でこの苦境を乗り切っていこうと。
美人女医さんからのアドバイスのひとつは、「梨華さんのことを考える時間をできるだけ減らした方がいい」というものでした。僕が梨華ちゃんのことを考えてない時間は、地元のサッカーチーム・大宮アルディージャの試合を見ていて点が入って「うおー!」となったときだけでした(僕は大宮アルディージャのサポーターです)。梨華ちゃんのことを考えてない時間を増やすのは難しいな……と思いました。
2017年元日、『元モー娘。石川梨華、結婚へ』の報道がありました。そのとき心の支えのひとつになったのは、間違いなく美人女医さんの存在でした。「数日後には美人女医さんの個別診察会がある」、そう思うと、苦しみや悲しみもけっこう減ぜられたのです。みなさんも推しメンに熱愛報道があって、どうしようもなくつらいときは、心のクリニックに行くことをおすすめします。担当の先生が(良い先生であれば)きっと心の支えになってくれることでしょう。