中学時代の恩師との印象深いエピソード【ぱいぱいでか美、桃色の半生!】第6回

連載・コラム

[2018/6/25 12:00]

「言うほどでかくないがそこそこでかい」おっぱいを武器に歌手、バラエティ、グラビアなどジャンルにとらわれず活躍するタレント・ぱいぱいでか美が自身の半生を初めて振り返る連載!


第6回:中学時代の恩師との印象深いエピソード


中学生のでか美の恋♡

こんにちは、ぱいぱいでか美です。定番の挨拶もこの芸名だからこそ何だかバカっぽくて笑ってしまいますね。みなさん、慣れてください。そして慣れてしまったそこのあなた、最高、愛してる。

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前回、前々回と綴ってきた中学生編。性格の歪みの話を中心に書いてきましたが、私だって人並みにバッチリ思春期が訪れていましたよ。そう、恋! ちゃんと恋してました、あの頃は。とはいえ、中学生の恋愛なんて可愛いもので、メアドを交換してメールを続けて「好き!」「私も!」「じゃあ付き合お!」みたいなスピード感で恋人になるものの、せいぜいそのメールが毎日続くくらい。形式だけでした。デートもたまにジャスコ行ってプリクラ撮るくらい。そんなわけで、彼氏はいたりいなかったりでしたがあんまり大した思い出がないんですよね。すみません!

ずっと片思いしてた人に言われた驚きのひと言

どちらかと言うと片思いしてた記憶のほうが強くあります。実は中2から卒業までずーっと同じ人を好きだったんです。その間に彼氏いたりもしましたけど、やっぱりその人のことが好きで別れていました。今では考えられないくらい猪突猛進恋愛体質(笑)だった私は、半年に1回くらいは告白し、振られ続けていました。不思議なものでその人はずっと仲良くしてくれていて、でも告白すると振られるという(笑)。

そんな日々を2年くらい送っていました。そして卒業も近づいた頃、これが最後だ!と決めてまた告白して案の定玉砕し、そのときに言われた

「いやいや、あのマジで、友達なんやって、完全に!」

のひと言でようやく気持ちは落ち着きました(笑)。あぁ、友達だったのかと。びっくりしました。私たち、友達だったの?!!?!!

私は2年間その人のことを「好きな人」としか認識してなくて1回も友情を感じてなかったんですよ。恐ろしい話ですよね。認知の歪みって怖い! あのまま成長しなくて本当によかったです(笑)。しかし最後だからか、卒業のときに第2ボタンはくれました。実家を探せば今でもあるかも。

あー、甘酸っぱい話をしたかったのになー! なんか微妙に怖い話ですみません。でも、彼はめちゃくちゃいい人なので今でもそれなりに仲良くしてくれていて感謝です。エピソードを思い返すと、私、怖すぎるのに……。

「やっぱり歌手になりたいな」

しかし! 恋愛にうつつ抜かしてたわけではありません。学生の本分は勉強! 勉強は楽しかったのでちゃんとやってました。塾も、塾には塾のコミュニティがあるのがおもしろくて通っていました。でも、みんなが進路を考えているときに思ったんです。「やっぱり歌手になりたいな」と。何となくなりゆきで志望校を進学校にしていたけどそれでいいのかな?と。

そして改めて親に告げてみました。歌手になりたいと思っている、と。選択肢を考えもせずに進学校に行くつもりだったけど、アルバイトができる環境の高校を選んで、自分で音楽系のスクールに通ったりしたほうがいいのか悩んでいます、と。子どもの頃からの夢をまだ夢として抱いてるなんて親には言ってなかったから、もしかしたら怒られるかなぁと思いました。しかし両親ともに頭ごなしに否定せずにこう言ってくれました。

「勉強は財産だから、とりあえず今の志望校に進んで大学も選択肢に入れてから考えなさい。そのほうが選ぶ道が増えるよ」と。

そして続けてこうも言ってくれました。

「今私らに言った話、鈴本先生(仮名)にもできる?」と。

鈴本先生は塾の先生で、私がかなり信頼している方でした。両親の言葉は、小学校から数えたら5年間、勉強から何から見てきてくれた先生に今さら志望校を変えたいと伝える勇気があるくらい本気なのか?という問いでした。正直、とても心が揺れる自分がいました。揺れるということはまだ堅い決意ではないということ。私は進学校に進むことにしました。

しかし、高等部からは塾の校舎も先生もガラリと変わるため、鈴本先生にこの経緯を黙っておくのも辛い。歌手になりたいと思っていること、でも今は志望校を目指しますということを鈴本先生に告げました。もしかしたら親に言うときよりも緊張したかもしれません。先生は少し残念そうな顔をして「もったいないなー」とか「芸能界なんていつ仕事なくなるかわかんないんだよ」とか、真摯に言ってくれました。先生の、子どもの夢に付き合わずズバズバ本音を言ってくれるところを信頼してたので、やっぱりそうなるよねと思いましたが、その後はとりあえず無事志望校に合格し、通い慣れた中学も、そして塾も卒業しました。

合格報告を鈴本先生にしに行ったとき「100パーセント受かると思ってたから別に驚かない。……おめでと!」と言ってくれたのをすごく覚えてます。先生めっちゃツンデレだったんですよ。あだ名“デビル”だったくらいだし(笑)。

中学時代の恩師から久しぶりに届いたメール

それから鈴本先生とは会えなくなりましたが、実は去年、久しぶりに連絡がきたんです! 2017年の春、朝日新聞の三重県版に大きく“ぱいぱいでか美”を取り上げていただきました。いつもとは少し違って真面目な話題で取材していただいたので、私も珍しく真面目に「こんなふざけた芸名の人が徐々に受け入れられてるのは、多様性の証だと思う。みんなが得意分野をがんばって、生き辛い人がどんどん生きやすくなっていけばいい」というような話をさせていただきました。

その記事を鈴本先生がたまたま読んでくださったみたいで、メールがきたんです。

「あの優希ちゃん(私の本名)がしっかりした信念を持って厳しい芸能界で活躍していることが何よりも嬉しいです。これからはいちファンとして応援していますよ」

そのメールは今でも大切に保存しています。フワッとした気持ちのまま高校に進んでしまった私。それを見送ってくれた鈴本先生に11年越しに自立した姿を見せられて、本当にがんばってきてよかったなぁと思える瞬間でした。鈴本先生は今でも現役で塾の先生をやっています。デビルってあだ名は健在みたいです(笑)。

人前に立つお仕事って、改めて特殊な世界だなぁと思います。でも鈴本先生と私のように、一度交差して離れてしまった人生が自分のがんばり次第でまた交差しやすいような気がしていて、やっぱり大好きです。

というわけで、次回からはフワッと進学した高校編です!

唯一今でも鈴本先生に謝りたいこと。塾で禁止されてた買い食いめっちゃしてました。今もよくします

著者紹介

ぱいぱいでか美
1991年5月3日生まれ、三重県出身。牡牛座O型、桃色の女。名乗るほどでかくないがそこそこでかいおっぱいを武器に、テレビやグラビア、ライブにDJ、もはやおっぱい関係ない執筆業など、縦横無尽に活動中。

【近況】
8月8日に行う主催ライブのチケット発売日は明日26日朝10時! 吉川友さんとお互いにバンド編成でツーマンやります! ぜひ。

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[ぱいぱいでか美]