『音鳴(オトナ)の玩具(オモチャ)』第6回:インドネシア屋台の謎オモチャ
漫画家・イラストレーターの福島モンタが、音の鳴る香ばしいおもちゃを紹介していきます!
いつでも捜しているよバクソ・ロンキャットを
どうも!福島モンタです!ごめんなさい!
今回の音鳴のオモチャはこちら!
インドネシアの屋台『バクソ・ロンキャット』。屋台にバクソ・ロンキャットと書いてあるのですが意味は不明。
世界のアレなオモチャを収集している私がネットでこのバクソ・ロンキャットの画像を初めて見たのが4年前。インドネシアの屋台を模したオモチャで、動いて鳴るらしい。
ところが数年前の輸入オモチャらしく、ネットではどこもすでに完売。当時の販売価格は1500円。
ヤフオクで粘り強くはっていたものの、なかなか現れず、まだ見ぬロンキャットに、「や、奴は一体どんな音を鳴らしながらどんな動きをするんだ! 欲しい!欲しい、い、いいぃい~~!」と悶絶する毎日。
そんなある日、たまたま立ち寄った中野ブロードウェイで見たのだ! バクソ・ロンキャットを!
お、お、バクソ! おーおー会いたかったよ。思ったよりでかいのね、ロンキャット!
ふと値札を見ると……5000円! ぬぬぬ! 足元見やがって! 高い!高すぎる!
この頃はまだいつでも出会えるとたかをくくり、その場は見送ることに。
のちにこのとき買わなかったことを悔やみ、山崎まさよしばりにいるはずもないところをいつでも捜してしまううちに季節はうつろい……。相変わらずヤフオクで網をはり、目を光らせるも空振りの日々……。
それならば、現地に行ってやれ!とインドネシアはバリ島に赴き、売ってそうな市場やナイトマーケットなどでくまなく探すも、バクソ・無し。
ああ、人生は一期一会。
中野ブロードウェイでの邂逅が奇跡だったのに、その有り難さに気づかずに見送った。お馬鹿さん。
バクソ・ロンキャット……どれほどの痛みならば、もういちど君に会える……。
失意に暮れていると、ふと思いつく。向かいのホームや路地裏の窓ではなく、
メルカリ!
メルカリの存在を忘れてた! 早速、メルカリにて「インドネシア」「屋台」「おもちゃ」と打ち込み検索。
いた! メルカリにいた! ワンモアチャンス! しかも送料込み1200円!
そうして今、目の前にバクソがいる。4年越し、麗しのロンキャット。
何かはよくわからないけれど、なんかがんばって作ってある。
東南アジアのこういうものにしては細かいところのバクソまでよくできています。
すごい筋肉。腹筋が13個くらいに割れてます。
やはり毎日この重そうなバクソをロンキャットしてると、このようにバキバキの背筋が備わるのですね。えりあしも長めでオリエンタルムードを醸し出してます。そしてズボンと思いきやレオタード。変態ぽくて良いワ! 後頭部、背中、腰に痛々しくビスが貫通するのもご愛嬌。
あら、イケメン!
イケメン目当ての奥様方がキャッキャ、キャッキャ、バクソにロンキャットするのかしら。
さて。いよいよ動かしてみる。
うわぁ~~、トリッキーな動き&歌!
「タバコ タバーコ
マルマル ケェー
アコエタ オーコーエー」
耳コピしてみたが、なんのことかさっぱりわからない。そこで友人の知人にインドネシアに住んでいる人がいたことを思い出して、動画をみてもらいなんて歌っているか教えてもらう。
すぐに返事がきた。仕事が早くてありがたい。
「肉団子屋さん こっち こっち 来て
私は それを 買いたい」
まさかの客目線。聞けばインドネシアでは有名な歌らしい。
ん!?
ババン!
もうひとつ! ワンモアタイム! しつこくメルカリを漁っていたら、もう一つ発見!
しかも色違い。動きも滑らか。
乳首がより立ってる!
2個あるので、先にテーブルから落ちたほうが負けの『天下一バクソ会』や
このようなアクロバティックなバクソ・ロンキャットも。
いや~、欲しいものなどもう何もない。
バクソのほかに大切なものなど~。
つづく。