ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第1回:駄菓子屋でのストリートファイト

連載・コラム

[2018/6/4 12:00]

足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!


どーも。公園にあるブランコは乗るものじゃなく、手のひらの肉を挟む遊具だと思っているANZEN漫才のあらぽんです。今月から新コラム、ANZEN漫才あらぽんの足立区ストーリーズ『アダチニスト』が始まりました! しかも月2回更新!

そして改めて思いました。前連載『下町ヒップホップLOVERS』スタート時はまだ世間にANZEN漫才が浸透しておらず、『いない方芸人』だった僕に連載を依頼し、そして最近訪れた新時代『じゃない方芸人』の僕に月2回連載という進化をさせる『耳マン』さん、やっぱりどうかしてるぜ!(^_^)/

ということで、そんな新コラムの気になる内容は、僕が足立区で経験したこと! 足立区で出会った人たち! 足立区のオススメスポット! あまりテレビでは話せないようなこと!を書いていこうと思ってます。

ということでANZEN漫才あらぽんの足立区ストーリーズ『アダチニスト』をよろしくお願いいたします!


そもそも足立区とは? 足立区を知らない方のために簡単に説明すると、東京23区で最も治安が悪いといわれがちな地域。日本を代表する繁華街のひとつ“眠らない街・新宿”よりもある意味活発で、“新宿よりも眠らない街・足立”という感じ。

新宿と比べられるくらいなので犯罪率が都内で1位になってしまうことが多いので、東京に住んでいるほとんどの人は足立区にいいイメージはもっていないと思う。

でも、実際の足立区は、とても住みやすい街だったりする。実は人情深く、下町情緒あふれる街。良くも悪くも簡単にいうといろんな意味で独特な街なのだ。

エピソード1『ストリートファイター』

タイトルからしていきなりそういう話かよ!と思った方もいると思うが、これはゲームの話。僕の幼少期の頃は昔ながらの駄菓子屋がたくさんあった。僕の中で駄菓子屋さんにはランクがあって、

・Sランクは
『コスモ』
『田口マーケット』

・Aランクは
『ヨーカ堂屋上』

・Bランクは
『ヤマザキ』
『いもや』

・C以下は
『サクライ』
『にしき堂』
『とらや』
『クニイ文房具』etc

という感じでランクをつけていた。ランクの基準はお店に駄菓子+何個のオプションがついているかどうか。オプションはゲーム、プラモ、アイス、カードダス、ガチャポン、おみくじ、うまい棒の種類、溜まり場スペースetc……。

この駄菓子屋たちが半径1キロ以内にあって、そのエリアには4つの小学校と3つの中学校が密集。学校が多いため駄菓子屋には上級生もたくさん集まることになり、遊ぶのにはそれなりのリスクもあったが、それでも駄菓子屋さんに行く目的は、ズバリ『ゲーム』。

その当時はアーケードゲームの『ストリートファイター』が流行っていて、どこの駄菓子屋さんも『ストリートファイター』やりたさに子どもたちが行列していた。そしてゲームの順番決めがいまでは考えられないような方法で、ゲームの台にお金を並べていって10円玉でピラミッドを作るという謎のシステムだった。

10円玉がなくて100円玉でやりました

左からひとりひと山のピラミッドをつくり、2番目の人は少しスペースを空けて山をつくる。そうやって予約をする謎のシステムだった。基本的に予約には制限がないので、自己中な人が来ると300円近くも10円玉を積んでしまい、ゲーム画面の左下4割くらいが見えずに虫食い状態でゲームをしなくちゃいけないことも。当時はそれくらい人気だった。

当然ながらトラブルも多く、しょっちゅう喧嘩が勃発していた。そう、『ストリートファイター』待ちでストリートファイトが起きていたのだ……。(次回に続く)

あらぽん

1985年10月13日生まれ、東京都・足立区出身。幼馴染のみやぞんと2009年11月にANZEN漫才を結成。みやぞんの特技であるギター、そしてあらぽんのラップを組み合わせた音ネタで活動するようになり、『足立区の歌』などのネタで注目を集める。『とんねるずのみなさんのおかげでした』『世界の果てまでイッテQ!』などでみやぞんの激烈天然キャラが爆発して話題となり、今や大注目コンビのひとつとなっている。