『あつまれ、バンドマン芸人!』ANZEN漫才編〜イッテQで大ブレイク!みやぞんのギターテクニックに迫る
お笑いの世界で活躍する音楽系芸人たちを紹介していく本連載。今回登場するのは、バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』などでみせる天然キャラでブレイク中の“みやぞん”属するお笑いコンビANZEN漫才。さらなる活躍が予想される音ネタコンビの音楽愛に迫ってみました!
みやぞんの天然キャラが炸裂
ANZEN漫才は東京都足立区生まれの幼馴染みやぞん&あらぽん(ともに1985年生まれの31歳)によって2009年11月に結成。近年『とんねるずのみなさんのおかげでした』『世界の果てまでイッテQ!』などでみやぞんの激烈天然キャラが爆発して話題となり、今や大注目コンビのひとつとなっている。
ANZEN漫才の由来って?
コンビ結成は2009年11月とされているが、あらぽんはすでに中学卒業の頃にみやぞんをお笑いの世界に誘っており、ハタチくらいの頃から音楽ライブの前説などで漫才を開始。意外(!?)だが、みやぞんは昔からおしゃれ&流行に敏感で、女子からも人気者だったという。そんな幼馴染みふたりによるANZEN漫才だが、ちょっと変わったこのコンビ名の由来は何なのだろうか? みやぞんが答えてくれた。
「あらぽん、ぼく答えていい? アッハッハ!! 人をバカにしたり傷つけたりしない安全な笑いをお届けしますっていうことで。悪いこと言ったり、ちん〇ん出したりする笑いはしたくないなって当時は思ってたんですよね」
ギター×ラップの音楽ネタ
そんな彼らは5年ほど前から、みやぞんの特技であるギター、そしてあらぽんのラップを組み合わせた音ネタで活動するようになり、『足立区の歌』などのネタで注目を集める。あのどぶろっくの唯一無二の弟子ということもあり、今後の歌ネタ界をリードする存在となっていくことは間違いないだろう。なお、みやぞんは“顔が似ている”という理由だけで島田紳助氏のような芸風を目指したこともあったそうだが、天然すぎてその方向ではまったくうまくいかなかったとのこと。
みやぞんの驚異的な音楽の才能
みやぞんには“お題をもらえれば即興で歌にできる”という特技がある。これは『イッテQ!』などでも披露されているが、さらにすごいのはどんなメロディに対してもその場でふさわしいギターコードをつけることができてしまうところ。取材時も「『いとしのエリー』お願いします!」などリクエストをすると、鼻唄を歌いながらすぐにギターを弾き始める(みやぞんは同曲のメロディを知っているだけであって、ギターでプレイした経験はない)。すごい……。メロディとハーモニーが瞬時に脳内で再生されているのだろう。
中学2年生でギターを始め……完全独学でマスター!
みやぞんがギターを始めたのは中学2年生のとき。足を複雑骨折してしまい運動ができなくなってしまったため、家にあった母親のギターを弾いたのがきっかけだったという。
「楽しかったから誰にも教わらないでずっとギターを触ってたんですよね。弾けるようになってから教則本を読んだら、僕が開発したと思ってたコードがいろいろ載ってたりして『先にやられた!』って思いました。アッハッハ!」
みやぞんはピアノも弾くことができるが、これも少年劇団をやっていたときに先生が弾いていたピアノを見よう見まねでやってみたら弾けてしまったとのこと。譜面は読めず、理論も一切理解していないそうだ……。
ふたりが好きな音楽
ネタは基本的にあらぽんが作っており、今後もさまざまな音ネタが生まれる予定だという。自らが生み出す音楽で笑いをうむふたりだが、リスナーとしてはどんな音楽が好きなのだろうか?
みやぞん:
「今しょっちゅう聴いてるのは『Feel Like dance』(globe)ですねぇ〜。あの曲は、ビートっていうんですか?そういうのとかピアノの感じがすごい好きです。あとは『エトピリカ』(葉加瀬太郎)ですかねぇ。『情熱大陸』のやつ。クラシック系の音楽が好きなんですよね。『威風堂々』とかも好きでよく聴いてますね。あと……ジャッキー・チェンと岡秀年さんです!」
なぜいま『Feel Like dance』なんだろうという疑問は置いておいて、岡秀年さんが誰なのか気になって聞いてみると、“人生を唄う!”をテーマに活動しているシンガーソングライターであるという。岡氏の熱い思いがあふれた楽曲にみやぞん、あらぽんともに魅了されているようで、車のなかでもよくCDをかけて楽しんでいるとのこと。
あらぽん:
「友達にラッパーが多かったから、高校くらいからヒップホップのイベントとかも行きまくってて。家にターンテーブルとかもありますし、ヒップホップが大好きですね。特に好きなのはYOU THE ROCK★さんとか雷とかですね。昔から服装もB-BOYだったしズボンも今よりでっかいのを履いてたので、みやぞんに『ズゴック』って言われてました(笑)。あとは清水翔太さんも大好きで、武道館公演は毎回行ってます。ANZEN漫才の単独ライブの構成とか会場の装飾とかも僕が考えてるんですけど、自分たちのライブの見せ方も清水翔太さんのライブにけっこうインスパイアされてます。ほかにもアイドル……最近ではゆるめるモ!がめっちゃカッコいいですね」
あらぽんはやっぱりヒップホップ好きだった。ネタではラップを披露しているが、基本的には聴く専門でラッパーではないという。
足立区から全国へ!
ANZEN漫才は地元・足立区にて、お笑いと音楽の融合イベント『Oh!上手ですね』を開催している。キャスティングはあらぽんが行っており、2013年にはブレイク前夜のクマムシだったり、2014年にはぱいぱいでか美だったり、以後のブレイクが期待される出演者がアツいパフォーマンスをくり広げている。次回の『Oh!上手ですねVol.5』は、2017年10月6日&7日にギャラクシティ西新井文化ホールにて開催される。こちらも要チェックだ!
「足し算じゃなくてかけ算」なふたり
終始、幼馴染み感たっぷりのハートフルな雰囲気で取材に応えてくれたふたり。みやぞんが最後にこんな言葉を残してくれた。
「僕ら、お互いができないことを……ずっと補い合ってきてるんですよ。だからかけ算なんです。足し算じゃなくてかけ算でやってきてるんです!」
満面の笑顔で語るみやぞんに「なんでかけ算?」とちょっと思ったことは内緒だが、コンビ愛の強さが表れたこの言葉にかなりグッときた。みやぞんの強烈なキャラが注目されている昨今だが、その個性を存分に発揮して活躍できているのも、彼を温かく見守るあらぽんがいてこそなのだ。これからも抜群のコンビネーション、そして音楽センスを生かして素晴らしい笑いを届けてほしい。ますます活躍が期待されるANZEN漫才のおふたり、今度は足立区で音楽トークしましょう!