ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第18回:UNOの女神(後半)
足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!
吉井の試合はまさかの展開に
(前回からの続き)この時点で笑みがこぼれすぎてる吉井。
あら「その顔150パー、成功してるじゃん」
吉井「卒業しましたー」
あら「まじか!」
吉井「でもとんでもないこと起きたよ」
あら「なに?」
吉井「境川くんと女の子と俺で最初3人でいたんだけど」
あら「うん」
吉井「途中でどこ行く?ってなって、境川くんが女の子と自分の家行くって言い出してさ、境川くんが俺をまこうとしはじめたの」
あら「まじか、かまされたってこと?」
吉井「でも女の子が行かないって言い出して、境川くんと喧嘩になって帰るって言い出した」
あら「で?」
吉井「そしたら境川くんも怒っちゃっていきなり帰っちゃった」
あら「で?」
吉井「女の子、境川くんとニケツで来てたんだけど境川くんが帰っちゃったから帰る足ないって言うから、近くまで送ってあげることになって」
あら「家に?」
吉井「そう」
あら「境川のアシスト感すげーな! てかその子はどんな感じの子だったの? そこ知りたいわ」
吉井「全然清楚とかじゃない。赤のカール・カナイのジャージにカッパのベンチ(コート)着てた」
あら「いやいやゴリゴリじゃん。顔は?」
吉井「卵系のもちもち感」
あら「わかんねーよ、頭の中でまだ触ってんじゃねーよ」
吉井「いやいやいや、荒木さん、違いますよ」
あら「で?」
吉井「とりあえずチャリ乗ったらうしろから腹つまんできたの」
あら「なんで?」
吉井「いやわっかんないんだけど。そしたら急に後輩くん可愛いねって言われた」
あら「途中から笑うのやめて。余韻すごいから」
吉井「荒木さん、勘弁してくださいよ」
あら「で?」
吉井「したら、家来る?って言われて」
あら「合格したんかい」
吉井「まじウケたのが、すげーでかい家で誰もいなかったんだけど、部屋にいったらおぼんにのせた“のしうめさん”と麦茶出された」
あら「それ、そこにいる人しかわかんねーわ」
吉井「で、ちょっとたったら女の子がこれやらない?って言ってきた」
あら「きたな!UNOの女神! 勝った?」
吉井「ここが事件で」
あら「なに?」
吉井「引き出しから大きめの盤出してきてさ、見たらUNOじゃなくてオセロだった」
あら「どういうこと!?」
吉井「境川がやりやがった。UNOじゃなくてオセロ勝負だったんだよね」
あら「どっちでもレアケースだから。で、どうなったの?」
吉井「勝った」
あら「勝ったんかーい。練習いらなかったじゃん」
吉井「そこは境川だよ」
あら「あいつやったな」
吉井「そしたら女の子が負けちゃったって言いながら服脱ぎ出した」
※自主規制※
吉井「ほんとにみなさんありがとうございました!」
友達A「てか結末までが回りくどくてイライラするわ」
吉井「卒業しましたー!」
友達A「まじうぜーわ」
こうして吉井の初体験は境川くんの存在と自身の執念が実を結び、白黒はっきりと結果が出た。その後、オセロの女神は名のある番長と付き合い、名のある番長が雑魚中学の男に遊ばれたことを知りゲームに関わったメンバーをひとりずつボコボコにしていったらしい。
もちろん境川くんもやられたが、なぜか吉井だけ無事だった。女神が吉井の名前だけ出さなかったのは優しさだったのかは今でも謎のまま。