ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第32回:みやぞんとの初コンビ
そしてみやぞんとのコンビ結成
それを聞いたとき再びあのときの“ノリ”がやってきた。とりあえず吉井に相談した。
あら「みやぞんをお笑いに誘ってみようかなと思うんだけどどう思う?」
吉井「いいんじゃない。でもやるかね?」
あら「わかんない。でも進路決まってないらしいからダメもとで聞いてみようかな」
吉井「事務所とか入るの?」
あら「全然わかんない。とりあえずこの流れで聞いてみるわ」
吉井「がんばってね」
そして携帯から電話をかけた。家電(いえでん)は覚えていた。
母「もしもし、宮園です」
あら「荒木ですけど、宮園くんいますか?」
母「あらぽん、ちょっとまってね」
あら「はい」
母「だい~、あらぽんから電話ぁ」
みや「もしもし」
あら「公園これる?」
みや「なんで?」
あら「ちょっと話したいことがあるんだよね」
みや「わかった」
数分後、ジャージ姿でみやぞんが現れた。
みや「どうしたの?」
あら「なんでジャージ?」
みや「トレーニングしようと思って」
あら「そうなの。進路決まった?」
みや「いろいろあって野球でいけるかも」
あら「そうなんだ」
みや「どうしたの?」
あら「あのさ、小学生の頃、学芸会で漫才したの覚えてる?」
みや「やったね。覚えてるよ」
あら「どうだった?」
みや「おもしろかった気がする」
あら「そっか」
みや「あらぽん、吉井とやったよね?」
あら「ロケットGOひろみね」
みや「なんであれハリセン飛んだの?」
あら「今? 今考えてもなにがおもしろいのかわからないわ」
みや「懐かしいね」
あら「でさ、お笑いとか興味ない?」
みや「よく観るよ!」
あら「観るじゃなくてやるほう。俺とお笑いやってみない?」
みや「ほんとに?」
あら「というかお前誰かとお笑いやるのかと思ってたんだけど言われてないの?」
みや「言われてない」
あら「やろうよ」
みや「できるかな」
あら「あのネタできるならできるでしょ。小学生であのネタ書けるなら大丈夫だよ」
みや「どうしよう、あのネタねーちゃんが考えたんだよね」
あら「嘘だろ!? どうりでしっかりしてたわ」
みや「どうしようかな」
あら「もっと気楽に考えてさ、ジャッキー・チェン好きでしょ?」
みや「超好き」
あら「芸能界にいたら会えるよ。というか会いに行けるよ」
みや「えー会いたいわ」
あら「俺、加藤あいに会いたいから」
みや「あらぽん加藤あい好きだもんね」
あら「やるか!」
みや「わかった! ジャッキーに会う」
あら「一緒に手羽先食べよう!」
そして僕たちは中学の卒業と同時にお笑いコンビを結成した。コンビ名は『MiX』だった。