ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第33回:中学の卒業文集
[2019/10/22 12:00]
足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!
コンビ名がなぜMiXだったのか?
みやぞんとお笑いコンビを組んでみたけどなにから始めればいいのかわからなかった。とりあえず名前を決めようということになり考え始めた。話し合うためにみやぞんの家に集まる。だけどいつも話が脱線してしまう。
当時、筋トレ器具で埋め尽くされていたみやぞんの部屋。「そこ座っていいよ」と言われた椅子がベンチプレスの台だったり、ガラステーブルの下にいつでも見えるよう綺麗にジャッキー・チェンの写真集が陳列されていたり、会話が筋トレへと導かれていく。そして、無造作に置いてある鉄アレイを触るとそれが始まってしまう。
みや「それじゃ鍛えられてないよ」
あら「なんで?」
みや「ゆっくり降ろしてやらないと深い筋肉まで届かないよ」
あら「これくらい?」
みや「どうなりたいの?」
あら「考えたことないわ」
みや「すごいの見せてあげる」
あら「なにこれ? ジャッキー・チェンの写真集?」
みや「そう、ちょっとこれみて、この二の腕」
あら「筋肉太っ! 肉付きのいい手羽先じゃん」
みや「ここまでいきたいね」
あら「いらないでしょ。シャツ着られてないよこれ」
みや「ちょっとあらぽん、これやってみて」
鉄アレイをゆっくり上げ下げする。
あら「きっつ! まじプルプルくるわ」
みや「これゆっくり10回を3セットだけでもだいぶ筋肉つくよ。筋肉は数じゃないからね」
あら「毎日やってるの?」
みや「やってる。10セット」
あら「すげーな」
なにをしていいかわからず日常会話をする日が何日か続き、気がついたら名前が『MiX』になっていた。というか名前の由来を忘れてしまい、まったく思い出せない。なのでみやぞんにも確認してみた。(次ページへ)