ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』最終回:大好きな足立区

連載・コラム

[2019/11/5 12:00]

足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!


小学生から中学生までに地元・足立区で経験したこと、出会った人について書いてきたこのコラムですが、もしかすると読んだ方は「やっぱりそうか」「治安悪いね」「住みたくない」と思ったかもしれません。

今回、『アダチニスト』最終回ということで足立区のいいところも書いていこうと思います。

さらっと最終回発表。それではよろしくお願いします!


交通は不便ではない!

足立区は「交通が不便」だという話を聞いたことがある人はいるのではないだろうか? 確かに最寄りの駅までが遠いというのはあるかなと思う。ただ、そのぶんバスが充実している。そんなバスのなかに細い道まで運行できるようにコンパクトになった『はるかぜ』がある。普通のバスでは通らないような市街地の細部までガンガン攻める。なので高齢者も負担が少なく駅まで出ることができるようになった。ほかも都バスや東武バスもあり、さらにバスバスしている。僕らもネタの『足立区の歌』の始まりの部分で

「足立区は交通が不便っていうけど(違うから)
足立区を知らないやつがそうやって言う(都バスあるから)」

と歌っている。

電車に注目するとやはり北千住だろう。北千住はかなり路線が多いターミナル駅だ。日本でトップ5に入るであろう多くの人が、毎日、北千住を利用している。とりあえず停められるだけ電車を停めて人を運んでいるのだ。

足立区を通る電車で足立区の奥まで行くのは東武伊勢崎線(スカイツリーライン)と日暮里・舎人ライナー。東武伊勢崎線は「カメレオン電車」と言わんばかりに、行く先々で表情を変える。東武動物公園とか行けるよ~の雰囲気から東武伊勢崎線→半蔵門線→田園都市線と直通で神奈川の方まで行けてしまう。

以前、宮前平でタクシーに乗ったときに車内に携帯を忘れてしまったことがあった。タクシー会社へ取りに行くのに携帯で乗り継ぎを調べたら所要時間が1時間以上できっついなと思ったら、綺麗にたて線1本で携帯に表示され、東武伊勢崎線は「乗り継ぎ定規だな」と乗り継ぎなしでいけたことに衝撃を受けた。

そして、日暮里・舎人ライナー。舎人ライナーは電車ではなくモノレールだ。足立区にはモノレールが走っている。これもあるあるだが、足立区外の人の半分は舎人という漢字が出たときに読めない。すぐに読める足立区民は舎人を読んだときに賢いの?と思われがち。舎人は「しゃじん」ではなく「とねり」。そんな日暮里・舎人ライナーができる前までは、足立区から山手線まで出るのにはバスか自転車しかなく、僕も高校生の頃は毎朝20分から30分かけて自転車で通っていた。なので当時の足立区の学生たちは太ももの筋肉が競輪選手ばりに発達していたと思う。

舎人ライナーは足立区から1本で山手線に出られ、学生たちの太ももおばけを止めてくれた画期的な路線。足立区は交通に関しては不便だと思われがちだが、実は意外に便利な街だと思う。

足立区って物価違うんでしょ?

これもよく言われがちなこと。それはそうな気がする。とにかく安い店が多い。八百屋が安いとか惣菜が安いとか本当にそう。これも僕らはネタにしている。

「足立区行こう~(八百屋で茄子が20個100円)」

ちなみにコロッケは30円。惣菜屋さんで買い物するとき、僕が好きだったのは豆腐ハンバーグだった。ごはんに合いすぎるタレが最高だった。

あまり知られていない豆知識だが、イトーヨーカドー、ドン・キホーテは足立区が1号店だった気がする。足立区は激安の殿堂が目をつけた、とてもお財布に優しい街なのだ。

いろいろと書いてきたが、実際住んでいて僕が足立区に一番感じること、それは「人情味」ではないかなと思う。たまに距離感近すぎるとか言われたりもするが、それがまた足立区のよさでもあったりする。(次ページへ)