平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)【音楽“ジャケット”美術館】光の音すら聴こえる名画・ジーノ『ZENO』
[2018/8/7 12:00]
音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。
第2回:光の音すら聴こえる名画・ジーノ『ZENO』
今回ご紹介するのはこちら。
ジーノ『ZENO(ジーノ)』(1986年)
ドイツのギタリスト、ジーノ・ロート率いるメロディアスハードロックバンド、ジーノのデビューアルバム。ジーノ・ロートは残念ながら2018年2月、病気のため61歳の若さで亡くなっている。ちなみに彼の兄はかの有名なギター仙人、ウリ・ジョン・ロートである。
東洋神秘的なメロディとアレンジ、さらにボーカリスト、マイケル・フレクシグの透明感のあるクリスタルボイスによって独特すぎる世界観を展開。ハードロック界最強のデビューアルバムのひとつとして数えられている。
意味ありげなジャケットのアジア人の少年。彼は一体何をしているのか。「すみません神様、もうちょっと早く太陽出してもらえませんか?」というクレームの電話をしているわけではない。
正解は、光の音を聴いているのだ。光に音なんかねえよ、という無粋なツッコミは言いっこなし。そこはロマンで感じてほしい。内容と見事に調和したジャケットであり、ジーノというバンドのすべてをこのジャケットが表現しているとも言える。また、非常に絵画的でもある。
同作で表現されたテーマは、のちのアルバム『リッスン・トゥ・ザ・ライト』(1998年)にも受け継がれる。こちらも名盤!