夢のコラボレーションといったところだろうか〜人間椅子『怪人二十面相』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/9/18 12:00]
音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。
第59回:夢のコラボレーションといったところだろうか
今回ご紹介するのはこちら。
人間椅子『怪人二十面相』(2000年)
日本の音楽シーンのなかであまりにも独特すぎる個性を確立している人間椅子。独特すぎて真似しづらいのか、存在の大きさの割に似ているバンドもほとんどいないという独特っぷり。
ブラック・サバスあたりの影響下にあるヘヴィメタルサウンドを基本としながら、プログレ的な要素もあり、不気味で怪奇的な日本語の歌詞と世界観。そして和装をメインとしたファッション。日本人の心の奥底に潜むどろどろとした感情を浮き彫りにするかのような音楽。まさに日本という国だからこそ生まれたある種の怪物のようなバンド。でもライブのMCでは気さくなおじさんたち。
『怪人二十面相』はそんな彼らの9枚目のアルバム。バンド名の由来にもなった彼らの敬愛する作家、江戸川乱歩の同名の小説の世界観を表現したコンセプトアルバムで、ブックレットの写真ではメンバーそれぞれが登場人物のコスプレもしている。(次ページへ)