キースの目つきにだけはロックを感じるけど……〜ザ・ローリング・ストーンズ『ダーティ・ワーク』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/9/25 14:00]
ジャケットはやはりキース主体で作ったアルバムだけあってど真ん中にリーダー然としてキースが陣取っているが、それよりもこの岡本太郎ばりのどぎつい原色で固めたデザインよ。これこそまさに1980年代っぽさが全面に出ているが、個人的には音にしてもジャケットにしてもこういういかにも1980年代的な雰囲気はあまり好みではない。何というか……イモい。ロックバンドというよりはまるでアイドルといった感じである。唯一キースの毒々しく鋭い目つきにだけはロックを感じるが。
しかしこの数年後ストーンズは、時間はかかったものの何とか和解し再び勢いを取り戻していく。その後の充実した作品群のことを考えるとこのまま解散にならなくて本当によかったと思う。
世界一巨大な岩も転がる過程でドブにはまりもがいていた時期があったということである。