形容するのは難しいが「何かいい」アルバム〜ドリームタイド『ドリームス・フォー・ザ・デアリング』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/10/9 12:00]
そしてジャケットだが、前作と同じようにアメリカ先住民に伝わる魔除け道具、ドリームキャッチャーがモチーフとなっている。しかし、ファーストアルバム紹介時にも書いたとおり、彼らの場合注目してほしいのはブックレットの中のデザインである。
これらの写真のよさがわかる人はきっと一定数いると思うのだが、毎度のことながら彼らのアルバムのブックレットに載っている写真はどれも独特の哀愁を感じるものばかりなのだ。この感覚を言葉で形容するのは難しいが、あえて言うならば「何かいい」のである。人気のなさそうな空港(?)、夕暮れの工場地帯、何かいい。この何かいい感じの哀愁のある写真がブックレットの各ページに載っているので、これらの写真を見ながら曲を聴くと一層イマジネーションが駆り立てられ、より楽曲に深く入り込んでいけるのである。正直こういったところのセンスはフェア・ウォーニングにはなかったところだ。
真に優れた芸術というものは理屈で説明しきれる範囲を超えたものだ。仕事上説明しなければいけないときも多くあるのだが、この「何かいい」と思える感覚をこそ人として大事にしていきたいと思う私なのです。
というわけで何か変な名前のヘルゲ・エンゲルケ率いるドリームタイドでした。
というわけで何か変な名前の平井“ファラオ”光でした。