とても普通である。そう、とっても普通である。〜バッド・カンパニー『バッド・カンパニー』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/12/25 12:00]
わかりやすく言うとフリーを明るくしたようなサウンド。シンプルなロックスタイルはそのままに、フリーのときには今ひとつ掴みきれなかったアメリカでの成功を狙って全体的にポップでキャッチーになった印象がある。ただ部分部分にフリーの名残ともいえるあの胸を締めつけられるような独特の暗さが感じられるあたりがフリーのファンにも違和感なく受け入れられた所以だろう。そして言うまでもなくポール・ロジャースの歌唱が絶品である。結果『バッド・カンパニー』はここまで書いたとおり全米1位の大ヒット。まさに狙いどおりだったわけだ。
しかし内容はまったく問題ないとしてジャケットは本当にこれでよかったのか? 最高のバンドであったフリーが消滅し起死回生を狙って一流のミュージシャンを集めスーパーバンドを結成した最初のアルバムのジャケットが本当にこれでよかったのか?
いや、別に言うほどヒドいとは思わない。決してダサいとまでは思わないが、とても普通である。そう、とっても普通である。せっかくのスーパーバンドなのにこんなに普通でいいのか? 正直普通すぎてこの連載で取り上げるべきかどうかすら迷ったくらいなのだが、この世界「普通」は「アウト」なので結局アウトとして取り上げさせていただいた。状況的にはもっとジャケットにも気合いを入れるべきところなのではないかと思うのだが、至って普通である。ほらこんなにも普通である。
まあ実際これで売れたわけだから別によかったと言えばそれまでなのだが。それにしても普通だ。「普通」以外何も言えないくらい普通だ。
・・・・・・・・。
普通だ。