誰がこれを見てハードロックのアルバムだと思うだろうか〜TMG『TMG Ⅰ』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2020/2/19 12:00]

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。


第80回:誰がこれを見てハードロックのアルバムだと思うだろうか


今回ご紹介するのはこちら。

TMG『TMG Ⅰ』(2004年)

<あの海外セレブの背後に偶然ロバートが写り込む奇跡>

※謡曲のジャケットではありません。

B'zのギタリスト、松本孝弘によるソロプロジェクト。と言ってもただのソロアルバムではなくれっきとしたバンドであり、ボーカルにMR.BIGのエリック・マーティン、ベースにナイト・レンジャーのジャック・ブレイズ、ドラムにスラッシュほか多くのバンドで活躍したブライアン・ティッシーを迎えるという豪華っぷり。バンド名はTAK MATSUMOTO GROUPの頭文字を取ったもの。玉子の略ではない。それぞれある程度共通するファンのいそうなメンツであるが、結果生まれたものはB'zファンにもMR.BIGファンにもナイト・レンジャーファンにも媚びないまったく新しい個性をもったバンドであった。(次ページへ)