m.c.A・T『なんて言うんですか、こんな音楽感』第8回〜根拠なき自信と若気の至りっ!

連載・コラム

[2020/2/13 12:00]

ボンバヘッ!でお馴染みのヒット曲『Bomb A Head!』のほか、DA PUMPの育ての親としても知られるm.c.A・T。日本屈指のプロデューサーの自伝的連載がスタートだぜっ!


「あのときよく諦めませんでしたな」と言ってやりたいぜっ!

 無事にというか無理やりにというか、いろいろな方々の反対を乗り越えてついに上京した若きA・T。若いと言っても20代半ばだったからなぁ、早くからミュージシャンを目指して上京していた友達もかなりいて、遅かったほうだったと思う。うん、遅かったな。

 あの頃、ちょっとした勘違いがあって。勝っちゃん(前回参照)も彼の事務所の社長さんもマネージャーさんも俺にとても優しくしてくれて、食事とかもよくご馳走していただいていたから、自然に(いや、勝手に)「この事務所に俺は入るんだろうな」と思っていた。しかし、ある日、社長さんに「誤解はしていないと思うのだけれど、君は勝彦の良き友人だが、今はウチには入れる気持ちはないよ」と告げられた……。明るく「はい、大丈夫です! わかっています」と答えたような気はするけど、絶対に一瞬「えっ! マジすかっ!」ってビックリした表情をしてたと思う(笑)。

 あともう1点、小っ恥ずかしいけど勘違いしていたことがあったと思う。いつも勝ちゃんと一緒にいて鏡を見るより勝っちゃんの顔を見てたから、自分も2枚目だと思っていたような気がする。イケてると思ってたのかねぇ、いやぁ、おっかしいな〜(笑)。そんないろいろな自分の勘違いに気づくというか、気づきたくない現実を突きつけられたときはちょっと落ち込んだな。でもちょっとだけね。

 まぁ、上京してきたってこと自体、あんな実力でよく出てきたなと思うし、それなりの決意はあったんだろうね。「絶対やっちゃるっ!」的な根拠のない自信、若気の至り。人生の選択としては今考えると怖くなる。ただね、そんな情熱やエネルギーがあったから今があるわけだ。(次ページへ)