【掟ポルシェの食尽族】第29回:ヨーグルトがポイント! 「シンプルな料理が好き」マインドから生まれた掟流・家カレーレシピ

連載・コラム

[2022/2/28 12:00]

自称「食べもののことになると人格が変わる」ほど食に執心する“食尽族”でミュージシャンの掟ポルシェ(ロマンポルシェ。、ド・ロドロシテル)が、実際に食べてみて感動するほど美味しかったものや、はたまた頭にくるほどマズかったもの、食にまつわるエピソードについて綴る連載。読んで味わうグルメコラムがここに!


第29回:「シンプルな料理が好き」マインドから生まれた掟流・家カレーレシピ!


カレーに余計な甘みやゴロゴロの野菜はいらねえの!

 月並ですが、カレーが好きです! 好きな店で食べるカレーも自分で作るカレーも、どっちも最高! 当連載でも好きなカレー屋のことについては何度となく取り上げてますが、今回は家で作るカレーのお話です。既成のカレールウ買ってきて作る家カレーには、各家庭の数だけ異なるレシピがあるかと思います。苦手な野菜を省略したり、好きな具材をドバ入れしたり、うっかりついばんだ小動物が絶命する程度にスーパー激辛MAXにしたり等等。ひとくちにカレーライスと言っても、思い浮かべる味の感覚はかなり違うものになるでしょう。友だちの母ちゃんが作ったカレーとか、辛さとか具の内容とか自分ちのカレーと違いすぎて、あまりしっくり来なかったり。でも自分ちのカレーは3日間ぐらい続いたって全然平気、いや週半分自分ちカレーでもOK! いや、そういうもんです。それが普通。当連載ではタイカレーの作り方を書いた回もありましたが(※第10回参照 https://33man.jp/article/column43/008504.html )、今回は、本当に自分ちで自分と家族だけが食べているカレーライスについて書いてみます。

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 で、俺が作る家カレーは、具材の構成等、多少変わっているようです(担当編集者に言われてようやく気づきました)。カレーの具材に定番のジャガイモとニンジンが入ってなくて、その代わりに大量のきのこが入ってます。そのココロは、昔からシンプルな料理が好きだから。ラーメン屋とかでもよくありますよね、上にもやしとか野菜が大量に乗ってるやつ。あれが得意じゃないんですよ。「野菜が食べたいんじゃなくて、ラーメンならスープと麺、カレーならカレーのルウ部分が食べたいの!」という気持ちが強いのです。そもそも野菜の食感が全般に苦手。特にジャガイモが煮込まれてカレーの中に溶け出したりしたらぁあああああもう最悪! あのザラザラした舌触りは無理! ビシソワーズじゃねえんだから! これカレーだから! ニンジンの甘みもカレーの味に邪魔になんの! 辛いものが食いたくてカレー作るんだから余計な甘み入れんなっつの! 玉ねぎも形が残ってると嫌だからみじん切りにしてパーフェクトに溶けるまで煮込んでまーす(生煮えの状態で大量に玉ねぎが入ってる新潟の『バスセンターのカレー』とか思い浮かべただけで気絶しそうだし)! でも、インドカレーの店行ったってそういうもんでしょ? 具は肉ぐらいしか存在感ないのが本場インドでも求められてる感じじゃない? ね! 俺ほら、本格派だから! 日本カレーで定番と言われてる具材は、カレー本格派の俺には不要というか……え? ……じゃあきのこはどうなんだって? きのこは……きのこは、いいんだよ……あの……おいしいから(説得力なし)。まぁ、その、野菜嫌いの子どもでもカレーに入ってる野菜なら食べられるってことなんですけども、その野菜嫌いの子どもマインドをカレーという料理にのみ残しているんだと思います俺の場合。積極的に食べたい唯一の野菜がきのこだったみたいな。昔はしめじのみ使用してたんですが、ここ数年舞茸がカレーに向いてる気がして舞茸も入れるように。なお、エリンギはアレルギーがあって食べられないのでNGです。なぜかエリンギ食べるとゲップが止まらなくなるんですよね……なんでだろう。

 実家にいる頃から家カレーのルウは、ハウスの『ジャワカレー<辛口>』を使用。ひとり暮らししてからもジャワカレー辛口だったんですが、今から7年くらい前にジャワカレー辛口を上回る辛さを誇る『ジャワカレー<スパイシーブレンド>』がリリースされてからというもの、そちら一択です。長年に渡りハウスのカレーの辛さは1~5までだったのに、突如「5段階表示で辛さ6!」という掟破りな辛さを我々ハウスジャワカレーファンに提示したエクストリームカレールウ。初めてスーパーで発見したときは「マジかよ!?」と素で声が出ました。確かに以前からジャワカレー辛口で家カレーを作る際、仕上げに大量のカイエンペッパーとガラムマサラを投入していたのですから、それを見越して辛さレベルを更新してきたハウス食品、さすがのひと言。ほかのメーカーのカレールウもいろいろ試してみましたが、余計な甘みがあったりして全然ダメ。ハウスのジャワカレーじゃなきゃダメ(ハウス『印度カレー』の辛口もなかなかいいんですが辛さ4なので物足りなさはある)。

 で、カレーにヨーグルトを入れるようになったのは、せいぜい7~8年前。たまたま自分が出演したライブイベントに、自作カレーを売ってる人がいて、買って食べたらまぁうまい。あまりに美味しかったのでどうやって作ってるか訊いたら、この「ヨーグルトで肉を漬け込んで軟らかくする」レシピを教えてくれました。その方はハウス印度カレー辛口で作ってましたけど、昔からジャワカレー派だったのでジャワカレー辛口で制作。そして今日に至る、といった感じです。

 というわけで、誰が望んでるかは知りませんが、掟ポルシェが家で自分用に作ってる家カレーのレシピ公開! こんな感じです!

掟流・家カレーレシピ

<材料:8人分? かなりざっくりと>

★鶏むね肉:2枚
★鶏もも肉:2枚
★鶏むね挽肉:300g

★玉ねぎ:中1個
★しめじ:1パック
★舞茸:1パック
★にんにく:6片
★生姜:1片

★白菜:75g(4分の1カットで葉1枚分くらい)

★ヨーグルト:200g
★カレー粉:小さじ1(なくても可)
★だし醤油:小さじ1×2回
★醤油:おたまに1杯(50cc)
★鶏がらスープの素:小さじ1
★こしょう:少々
★ローリエ:1枚

★『ジャワカレー<スパイシーブレンド>』:1箱(191g)

1:鶏むね肉と鶏もも肉を適当な3~4cmくらいの大きさに切る。
※ちょっと大きいかな?と思ってもヨーグルトに漬け込むことによって柔らかくなるので大丈夫。もも肉のほうがむね肉より小さく切るイメージです。

2:ビニール袋にヨーグルト200gとカレー粉小さじ1とだし醤油(なければ普通の醤油でも可)小さじ1を入れて混ぜておき、そこに1の鶏むね肉&鶏もも肉を入れてサッと揉み込み、冷蔵庫で3時間~1日寝かせる。
※肉が軟らかくなります。

3:玉ねぎ1個をみじん切りしてフライパンで炒めます。
※時短のために、玉ねぎを入れたらお湯を200cc入れて強火で加熱。お湯が少なくなってきたらまた200cc投入。これを3回くらいやると弱火でじっくり飴色玉ねぎになるまで炒めるのを短縮調理できます。焦げないようにつきっきりでしゃもじで混ぜ返したりの作業が不要なので楽。お湯入れてあとは水気がほぼなくなるまで放置でOK。

4:大きい鍋(うちでは24cm径×4.2リットルのル・クルーゼを使用)にしめじを根元のなんかわけのわかんねえところを切ってばらして入れ、舞茸を適当な大きさに縦に割いて入れ、にんにく皮と根付きの固い部分取ったら丸ごと入れ、生姜はみじん切りにして入れ、3で炒めた玉ねぎを入れ、1の鶏肉をヨーグルト液ごと全部入れ、水1300ccを入れてヨーグルト液と水が混ざり合うまでよく混ぜて、ローリエを入れて沸騰するまで強火で煮ます。
※ジャワカレースパイシーブレンドの正式な作り方だと水分は1300ccですが、カレーはシャバめが好きなので、ヨーグルトの水分200gはノーカウントで。鍋に蓋をしないで調理。

5:鶏ボールを作ります。鶏むね挽肉に鶏がらスープの素小さじ1、だし醤油(なければ醤油でも可)小さじ1、こしょう少々を加え、粘り気が出るまで練る(この工程を飛ばすとカレーの中に挽肉がバラバラに飛び散ることになるので、まぁやっときましょう)。白菜をみじん切りにしてそこに加えてよく混ぜ、直径3cm程度に丸めて鶏ボールにして4の鍋に投入します。
※鶏むね挽肉4:白菜1くらいの分量だといい感じです。
※この鶏ボールは鍋ダネとしても使えます。お試し下さい。

6:沸騰したら中~弱火にして煮込んでいきます。途中で灰汁を取るわけですが、ヨーグルトが入ってるからなのか、鶏ボールの挽肉に吸着されるからなのか、よくわかんないんですが、灰汁はそれほど出ません。まぁなんとなく「これ、灰汁かな?」というやつが浮かんできたらあまり神経質にならずチョチョッと取って、醤油をお玉に1杯分入れて煮込みます(沸騰後15分)。

7:ジャワカレースパイシーブレンド付属のガラムマサラの小袋を入れてよく混ぜてからルウ1箱分を割り入れて溶かし、時々かき混ぜながら弱火で煮込みます(約10分)。
※カレールウの箱の裏を見ると、「ルウ入れるタイミングで火を止めて」というのが必ず書いてありますが、何言ってんのかよくわかんないのでそこはガン無視しています。

8:完成!

※盛り付けは各自好きにして、と言いたいところですが、一応自分的には丸いカレー皿にご飯250gぐらい均等に盛り、具は鶏むね肉2個、鶏もも肉2個、鶏ボール2個くらいになる感じで入れ、ルウをシャバめに大量に入れます。ココイチでもトッピングはあまりしない派、具沢山が好きではないので、カレーライスとして食べるときは肉はそのくらいにして盛り、そうするとカレーの鍋の中には大量に肉が残りますので、酒を飲むときのツマミにして消費します。

※ヨーグルトは全量の400g入れてもおいしいですが、多少酸味がきつくなるのとヨーグルトで腸内フローラが活性化しすぎて便意に直結してしまうんで、200gに落ち着きました。肉を軟らかくしてくれた上で程よい酸味をカレーに与えてくれるのは200g。積極的にウンコ出したい派のあなたは400gいっちゃって下さい。HAVE A NICE お通じライフ!

※当連載を最初から読んでる方には説明は不要かと思いますが、家の料理はすべて嫁に作らせず、基本俺が制作。このカレーを作るとき、中1と小2の子どもたちの分のカレーはハウス『バーモントカレー<甘口>』で別に作ります。そっちにはジャガイモもニンジンも入れてやります! 育ち盛りの子どもは好き嫌いしちゃいかん! 当方、ひと通りの成長が止まった大人ですから、もう栄養がどうとかそんな眠たいことは一切無視! 自分の好きなように作って食べるんだもんね! うちの子に告ぐ! 大きくなって自分で作れるようになったらカレーの具は好きなようにして良いよ! うちの子ども的には俺が子ども用に作ったニンジンジャガイモ玉ねぎが入ってリンゴとハチミツとろ~り溶けてるバーモントカレーでメチャメチャ好評なようです。

 というわけで、よかったら作ってみてね! 口に合わなくても掟ポルシェ&『耳マン』編集部は一切関知しないのでそのつもりで!

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掟ポルシェ

おきてぽるしぇ●1968年北海道生まれ。1997年、男気啓蒙ニューウェイヴバンド、ロマンポルシェ。のボーカル&説教担当としてデビュー、これまで『盗んだバイクで天城越え』ほか、8枚のCDをリリース。音楽活動のほかに男の曲がった価値観を力業で文章化したコラムも執筆し、雑誌連載も『TV Bros.』、『別冊少年チャンピオン』など多数。著書に『説教番長 どなりつけハンター』(文芸春秋社)、『男道コーチ屋稼業』(マガジン・ファイブ)、『出し逃げ』(おおかみ書房)、『男の!ヤバすぎバイト列伝』(リットーミュージック)、『豪傑っぽいの好き』(ガイドワークス)がある。そのほか、俳優、声優、DJなど活動は多岐にわたるが、ここ数年はアイドル関連の仕事も多く、イベントの司会や楽曲のリミックスも手がける。