レイザーラモンRG、ゆってぃ、篠崎愛etcが選ぶ、2015年“最も笑った”音楽ニュースはコレだ!

特集・インタビュー

[2015/12/30 19:00]

さようなら2015年。今年もいろんなことがありましたね。音楽系ニュースにもさまざまなものがありましたが、ここでは『耳マン』らしく“笑ったニュース”というテーマを設け、さまざまなフィールドで活躍する方々にご執筆いただきました! 2016年も笑えるニュースがたくさんあると良いですね。やっぱり笑いは人々を幸せにしますよね。『耳マン』もますます精進してまいります。よろしくお願いいたします!

★レイザーラモンRG★
TOSHI(X JAPAN)の『まんが日本昔話』カバーは
“笑った”を通り越して“感動した”

 2015年笑った音楽ネタは多くあれど、完成度と企画とそのアーティストの生き様が見事にシンクロし“笑った”を通り越し“感動した”のが、『27時間テレビ』でX JAPAN TOSHIが披露した『まんが日本昔話』オープニングテーマのカバーだった。正直ほかの出演者は曲との相性が悪かったのか、やらされてる感があったのは否めない。しかしTOSHIは企画と曲をしっかりと受け止め、まんが日本昔話色に染まった。まんが日本昔話色に染まったTOSHIをなぐさめる奴はもういない。全盛期の、ヘアバンドして髪をツンツンに立て、濃いめのメイクをしたTOSHIはもういない。緻密に先っぽをワックスで捻じった無造作ヘアなのにボリュームのある髪型、異常にデカいサングラス、黒いスーツを少しだけロックな感じにする着こなし。これが今のTOSHI。
 1980年代後期、『元気が出るテレビ』にヘビメタ代表として若きX JAPANが出ていたが、彼らのまわりには「あんなバラエティに出るなんてダセエ」と批判的なバンドも多かったらしい。しかしYOSHIKIは「何でもやります!」とかなり協力的だったとか。結果、彼らはバカ売れし、文句を言っていたバンドたちは売れなくなり解散……。今回のまんが日本昔話の企画もYOSHIKIが背中押したのかもしれないが、テレビ局がちょっとバカにしてイジってきた企画にも全力で乗っかり、イジられるどころか尊敬されるレベルの芸で返す。勉強になりました。TOSHIが見えないのか?すぐそばにいるのに!

★ゆってぃ★
NOFX『Backstage Passport 2』の日本語訳が……!?

 どうも!“ワカチコってどーゆー意味なんですか?”と日本で一番聞かれてる男です。2015年に最も笑った音楽ニュースってことなんですが、笑ったと言うか、個人的に“おいやってくれたな!”ってニュースを。“えっ!? 主旨と違くない?”という疑問はスキッド・ロウ時代のセバスチャン・バックがブン回すマイクに弾き飛ばしてもらいましょう。
 今思ったんですけど……この時点でかなりの無駄な文字数を使ってることに気づきました。でも僕はこのペースで行きますよ。そうあれは中学2年生のとき、東京ドームにガンズ・アンド・ローゼズのライブを観に行きました。18時30分開演予定が押しに押して20時からライブがスタートしました。当然、お客さんはイライラのマックスですが、フロントマンのアクセル・ローズは“出てきてやったぜ、スーパースターがよ”と、ドヤ顔で出てくるマイペースさ……何が言いたいかと言うと、こんな僕なんてまだかわゆいほうです。食べ物で言ったらうどんですよ。
 さて、僕はNOFXが好きです! 突然だな! で、『Backstage Passport』(2008年)っていう彼らのドキュメンタリーDVDが面白すぎて、これが『ジャッカス』なんて作り物のパンクではない、本物のパンクな映像なんですよ。シンガポールでクスリ買ったり、アルゼンチンで警察に拘束されて脱出したり、客と喧嘩したり、お金騙し取られたりするDVDなんです。今年その『Backstage Passport』の第2弾が出たんですよ! こんなもん買わなきゃハドソンでしょ!
 僕はタワーレコード新宿店にお金を握りしめながら発売日の前の日にフラゲしに行きました。家に着き、DVDぶち込んで“よっしゃ観るぞ!”の数秒後に叫びましたよ。「日本語訳ねーじゃねーか!!」
 ボーカルのファット・マイクは某誌のインタビューで日本語訳がないことにこう答えていました。「誰も訳さなかったからじゃね? 日本語訳は出るか? シラネ」

★篠崎愛★
念願の歌手デビューに感涙&ひとりカラオケで号泣!?

 私は音楽で“感激したこと”と“ストレス発散”をテーマに書きたいと思います。
 芸能生活10年目の今年、私の誕生日に、4月にソロ歌手としてデビューすることをファンのみなさんの前で発表し、レコーディングしたばかりのオリジナル曲を初めて披露したのですが、想いが込み上げてきて思わず泣いてしまいました。長年の夢だった歌手デビューを、大好きな、とっても思い入れのある曲と一緒に飾ることができて感激しました。
 ほかにも3曲入りのデビューシングル『A-G-A-I-N』のレコーディング時に、とても良い出会いになった女王蜂のアヴちゃんが書いてくれた『微熱案内人』の感動的なストリングス(……というか曲そのものが感動的なのですが)に涙して、12月に発売したデビューアルバム『EAT ‘EM AND SMILE』の中でも1番気合いが入っていたんじゃないかという表題曲『A-G-A-I-N』をレコーディングしたときも、録音がとてもうまくいって、曲が完成したときに聴きながら感動で思わず泣いてしまいました。
 歌手活動をしているときに感激したことはもうひとつあります。ニューヨークで路上パフォーマンスを行う“歌手修業”に出たとき、小さな男のコが私が歌っているときにチップをくれたんです。日本詞の歌なのに、「何かが通じたのかな?」と感じて、とても印象深い感動的な出来事となりました。
 私は歌うことが本当に好きなので、ひとりでもよくカラオケに行くんです。ひとりで酔って悲しげなメロディの曲を歌うとスイッチが入ってしまい、普通に泣いてしまったり、なぜか号泣することもあります(笑)。この前なんて、カラオケのある居酒屋でたまたま隣にいたおじいちゃんと抱き合って泣いていました(笑笑)。あと、地元の古くからの親友ともよくカラオケに行きます。そのコと一緒にいると、本当に心から楽しくて、ずっと爆笑しっぱなし。大爆笑しすぎて泣いてしまいます。ちなみにそのコとのカラオケではお酒は飲みません。お酒と悲しいメロディが涙を誘うんですね。私にとって、カラオケは一番のストレス解消法=涙と言えるかもしれません。
※篠崎愛さんには歌手活動のなかで“感激したこと”と“ストレス発散”をテーマにご執筆いただきました!

★冬将軍(音楽ライター)★
アニメ『響け!ユーフォニアム』黄前久美子の
シグネイチャー(?)ユーフォニアムが発売された件

 先日、続編&劇場版公開が発表されたアニメ『響け!ユーフォニアム』。「文化部なのに体育会系」と言われながらも、スポーツのような勝負ドラマなど存在しない吹奏楽部特有のギスギスした人間関係をうまく描き、経験者の心を鷲掴みにした。私もそのひとりだ。
 さて、物語の主人公・黄前久美子とクールでミステリアスな同級生・高坂麗奈の魅惑の関係について3万字くらい書きしたためたいところだが、今回は久美子の手にしていた金のユーフォニアムの話。ユーフォといえば「銀メッキ仕上げ」が定番であり、「金色(正しくは、“イエローブラス”のラッカー仕上げ)」は入門者向けの安価なモデルに多い。学校の備品という設定を考えれば、安価なほうがリアルなわけ。制作は楽器描写に定評のある京都アニメーション。サイドアクションの第4ピストンや管の形状から察するにヤマハのYEP-621だが、実際の製品ラインナップにあるのは銀メッキのみで、ラッカー仕上げの姿はない。
 『けいおん!』の中野梓はフェンダー史上存在しない仕様のギター、“あずにゃんぐ”を愛用していた。これは今回も確信犯だな。アニメの人気に乗って発売された“あずにゃんぐ”のように、久美子の金色ユーフォも製品化されたりして。でも、値段も高いし、そもそもギターのように手軽に始められる楽器ではない。と思っていたら、やってくれたよ、ヤマハさん! ラッカー仕上げのYEP-621、受注生産、店頭価格およそ29万円。これがまた結構な数が売れたらしい。まじかよ! 「アニメのファンの方が買っていかれるのですか?」と楽器店に問い合わせてみたところ、「お客様のプライベートに関わることなので」とのことでした。
 管楽器といえば昔は、エレギギターなどのLM楽器(この呼び方も最近言わないな……)と違って、お堅くて敷居の高いものだったけど、時流を感じます。もちろん良い意味で。
 部外者から「何の楽器をやってるの?」なんて質問されると返答に困る楽器の代表格。オーケストラはおろか、ジャズやポップスにも呼ばれない悲しきかなユーフォニアム(でも、素晴らしい楽器ですよ!)が一躍脚光を浴びた2015年でした。

★尾藤雅哉(ギター・マガジン編集長)★
『マッド・マックス 』に出てきた便座ギター

 2015年と言えば映画『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』が話題になりましたよね。この映画に変なギターが出てくるんですけど、個人的には“アレ”がめちゃくちゃアガりました。マックスの敵軍団“ウォー・ボーイズ”の中に、巨大なスピーカーを何段も積んだ暴走車が出てきて、その前に人が張り付けられているんですけど、そいつ(コーマドーフ・ウォーリアー)がダブルネックのギターを持っていたんです。なぜかギターとベースのネックに加えて火炎放射器も付いてて、よく見るとボディに便座が使われているようなすごいエキセントリックな仕様で(笑)……もう“音と火が出りゃいいでしょ”みたいな強引なモデルなんですけど、そいつが出てきた瞬間に“ギター弾いてる! 超ノイズ出してる! ヘッドから火が噴いてる! カッコイイ!”ってめっちゃテンションアガりましたもん(笑)。
 映画を観てすぐに“このギター、作れないかなぁ……”って思って、実際にいろんな人に相談したりもしました……(笑)。そのプロジェクトもちょっと動き出してるんですけど、実現するといいなぁ。動き出したら『耳マン』でぜひ取り上げてください。いろいろな映画で、変わったギターだったり、オリジナルのモデルが出てくることがあるんですけど、『マッド・マックス』のダブルネック・ギターはトップクラスにテンションがアガりましたね。最高でした!

★Oh!!ビーフ(耳マン研究所)★
進撃のアッコさん

 わたし的に一番笑ったのは『耳マン』というこのユルすぎるサイトが世の中に誕生したことではありますが、そのほかに気になったことと言えば……やっぱり和田アキ子さんですね。年末に向かうにつれてわたしの中でどんどんアッコさんの存在が大きくなっていくのを実感する日々でした。まずアッコさんが11月にリリースしたアルバム『WADASOUL』の素晴らしい語感。何年も前からひとつのジャンルとして確立されていたかのようなしっくり感。僕は何度も言いましたよ『WADASOUL』。What's a Soul?
 さらに今年Twitterも始めたアッコさん。実家の母親が使ってきそうな素朴な絵文字を多用し、日常を綴ってくれました。このTwitterアカウントでアッコさんが身近になった人も多いでしょうね。わたしも同じです。そして……初の2ショット写メ会の開催ですよ! これには驚きすぎて……めちゃ笑ったっす。当初は「握手等、接触は禁止」「本人へのリクエストはご遠慮下さい」など厳しいルールが設けられていたようですが(僕は行けなかったの……)、来場者と手を合わせてハートマークを作ってみたりしてだいぶノリノリだった様子。ネットでも“神対応”とか書かれてて、なんか全体的におもしろでしたよね。そのほかにも『世にも奇妙な物語 25周年記念』でついにサラリーマンの男性を演じちゃったり、さまざまなシーンで笑わせてもらいました。紅白にも期待ですね! いろいろ書いてしまってすみません。笑って許してってことで!

[耳マン編集部]