【祝】25年ぶりガンダム主題歌!森口博子と松本ともこ(djmapi)の女子会トークが止まらないっ

特集・インタビュー

[2016/11/16 17:15]

『第四章 森口博子×ガンダム待望のコラボ』

みんなと繋がることができて幸せ!

――森口さん、ガンダムファンから“ガンダム姉さん”とか言われたりしてて(笑)。それってご存じですか?

ピロ子:はい、ありがたいですよね。あと自分で言うのも照れくさいんですけれどガンダムの女神とかね。

マッピー:あら。ミューズミューズ!

ピロ子:ほっほっほ(笑)。

マッピー:姉さんよりミューズのほうがいいね、なんかね。

ピロ子:でもガンダム姉さんはすごい浸透してて。

マッピー:やっぱりキャリアのなかにガンダムがあるもんね。

ピロ子:いろんな世代のファンの人と、ガンダムっていう作品を通じてともに歩んで来られたことが本当に嬉しい。わたし10代、20代、30代でガンダムの主題歌を歌ってきて、10代はデビュー曲の『水の星へ愛をこめて』(アニメ『機動戦士Ζガンダム』主題歌)でしょ、20代は『ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜』(映画『機動戦士ガンダムF91』主題歌)。事務所からリストラ宣告にあったあとに『ETERNAL WIND〜』が初めてベスト10に入って紅白にも出られて。全国ツアーもできて。それで30代ではゲームのテーマソング『もうひとつの未来〜starry spirits〜』(PlayStation2『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』オープニングテーマ/エンディングテーマ)を歌わせてもらって。これもCDが売れない時代って言われてるときに、16位に久しぶりに入ったの! 人格形成のときに聴いたアニソンは裏切らないし、ノスタルジーだけではなくて、明日へのエネルギーも連れてきてくれるし。世代も国境も越えるアニソンは私にとって永遠の宝物なの。みんなと繋がることができて幸せ!

マッピー:すごいよねぇ。

ピロ子:だからずっと40代でも歌いたいって。

マッピー:そう思ってた?

ピロ子:思ってた。それも「歌いたい」じゃなくて、もう勝手に、根拠のない決断っていうか、宣言かな? 「わたし歌う!」って心の中でずーっと願ってて。

マッピー:はぇ〜!

ピロ子:そしたらほんとうにオファーが来たの。

マッピー:引き寄せちゃった、すごい! きっと歌いたい人は、いっぱいいると思うから。

ピロ子:そうなのよ〜。

マッピー:話をいただいたとき、どういう気持ちだったの?

ピロ子:「夢が叶った!」っていうのと、やっぱり、歴史がある作品じゃない? そうすると、新しいシリーズがあったときに、みんながまた「森口博子に歌ってほしい」とかネットでも書いてくれてたりするの。わたしエゴサとかするし。

マッピー:調べるのね(笑)。

ピロ子:するする(笑)。「そういう風に思っててくれてありがと〜!」ってほんとうに思った。そういう声をいろんなところで見てたから、「みんなが願っていたことと、わたしが願ってたことが一緒に叶った!」っていう思いだよね。やっぱりこうさ、同じように長い歴史を一緒に歩み続けてこられたことがすごい嬉しいなぁ〜って。

マッピー:レコーディングはどうだったか、ぜひ聞きたい。曲を聴かせてもらったけど、すごーく壮大だよね!

ピロ子:壮大だよね〜。最初「森口さんは女神です! 女神様のようなポジションで歌っていただけたらと」とオファーをいただいて。「(作中で描かれる)大変な争い事を、俯瞰で捉えているような立場で歌ってください」って。

マッピー:それってすごいオファーじゃないの?

ピロ子:すっごい嬉しかったんだけど、実際に蓋を開けてみたらそれが難しくって。っていうのはこの楽曲のその……大きさというか深さっていうか、森雪之丞さんの詞がストレートで衝撃的でしょ?

マッピー:うん、そうだねぇ。

ピロ子:プロデューサーの方に「瓦礫とか屍とか衝撃的な言葉でも、森口さんに歌ってもらうとスーッと自然に届けられると思う」って言っていただいて。「よし!」って思ったの。

マッピー:「よし!」って。

ピロ子:そう。これはすごい使命感があるなって実感して。

マッピー:聴いてみると、そのとおりにメッセージが届くね。言葉にも負けてないし。変な話ね、言葉が大きいとさ、自分のほうが強さを持ってないと届けられないでしょ?

ピロ子:そうだよね。

マッピー:やっぱり40代だからじゃないかなーと思うけど。

ピロ子:20代のときにね、この詞をもらったらどこまで受け止められたかなっていうのはある。

マッピー:声で表現したりとか、そういうところでがんばるしかなかったかもしれないね。今いただいたからよかったんじゃないかな? これからもっと歌っていけると思う。

ピロ子:そうだよね。ガンダムの世界だけじゃなくて、争い事とか、人間の愚かさとか……今の地球が平和でありますようにって思うことって、今すっっっごく大切になってきてるじゃない? いろんなことが起こって。森さんの目に浮かぶ情景描写、さすがだなと思った。

マッピー:ほんとだねー。

ピロ子:だからそれを考えると、こういう詞が響く世の中になったことがすごく苦しいし、でもそういう詞を歌う楽曲をいただけたっていうことは自分の使命なんだって。

マッピー:「すごい曲と出会ってしまったんだな」ていうのはわたしも思った。だからこの曲を歌うのって、どういう気持ちなんだろって、気になってた。

ピロ子:で、服部(隆之)先生のメロディも美しくて、もう。すごく切ない。壮大だし。テーマは“スペースオペラ”っていうことで、音域もたかーいところまで使ってるの。

マッピー:たしかに難しそうなところも多いし、でも歌い甲斐がある曲なんだろうなぁって思ったけど。

ピロ子:そうなの。実はレコーディングの当日まで思い描いていたボーカルプランがあって、そこに向かってずっとレッスンもしてたのに、当日の朝までそれができなかったんだよね。

マッピー:当日まで?

ピロ子:そう! 「どうしよう……できてないできてない」って不安で。そしたらそのとき、リオのオリンピックでね、白井健三選手がさ。

マッピー:はいはい。ひねり王子。

ピロ子:彼も練習のときには新しい技が……

マッピー:やってたやってた!わたしも観てた! 練習のときには床に慣れてなくてダメだったって。

ピロ子:それ! 一回もキマってなかったのに、勇気を持ってぶつかっていったら見事決まってメダルとったでしょ? 「悔いを残したくないので挑戦しました」って。わたしも「それだ!」って思ってさ、できてようができてまいが「思いを伝えに行こう!」っていう気持ちになったの。そうしたら……できたの。

マッピー:できたんだ……ね!

ピロ子:そうなの!

マッピー:プレッシャーもあっただろうに。

ピロ子:すごいあった。

ほんとうに感謝の、奇跡のバトンなんです

マッピー:ねぇどんな感じなの? レコーディングのときって。「よろしくお願いします(小声)」みたいな感じでスタジオに入るの?

ピロ子:テンションはあんまり高くないかなぁ。普通にまぁ「おはようございまぁす」かな。

マッピー:って言いながらも、頭の中は「こうやってこうやって」って考えてるの?

ピロ子:うん、ずーっともう、何日も前からそう。当日はレコーディングブースに“博子の部屋”みたいな空間を作って……。

マッピー:“博子の部屋”って何よ(笑)? わたしも収録のときってパンダのぬいぐるみとか持ってたけど。

ピロ子:持ってた持ってた! ちょっと汚れた感じの。

マッピー:そうそう(笑)。そういうお守りみたいな感じ?

ピロ子:そういうのに近いかも。私は人形じゃないけど。

マッピー:たとえば?

ピロ子:たとえばスリッパ。

マッピー:スリッパ! リラックスできるように?

ピロ子:そうそう、スリッパ。あとはボロッボロで羽毛も中から飛び出てるバーバーリーのひざかけ。

マッピー:あ、知ってる!

ピロ子:あれじゃないとダメなの。

マッピー:やっばい! まだ使ってたんだ! はっは(笑)!

ピロ子:買い替えても買い替えても「やっぱりこれだ」って。

マッピー:(声にならない声で笑ってる)

ピロ子:あとは、水筒のお湯と。

マッピー:白湯ね?

ピロ子:そう、白湯。あとミネラルウォーターとハチミツキャンディ、あとは……酵素?

マッピー:ほう、酵素(笑)。

ピロ子:あとね、ゴハンを2時間前までに食べておく。

マッピー:「ウッ」てなっちゃうから?

ピロ子:「ウッ」ていうか、声の響きが変わっちゃうから。

マッピー:響きが変わっちゃうんだ。で、2時間前なのね。

ピロ子:そう。食べちゃうと声変わっちゃうから。でも酵素だとそんなに変わらないの。だからちょっと小腹がすいてエネルギー補給したいとき酵素を食べる。そんな博子の部屋。

――博子の部屋、興味深いですね(笑)。今回の『宇宙の彼方で』を含めたガンダムメドレーで紅白に出てほしいっていう声もみかけますけど?

マッピー:どうなの紅白は?

ピロ子:やっぱりね、影響力がすごいと思った。

マッピー:すごいんだ?

ピロ子:うん。ちょうどバラドルって言われてるときに、紅白に出させていただいて。さっきの話じゃないけど、「バラエティの人だと思ってたけど、歌声に感動しました」ってたくさんの人に言っていただいて。

マッピー:たっくさんの人が観てるもんね。

ピロ子:あとは、1年間たくさんの人と音楽で繋がってきて、そのなかで歌を届けて、みなさんが受け取ってくれて、「ありがとー!」っていう思いがすごい高まるんだよ。

マッピー:出たいんだな、こりゃ。

ピロ子:あっはっはっは(笑)。

――ぜひ期待したいですね。今回はステキなトークをありがとうございました!

ピロ子:あ、ひとつ言っていいですか? この『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜』っていうのが、1979年に始まった『機動戦士ガンダム』以前の物語なんですね。で、歌詞の中で争いが始まるっていう場所があるんだけど……この争いっていうのが1979年に始まった『機動戦士ガンダム』のことを指すんです。

――物語が繋がっているんですね。スター・ウォーズみたいに。

ピロ子:そうそう! 『機動戦士Zガンダム』でデビューしたわたしが、ガンダムの歴史の始まりの歌を歌うっていうこの奇跡のバトン……。涙……涙が!

マッピー:泣けちゃうねぇ。ガンダム姉さんって軽く言っちゃったけど(笑)、物語が繋がる、大事なところを任せていただいてるのね。

ピロ子:それはやっぱり、ガンダムを大切にしてるファンの方々、わたしの歌を必要としてくれる方々とか、作品を作り続けてくださったスタッフのみなさんがいてくださったからこそだと思う。ほんとうに感謝の、奇跡のバトンなんです。

マッピー:ほんとうにいい曲と出会えたんだねぇ。

ピロ子:試写を観させていただいたときも曲が流れたときに感動して失神しそうになって。

マッピー:泣けちゃったんだ(笑)。

ピロ子:エンドロールに“主題歌『空の彼方で』森口博子”って出たときに……

マッピー:また……

ピロ子:うぅぅぅわぁぁぁぁ! 思い出しても泣けるよぉ。

マッピー:あらあら。

ピロ子:こうやった(口に手をあてた)まま倒れるかと(笑)。

マッピー:(笑)。

ピロ子:ほんとうにわたし、思いがあふれすぎちゃうんだよ……いっつも。

マッピー:ずっと変わらないね、40代なのにね(笑)。

(終わり)

プロフィール

もりぐちひろこ●1968年6月13日、福岡県出身。1985年アニメ『機動戦士Zガンダム』の主題歌『水の星へ愛をこめて』でデビュー。音楽活動と並行してさまざまなフィールドで活躍し、バラエティアイドル(バラドル)と言うジャンルを確立させる。1991年映画『機動戦士ガンダムF91』の主題歌『ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜』がヒットし、初のベスト10入り。同年から6年連続でNHK『紅白歌合戦』にも出場する。近年ではジャズライブを定期的に開催するなど精力的に活動し、2016年11月16日に劇場版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜』の主題歌『宇宙の彼方で』をリリースした。

まつもとともこ●1968年7月21日、東京都出身。djmapiの愛称でお馴染み。TOKYO FMのアナウンサーとして音楽番組を中心に担当。2001年にフリーに転向し、TBSラジオ『ストリーム』や、TOKYO FM『Hits from the Heart』などを担当。現在はEテレ『やさいの時間』、BS10スターch.『GO!シアター』、アットFM(FM愛知)『radio freaks』など担当。ペット殺処分0を目指すチャリティ音楽イベント『nukumori』も主宰している。

[耳マン編集部]