B'zがサマソニでみせた“完全にB'z”なライブ〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)のサマソニレポート【1日目】
平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が『サマーソニック 2019』をレポート!
今年もこの季節がやってきた。年に1度の夏の大祭典、サマーソニックの季節が。国内外問わずあらゆるジャンルの一流アーティストたちが集うこのお祭りも今年で20周年を迎える。去年はありがたいことに普段『耳マン』で連載『音楽“ジャケット”美術館』をやらせていただいているよしみでレポートを書く仕事をやらせていただいたのだが、果たして今年はどうなのか。あらぽんに取られてしまうのではないか。そんな不安を感じていたところ、
「サマソニレポートやります?」
「はい」
決定した。
というわけで去年に引き続きサマソニに潜入しレポートを書くという大いなる使命を授かったのは僕、身長は座椅子4個分、体重は消火器13個分でおなじみの、
平井“ファラオ”光です。
正直音楽が大好きな僕にとってこんなにありがたい仕事はない。何しろ普通だったらチケットを取ることすら難しいようなアーティストのライブをただで観られるのだから。しかも観るべきアーティストの指定なども特になく、こちらのペースに任せてくれているところが何とも太っ腹である。芸人をやっていてよかったと思えることのひとつだ。
ただ今年はひとつ不安要素もある。というのも開催中の3日間、実は別の仕事も被っているのだ。2日目の昼間に横浜で営業、また3日目はサマソニでお笑いステージが復活したこともあって2度そのステージに立つことになっている。なので観られる時間が限られており本来観たかったアーティストが観られなかったり、何よりこの35歳「立ってるだけで満身創痍」の体が体力的にもつかどうかが不安であった。
とはいえ、いちいちそんなことを考えていては楽しめない。まずは楽しむこと、それが大事である。というわけで今年も鞄にサンリオグッズをジャラジャラ引っさげて(※著者はサンリオ大好きおじさんです)舞浜へ向かう人たちから変な目で見られつつ、炎天下と台風の影響残る強風のなか我降り立つは聖地幕張メッセ。
サマーソニック2019!!
相変わらずすさまじいほどの“陽”な雰囲気。好きなアーティストのTシャツを着てる人、全身タトゥーまみれの人、日焼けしすぎてウ〇コみたいになっちゃってる人、露出度高めのギャル、明らかにバンドマン、カップルに家族連れなど客層はさまざまだが、みんなそれぞれ同じようにフェスを楽しもうというポジティブなエネルギーを全身から発している。確かにこの日ばかりは日常の嫌なことなども忘れて楽しむのが正解だと思う。
え? 突如現れた写真左の男は誰なのかって?
面倒くさいので説明なしでいこうかとも思ったのだが、まあ気持ち悪いか。彼は芸人の橋山メイデン。ヘヴィメタルが大好きで最近は彼とふたりでYouTubeでメタル番組をやっている仲である。今回はおもに撮影係としてリットー大王様に無理を言って同行してもらった。しかしサマソニに出もしないオジー・オズボーンのリュックを背負ってきたのはおそらく彼ひとりだろう。そしてサマソニに来ている人のなかで唯一の童貞だと思う。ちなみにこの日の彼の朝食は蟻。そろそろ関わるのをやめようかと思っている。
そしてワクワクする気持ちと多少の緊張感のなかゲートをくぐりいよいよ会場内へ。だだっ広い空間に大勢の人とバラエティに富んださまざまなブース。俺のサマーソニックが始まる。
イッツエンターテインメント。
よし! 休憩しよう! 時刻は14時頃。何しろ僕はこの日まだ何も食べていないし、メイデンは蟻しか食べていない。これでは最後まで体が持たない。ひとまず腹ごしらえをして動くのはそれからだ。というわけでお互い食べたいものを探す旅に出るために、のちほど合流することを約束し一旦解散。そしていろいろ選び抜いた結果僕がいただいたのは、いかにもフェスっぽいボリューム満点の佐世保バーガー。
食べ物を美味しそうに撮るのが苦手な僕。
しかしこのバーガー、直径20センチはあるんじゃないかというくらいの大きさで充分なほどに腹は膨れるし、バンズに少しおこげが入っていていい具合にサクッとした食感を楽しめるのもいい。我ながらいい選択をした。
ちなみにメイデンは清涼感を求めそうめんを買ってきたのだが、何だか浮かない表情。
……ふ、ふむ。
小声でぶつぶつ何かを呟きながら1秒で食い終わるメイデン。かわいそうなのでバーガーを少しわけてやった。
ちなみに今年のサマソニは上でも書いた通り数年前まであったお笑いステージが復活しており、芸人がネタを披露するブースが設けられているので、飯をいただきながら遠目で少し雰囲気を見させていただいた。
ゴースの人だ。
すぐ隣にあるレインボーステージのサウンドチェック音などが入り込んだりしてくるなかで、芸人にとっては正直やりやすいとは言えない環境ではあるが、それにしてはよくウケてらっしゃった。
今日のお目当てはマイケル・モンロー、ラウドネス、B'z……その前に
さて飯も食い終わりいよいよ本格的にライブに参戦しようかとなったのだが、僕の今日の目当てはマイケル・モンロー、ラウドネス、B'z。しかしラウドネスとB'zは時間が被っているので、ラウドネスを観られる範囲で観て、こういうときでもなきゃチケットを取ることすら難しいB'zを優先で観ようと決めていた。
というかファン層がある程度被っているであろうこの両バンドの時間を被せるとは、よっぽどの大人の事情があったのだろうか。ちなみにメイデンの目当ても僕と同じだったのでちょうどいいと思っていたのだが、何とここでメイデンがプロ麻雀師と麻雀をやれるブース『SONIC“雀”』を発見してしまう。麻雀好きの奴は一応僕の撮影係で来ているという本来の目的も忘れて吸い込まれるようにそのブースに入っていってしまった。そしてこの日メッセ内で二度と奴に再会することはなかった。橋山“F○ckin”メイデン、いい奴だけどダメな奴……。
そして結局ひとりになった僕はとりあえず目下の目当てのマイケル・モンローまで時間があったので、去年のように素敵な出会いを求め適当に知らないアーティストを観てみようと思い向かった先はマウンテンステージ。ここで見たのはバナナラマ。
名前だけは聞いたことがあったものの、それ以上の情報はまったく知らないグループであった。しかし観てみるとこれがいい。ABBAにも通じる明るい曲調と親しみやすいメロディ、1980年代を彷彿とさせるディスコミュージック。自然と体が動いてしまうような純粋な楽しさがある。などと思っていたら有名な『ヴィーナス』が始まり、「おや?」と思い調べてみると実際に1980年代から活躍している人たちであった。まだまだ無知な私。それにしてもこのジャンルの幅広さ、これもまたサマソニの魅力のひとつだなと実感した。
バナナラマが大盛り上がりで終わり、続いて何をしようかと思ったところ、やはり音楽だけがサマソニの魅力ではない。エンターテインメント性あふれるさまざまなブースを楽しむのも醍醐味のひとつだ。というわけで目をつけたのは美大出身のお姉さんなどがボディペイントを施してくれるブース『SONICART』。ここでは文字でも絵でもこちらのリクエストどおりのものを体に描いてくれるのだが、ほとんどの人が好きなアーティストの名前や自分の名前なんかを描いてもらっているなか、僕がお願いしたのは、
キティちゃん。
もちろんサマソニには出ない。出ないが、やはり人たるものいついかなるときも心のなかにキティちゃんをもっていなければいけない。それはつまり愛をもつということなのだから。
ということで体に愛を刻み込んだところで、続いて向かったのはオーディオテクニカのブース。ここではオーディオテクニカのヘッドホンをつけて写真を撮り、「#オーディオテクニカ」でSNSに投稿するとその場でクジが引けて、当たりが出るとヘッドホンをプレゼントしてくれるという(ハズレは缶バッジ)。ならばやらない手はない。「持ってる男」平井“ファラオ”光。こういうときにスッと当たりを引いてしまう能力が僕にはあるのだ。というわけでヘッドホンを装着しTwitter、Instagramで投稿。
これで2回ぶんのクジを引ける権利を手に入れた。もはやヘッドホンはいただいたも同然。口笛を吹きながら何気なくクジを引かせていただいた。
……。
それにしてもこの日はまだ台風の影響が残っているせいで、空こそ晴れてはいるもののいまだ風が強い。何しろ一歩でも外に出ようものならこのとおり。
髪の毛がロックンロールしてしまうのである。
これはB'zまでうかつに外には出ない方がよさそうだ。しかし風はあっても暑いのに変わりはない。メッセ内も決して冷房がきいているわけではないので歩いているだけで汗が出てきてしまう。とそこへちょうどいいブースを発見。『HMV&BOOKS』のブースである。ここではHMV&BOOKSの公式Twitterをフォロー&リツイートするだけでタオルかバンダナがもらえるというサービスを行っている。よかった。ちょうど汗と涙でびっちょびちょの状態だったので、フォローとリツイートをしてタオルをいただくことにした。そしてそのついでに謎のゆるキャラがいたのでグリーティングもさせていただいた。
彼の名前は何というのだろう? わからないからとりあえず「マッシグラ」と名づけよう。
マッシグラとも別れ、そうこうしている間に目当てのマイケル・モンローまでもう間もなくという時間になってきた。というわけでレインボーステージに向かい、始まるまでは会場の端っこあたりに腰を下ろし待機することに。メイデンはもうどこかで待機しているのだろうか。もはや連絡すら取り合わないふたり。(次ページへ)