夏の終わりの寂しさを感じる最終日〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)のサマソニレポート【3日目】
バスを下り砂場を革靴で歩きながら今回初のビーチステージに向かっている途中、あの名曲『One more time, One more chance』が聴こえてくる。すでにライブも中盤にさしかかっているようで、まさに僕の世代どストライクのこの曲はできればちゃんと観たかったが、相変わらず美しい曲だ。そしてようやくビーチステージに到着。
人を写さないように撮ったら廃れた田舎の植物園みたいになってしまったが、まわりはやはり大量の人。ステージから100メートルくらいのところまではとても入り込む余地はないほどだ。
それにしても山崎まさよしさんといえばアコースティックギターによるシンプルな弾き語りスタイルがメインで、それもどちらかというとしっとりとした“聴かせる”タイプの楽曲が多いイメージだったので、こういったフェスの、しかもビーチステージの空気に合うのかどうか少し疑問だったのだが、全然ありだった。
イメージどおりの落ち着いた雰囲気のなかで淡々と進めながらも、しっかりと場の空気を支配しており、観客も曲の生み出す空気感に心地良く身をゆだねている感じで見事にフェスの空気と調和していた。何より海に響き渡る歌声とアコースティックギターの音色がこの上なく気持ちいい。そんな素敵な空気のまま山崎さんはラスト曲のニラを披露して会場を盛り上げ去っていった。セロリか。
しかし暑い。とてつもなく暑い。立っているだけで汗が大量に出てくる。このままでは下半身になってしまう。もともとは山崎まさよしさんを観てそのままの流れでビーチステージでCharaさんも観る予定だったのだが、正直この暑さでは確実に体が持たない。
死ぬ。
そんなわけで残念だが今回はCharaさんは諦めることに。とにかくあまりに暑すぎてやばい。早く室内のメッセに戻りたい。
何を思って撮ったのかすら忘れたビーチ付近の林。
というわけで再びメッセへ。ビーチに比べれば幾分か涼しい。しかしこの大量の汗をとにかく何とかしたい。そこで向かったのは『QUICPay』のブース。ここでは『QUICPay』のTwitterをフォロー&リツイートするとクジが引け、グッズをもらえるという。僕が欲しかったのはとにかく汗ふきシート。
結果見事にゲット。
20周年にふさわしい最高のアーティストたち
今回のサマソニで僕の運は汗ふきシート以上ヘッドホン未満であることが判明した。それにしてもファラオさん35歳、連日の疲れがだいぶ体に溜まっているのを感じる。正直なところこれ以上ライブを観る体力も余っていない。まだ見ぬ素晴らしいアーティストを発掘したい気持ちはあったが、とにかく早く家に帰ってサンリオのアニメを観て癒されたいという思いが勝ってしまった。
というわけで今年のサマソニ、平井“ファラオ”光はこれにて離脱させてもらおう。
ただその前に少し一服を。
この3日間、長いようで短いようでもある3日間だった。バナナラマで改めてポップスの楽しさを再確認し、マイケル・モンローで最高のロックンロールを味わい、B'zで衰えぬ王者の貫禄を見せつけられ、ダムドで永遠のパンクスピリッツを感じ、BABYMETALにメタルの未来を見て、山崎まさよしさんで心に染み渡る歌の素晴らしさをもらい、そしてリットー大王様に無理を言って橋山メイデンを連れて行った結果ほぼ別行動のまま終わり、ボディペイントで体にサンリオと細川たかしを刻み込み、缶バッジを6個手に入れ、マッシグラと出会いそして別れ、お笑いステージでスベり、汗ふきシートで運をみせつけ、そして今死にかけている。
去年もそうだったが、サマソニが終わるこの瞬間というのは、まるで夏そのものが終わってしまうかのような妙な寂しさを感じる。しかし20周年を迎えた今年のサマソニは台風というパプニングに見舞われながらも、20周年にふさわしい最高のアーティスト達と共に大成功で終われたのではないかと思う。この勢いならまだまだサマソニは日本の夏の代名詞として長く続いていけることだろう。
というわけで満身創痍のなか今年もリットー大王様の指令を何とか遂行できたファラオさんだが、素晴らしいアーティストのライブを仕事の中で観られるというこの指令、できれば来年もぜひ僕でお願いしたいところ。
ただその前に目下の指令は橋山メイデンの暗殺ということになりそうだ。