【特別インタビュー】今の時代にこそ必要なゆってぃの「ちっちゃい事は気にするな」の精神

[2020/10/12 17:00]

ど派手なルックスと「ちっちゃい事は気にするな」「ワカチコ」のキメ台詞で締めくくる自虐ネタで一世を風靡したお笑い芸人・ゆってぃ。このたび、本サイトで連載中の『誰得!? なりきりハードコア』（※ゆってぃ氏が音楽愛を綴る連載）の1周年を記念し、このキメ台詞をモチーフとしたTシャツを制作。その完成を記念して、改めて同氏に「ちっちゃい事は気にしないのか」に迫るインタビューを敢行した！

ちっちゃい事を気にしてるからこそああいう自虐ネタが生まれた

＜ピース綾部のバックストリート・ボーイズTシャツが気になる……！＞

――ゆってぃさん、最近はおもにどんな活動をされているんですか？

最近は動画系の仕事が多くて、この前は109のインスタライブに呼んでもらったり、いろいろとやらせてもらってます！

――TikTokもやっていますよね。

そうなんですよ。やり始めたのはコロナ前からなんですけど、いまの若い子って自分のこと知らないだろうなって思ってネタを投稿してみたら意外とハマりがいいみたいで。「TikTokで観るのにちょうどいい」って言われてます（笑）。

――今回、ゆってぃさんのネタでお馴染みの「ちっちゃい事は気にするな」のキメ台詞をモチーフにしたTシャツを制作させていただきましたが、改めて「ちっちゃい事は気にするな」が生まれたきっかけを教えてください。

簡単に言うと、ネタ番組に向けて事務所に命令されて作った感じなんですよね。最初から自虐ネタはやっていて、「ワカチコ（※若さ、力、根性）」っていうフレーズもあったんですけど、ネタの部分と「ワカチコ」を繋げるフレーズがほしいなと思ってたときに、寝転がりながら、それこそ何も気にしないで出てきたのが「ちっちゃい事は気にするな」のフレーズだったんです。

――ゆってぃさんって本当にちっちゃい事は気にしないんですか？

いや、もともとは全然そんなことはなくて。ちっちゃい事を気にしてるからこそ自分がされた事を覚えてるわけで。だからああいう自虐ネタが生まれたんだと思います。

逃げることなんて全然ちっちゃい事。ツラかったら逃げればいい

――コンビ時代（マンブルゴッチ）はやんちゃな兄ちゃんって感じでしたし、ゆってぃとして活動してからもプライベートでは全然雰囲気が違うじゃないですか。ああいうキャラで活動することに葛藤はなかったんですか？

めちゃくちゃプライドも高かったし、もちろん抵抗はありましたよね。でも、劇団ひとりとか、はなわくんとか、北陽とか、同期がどんどん売れいくなかで「俺もテレビ出てぇ！」っていう気持ちでとにかく必死で。

――とはいえ、キャラ的にめっちゃイジられたりもするわけですよね。

街中でも一般の人たちがイジる感じで上から目線で声かけてきたりして、最初はぶっちゃけ「なんだてめぇ」って思ってた部分もありましたよね（笑）。やっぱりプライドが高かったんですよね。ドッキリの番組で私服姿が出たときに視聴者から「意外とゆってぃってお洒落じゃん」みたいに言われたりして、友達から「お洒落じゃんとか言われないほうがいいんじゃないの」ってアドバイスをもらっても「そんなのお洒落なんだからしょうがねぇじゃん」みたいに受け入れられなかったりもしてましたし。

――今はそのあたりはどうなんでしょうか？

今はゆってぃとして求められてるものもわかってきましたし、イジりとかも楽しく受け入れられるようになりました。ムカつく態度をとられたり、ムカつく事を言われても「ちっちゃい事は気にするな」で返したら一瞬で解決しちゃいますしね。ずっと言ってるうちに普段の自分もどんどんゆってぃ化していって、本当にちっちゃい事を気にしなくなってます（笑）。

――今ってSNSでの誹謗中傷の問題もそうですし、心ないひどい声が飛び交いやすい時代になっていますよね。そんななかでゆってぃさんの「ちっちゃい事は気にするな」の精神って必要なんじゃないかなって思うんです。

同じ言葉を言われたときに、誰かにとってはちっちゃい事でも誰かにとってはめちゃくちゃツラい事だったりもするので、軽い気持ちで「ちっちゃい事だから気にするな」とは言えないですよね。でも、その状況から逃げたり、距離を置く事自体は全然恥ずかしい事じゃないし、逃げる事なんてちっちゃい事だと思います。学校だって、会社だって、嫌だったら行かなくていい。繰り返しになりますけど、逃げることなんて全然ちっちゃい事だし、絶対なんとか生きていけるから。そうやって自分のなかでの「ちっちゃい事」を広げていけると、生きやすくなっていくんじゃないでしょうか。

――ゆってぃさんの今後の予定を教えてください。

ファッションブランドのUNIVERSAL OVERALLさんとご縁があって、この前、一緒にお仕事させていただいて。「今後コラボできたらいいですね」みたいなお話しもしてるんですよ。

――ゆってぃさんのお洒落な一面がうかがえる仕事ですね！

そうかもしれないですね（笑）。テレビはまだまだ出たいですけど、このサイトでやってる音楽のコラムもそうですし、いろんなことをやっていきたいと思ってますね。

――音楽も本当に詳しいですもんね。

最近、僕がハードコア好きなことを知ったっぽい若手のハードコアバンドが事務所に音源送ってきてくれて（笑）。ちゃんと聴きましたよ。TikTokでも後ろのレコード棚に注目してくれてる人もいて、毎回見えてるレコードを変えたりもしてるので、そちらも注目してください！