『BRADIOのファンキーハンター』【第5回:新世代の最注目インストバンドSnarky Puppy編】

連載・コラム

[2016/6/27 17:00]

LIVE REPORT
BRADIOメンバーによるライブレポート! 6月16日に赤坂BLITZで行われたSnarky Puppyのライブを様子をお伝えします!



バンドアンサンブルで感動して涙したのは初めて

Snarky PuppyはCDを聴いてもヤバさがわかるのだが、CDでは味わえない臨場感、緩急、低音感……時を忘れてこれらを体感し、終演後には素晴らしい映画を観たような感動に駆られいた。とにかく繊細でダイナミック。歌に感動して涙するライブは今までにあったが、バンドアンサンブルで感動して涙したのは初めてだった。

個人的には楽器でも歌を感じるプレイヤーが好みで魅力を感じるが、Snarky Puppyに関しては各プレイヤー全員が“歌っている”。楽器を操る確かな技術と、空間を把握する経験値、そしてテクニックを超越したバンドアンサンブル……とんでもなく感動的だった。今まで見たライブで一番ヤバかった。

実は2014年にも彼らのライブを観た。そのときは彼らを知ったばかりだったが、ライブは相当ヤバいとそのときも感じていた。それからというものの、彼らの音源を聴きまくっていろいろ研究もしたせいか、今回ライブを観て、いい意味で自分の理解の範囲を飛び越えてしまった。

このライブを観て楽器を辞めたくなっちゃう人もいたんじゃないだろうか。俺も気持ちの1%くらいは辞めたくなったけど、99%はそうではなかった。それ以上に音楽の可能性と素晴らしさに興奮していた。みんなにもこの感動をぜひ体感してもらいたい。(酒井亮輔/BRADIO)


音が生き物だと思うような瞬間が随所に

今年一番楽しみにしていたライブと言ってもいいくらいの来日公演。とてもリラックスした様子でステージ上に登場した彼らは、世界中の大物ミュージシャンたちからこぞって共演を熱望される、超が付くほどの演奏スキルや作曲スキルに裏付けされた自信と風格を醸し出し、圧倒的な存在感を放っていた。

リーダーのマイケル・リーグのカウントを皮切りに、最新作『Culcha Vulcha』(2016年)からの楽曲を中心に、集まったオーディエンスの期待を裏切らない演奏がスタート。今回は9人編成での来日となっており、各楽曲が今回の編成に合わせてリアレンジされ、CDとは違ったアレンジも大いに聴きどころだった。

各プレイヤーの演奏技術がすさまじいのは言うまでもないのだが、一番驚かされたのはアンサンブルでの曲のダイナミクス(強弱)の表現だった。音量を繊細にコントロールして、小さい音も埋もれず、ボルテージが上がるとこでは一気に音圧をかけてくる。これには鳥肌が止まらない。歓声を上げずにはいられない。全員が全員の音の意思を理解していなければ決してできない、音が生き物だと思うような瞬間を随所に感じることができた。

終盤の『What About Me?』でのマーク・レッティアーリのソロからラーネル・ルイスのソロに続いていくセクションは、そのテクニック、遊び心、フレーズセンスに外れたアゴがもう一回外れるくらいの痺れる流れで、個人的なベストソロだった。(大山聡一/BRADIO)


Snarky Puppyとの“コミュニケーション”で見つけたファンキーワード

「ファンキーとはアティチュードである」
by Snarky Puppy


来月もBRADIOが“Funky!!”に出会いに行く予定! お楽しみに!

【協力:ユニバーサルミュージック、クリエイティブマン】

【著者紹介】

BRADIO
真行寺貴秋(ボーカル)、大山聡一(ギター)、酒井亮輔(ベース)、田邊有希(ドラム)による4人組ロックバンド。楽曲ごとに異なるサウンドを鳴らす楽器陣を軸に、熱唱&ファルセットを使い分ける真行寺の歌声で、観に来たFUNKY PARTY PEOPLEを虜にするエンターテイナー集団。2014年夏には愛知県で行われた大型フェス『TREASURE05X』やT.M.Revolution西川貴教主催の『イナズマロックフェス2014』に出演。2015年、日本テレビほかアニメ『デス・パレード』オープニングテーマを担当。12月31日には『COUNTDOWN JAPAN 15/16』にも出演した。2016年6月1日にはニューシングル『ギフト』をリリース。

[耳マン編集部]