『プロフェッツ・オブ・レイジ』ジャケ弁・ザックは何してるロッチャ?~オバッチの『ロックな食生活』【第16回】

連載・コラム

[2016/9/1 17:00]

2016年1番の「ええええーーー!! 何だよ!」ニュース

2016年5月、私はちょっとそわそわしていました。私の1番好きなバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下:RATM)が2度目の再結成するという噂がデラロッチャ……いや、出てきたからです。謎のカウントダウンを始めるウェブサイトが立ち上がり、米ロサンゼルスではその宣伝ポスターが貼られているという情報まで。バンド、パブリック・エナミーのボーカリスト、チャックDも動き出し、「両バンドのジョイントツアーか?」という噂も出ていました。

確かにもうすぐアメリカの大統領選がある。1度目の再結成のときだってオバマ大統領が当選する前の時期で、その大統領選に向けて再結成したという説もあったから、これはひょっとして……?
しかし私は熟練されたファン、公式発表以外の噂には何度も翻弄されてきました。「期待しすぎちゃダメ! 噂ではしゃいじゃダメ!」と気持ちを押し殺していました。


そしていよいよカウントダウン! うおおおーーー! ……? あ、あれ……

プロフェッツ・オブ・レイジ結成! RATMメンバーは4人中3人が再結成! つまりザック・デ・ラ・ロッチャ(ボーカル)不参加!
ボーカルはパブリック・エナミーのチャックDと、サイプレス・ヒルのB-リアル!!?? どうゆうこっちゃ! というわけで、「なんだよ! 期待させやがってー! クッソー!!」という自分史上まれに見る衝撃ニュースでした。


チャックDやB-リアル……現時点ではベストな人選

誤解のないように言っておきますが、パブリック・エナミーもサイプレス・ヒルもめっちゃ好きだよ!
だからさ「ザックがいないガッカリ!」って気持ちが強いけど、めちゃくちゃものすごいグループなんだよ!
という複雑な心理なわけです。

パブリックエナミー『Muse Sick-N-Hour Mess Age』のジャケ弁

チャックDはRATMにとっては師匠ともいえる存在だし、サイプレス・ヒルもRATMと同世代で、以前から一緒にライブをやったりしていて、昔からの付き合いでもあります。

サイプレス・ヒル『ブラック・サンデー』のジャケ弁

みなさん、覚えていますか? RATMは「はい解散!」と言って解散したわけでなく、ザックが脱退することになり、ほかの3人は解散ではなく新しいバンドを組むことにしました。簡単にまとめてみました。

(1)2000年 ザックが脱退→(2)他のボーカルを加入して続けるかも?→(3)2001年 クリス・コーネル(サウンドガーデン)登場→(4)クリスをボーカルに迎え、バンド・オーディオスレイヴを結成し順調に活動→(5)2007年 RATM『コーチェラ・フェスティバル』で一夜限りの再結成発表→(6)「RATMをやるならクールに去るぜ」とクリスが脱退し、オーディオスレイヴは解散→(7)RATM再結成→(8)2011年彼らメインのフェス(『L.A. Rising』)をやって、そこから活動停止→(9)3人は個々に音楽活動、気が付いたらまたザックが引きこもり!(←今ココ)

サウンドガーデン『ダウン・オン・ジ・アップサイド』のジャケ弁

(2)の時期、まだクリス・コーネルとバンドを組むことが噂になる前に、新ボーカリストとして噂になってたのがチャックDとB-リアルだったんです。つまりRATMの思想的な意味で、バンドの楽曲を歌うには最適な人材なわけです。

オーディオスレイヴ『ライヴ・イン・キューバ』のジャケ弁

このスーパーバンドを喜びたい気持ちもある……け……ど……も……
(みんなも同じ気持ちだと思うけど)何やってるんだ??? デラロッチャ!!!???


ザックさんてどんな毎日を過ごしておられるのでしょう?

RATMのギタリスト、トム・モレロは、ナイトウォッチマン名義でソロ活動したり、バンド、ストリート・スウィーパー・ソーシャル・クラブを結成したり、ブルース・スプリングスティーンのツアーに参加したり、最近ではオジー・オズボーンバンドのゲストとして2015年の『オズフェス』でも来日していて、常に音楽活動をされていますね。

ベーシストのティム・コマーフォードはウォクラットというバンド、ドラマーのブラッド・ウィルクはINHEAVENというバンドをそれぞれ結成して活動していました。

ここ数年のザックですが、記憶にある限りでは、2012年コーチェラのDJシャドウのライブに突然のゲスト出演、ラン・ザ・ジュエルズのアルバムにゲスト参加したのち、同グループのライブにときおりゲスト出演(1曲の最後のサビのみ)したくらいで、どういった活動をしているのかがわかりません。

ティムのインタビューによるとザックは家でレコーディングしてるらしいです。それもワン・デイ・アズ・ア・ライオンの……え? そっち!?

♪本当に本当に本当にライオンだ~デラロッチャでどうしよう~フジ~ロックフェース!
(富士サファリパークのCMメロディで)。

ワン・デイ・アズ・ア・ライオンはザックと元マーズ・ヴォルタのドラマー、ジョン・セオドアが結成したバンドで、ミニアルバムをリリースしたのち、ロサンゼルスでミニライブ、『フジロック・フェスティバル 2010』出演後に大阪、名古屋、東京でライブ、その後、オーストラリアでちょびっとライブをやったあと……気が付いたら空中分解してました。多分ライブ10回弱くらいしかやってない気がする(それを観れた日本のファンはとてもラッキー)。

ワン・デイ・アズ・ア・ライオンのジャケ弁

その来日した頃のインタビューで、「フルアルバムもほとんどできてて、年内には出すよ!」って言ってて、気が付いたら6年経過してましたwww

セオドアってクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジに加入した記憶があるんですが「今もメンバーなのかな?」と、疑問に思います。謎だらけのザックの周辺です……。

アクセル・ローズだって、ガンズ・アンド・ローゼズもAC/DC(2016年より参加)もちゃんとやってるのに、何やってるデラッロッチャー!と、まあ相変わらずファンを戸惑わせる人です。


プロフェッツ・オブ・レイジの弁当を作ろう!

そんな感じで複雑な心境だったわけですが、プロフェッツ・オブ・レイジのライブ映像とか観るとやっぱりテンション上がるし、「RATMのメンバーがバンド活動しててくれて嬉しいなー!」と思います。
この気持ちをジャケ弁に込めるぜ!!!

食材は→ご飯・焼き海苔・パプリカ

プロフェッツ・オブ・レイジ『The Party’s Over』のジャケ弁

私の心は今こんな感じになっています。

愛しさと(RATMもパブエネもサイプレスもめっちゃ好きやねん)
切なさと(でもザックが歌ってくれないから、悲しいのよね)
心強さと(あのメンバーが活動してくれることでバンドのスピリットは生きてる)……。

プロフェッツ・オブ・レイジのデビューEP『The Party’s Over』は、デジタル配信が8月26日より開始、CDは10月5日発売のようです!
とりあえずザックが活動しない怒りを、このCDを聴くことによって発散させようと思います。
ザックに関しては、ハチ公の気持ちになってひたすら待とうと思います!

歌ってよ、ザック、バカヤローーーー!!!!(愛を込めて)。

【著者紹介】

オバッチ(ジャケ弁職人)
本職は印刷関係のデザイナー。料理の腕は人並み、手先は器用。好きなミュージシャンはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ベン・ハーパー、岡村靖幸など。いつかザック・デ・ラ・ロッチャさんにお弁当を食べてもらうのが夢です。

[耳マン編集部]