【期間限定上映】パール・ジャムの映画はハンカチ必須!〜オバッチの『ロックな食生活』〜

連載・コラム

[2017/12/4 17:00]

パール・ジャムの映画を観てきました

パール・ジャムの映画『レッツ・プレイ・トゥー』が12月2日から7日までの期間限定で上映されるということで、初日に観てきました。映画の詳細を調べずに行ったので、パール・ジャムのボーカリスト、エディ・ヴェダーが大好きな球団シカゴ・カブスの本拠地である野球場リグレー・フィールドで開催されたライブの映像を中心にした映画だと思っていたのですが……大間違いでした。パール・ジャムのライブと、シカゴ・カブスの優勝までの道のりが見事にリンクする、ハンカチ必須の感動ドキュメンタリー映画だったのです。

(※今回の記事は映画のネタバレを含みますので、ご注意ください!)

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野球ファンと音楽ファンの心理は似ている

パール・ジャムは米シアトルのバンド、エディはバンドの初期メンバーではなくあとから加入したボーカリストで、私は彼を米サンディエゴ出身だと思っていました。なんでエディはシカゴの球団であるカブスのファンなんだろう?と思って映画を観てたんですが、出身はシカゴだったんですね。子どもの頃にサンディアゴに引っ越したそうです。

映画にはパール・ジャムがまだデビューしたばかりの頃に、シカゴのライブハウスで行ったライブ映像も登場します。シカゴの街を紹介する若き日のエディと、長い歴史を持ち現在まで続く球団への愛を語る50代のエディ。彼はカブスのことを語るときは少年のように無邪気で、その姿には観ているこちらもニコニコしてしまいます。

そして、映画ではカブスが108年も優勝していないチームだということが明かされます。

カブスについてのくだりは、野球に詳しくなくても球団の歴史がわかりやすく説明されているので問題なく観られます。108年ぶりに優勝に向かっていくカブス。盛り上がって行く地元のファン達の熱気。

映画を観ながら千葉ロッテマリーンズが優勝したときのことをちょっと思い出したりしていました。古い話ですが、ロッテが川崎から千葉に移転してきた頃のことをよく覚えています。なぜなら私の父が川崎時代からロッテの大ファンだったからです。

今年の『サマーソニック』で撮ったマリンスタジアムにあるロッテのオブジェとうちのフレディ・マーキュリー

また、私が通っていた高校が千葉の幕張にあったので、学生時代に何度か野球を観に行ったりしていました。短期間ですがマリンスタジアムでバイトしていたことも。その頃のイメージですが、いつも球場が空いてるのでバイトも楽だなぁって思っていました(すみません)。

しかし、そんなイメージは数年後変わります。ボビー・バレンタイン監督がロッテを優勝に導いたとき、マリンスタジアムは私が学生時代に観ていたガラガラの球場じゃなくて、客席がファンに埋め尽くされていました。熱狂するファンの応援を見て、ロッテが千葉に根付いた球団になったんだなぁと。そして弱かったチームが優勝に向かって行くときのファンの盛り上がりを、父を通じても感じていました。

そのため、実家で飼っている猫の名前が監督の名前をもらってボビーになったんですねぇ(私はプライマル・スクリームのボビー・ギレスピーだと思ってるけど!)

子どもの頃に「父はなんでロッテが弱いのに応援してるんだろう?」って思っていたのですが、今ならわかる。弱いからこそ自分は応援し続けるんだ!と! これってさ、バンドやアーティストのファンとも近い心理だと思うんですよね。

例えば「今回のアルバムはいまいちピンとこないな?」とか「前ほどライブが盛り上がってないな?」とか思うことってあるじゃないですか? それって弱くても応援し続ける野球ファンの心理と近いと思うんです。いや、野球だけじゃないですね、何かスポーツを応援している人たちの気持ちにも近いんだと思います。そういう意味でこの映画は、野球に詳しくなくても感動できる作品だったんです。


パール・ジャムのジャケ弁はいろいろ作っております

パール・ジャムは2003年以来、来日していません。人生で“あのときこうしてれば”って思うことがあるじゃないですか? 私、このときの公演は何の理由があったかは忘れてしまいましたが、行けなかったんですね。また来てくれるでしょ?と思ってたんですが、パールジャムはそれから未だに来日していません(涙)。なので、そのときのことがずっと心残りです。

友人や知り合いにもパール・ジャムのファンの方々がたくさんいます。みなさん、ライブを観に海外まで行ってます。「来ないんだから行くしかない」、この言葉を聞いたとき、感動で震えそうになりました。

それではこれまで作ったパール・ジャムのジャケ弁のご紹介を。まずは歴史的名盤『Ten』(1991年)のジャケ弁です。梅干したっぷりで酸っぱい。

「あれ? これひとつずつ作ればアルバムになるね!」と友人ふたりと作った『バックスペイサー』(2009年)のジャケ弁。上の部分はクラッカーにジャムを塗っているのがポイントです。

『ライトニング・ボルト』(2013年)のジャケ弁。パプリカと焼き海苔できっちり作った作品。

『ライトニング・ボルト』がリリースされたときに、ジャケットは別に楽曲ごとにアートワークが発表されたんですね。「あれ? これなら、作れるんじゃない?」と『バックスペイサー』を作ったときのふたりに、さらにひとり追加して、4人で作った作品です。メインのジャケ以外はパンで作ってあります。

これだけジャケ弁を作ってるのにライブを観たことがないバンドって、パール・ジャムだけかもしれません。観たいなぁ。本当に。


今回の映画のジャケ弁ももちろん作ります!

というわけで、今回観た映画『レッツ・プレイ・トゥー』のアートワークのお弁当も作ります! これは12月8日にリリースされるBlu-rayのジャケットでもあるのです。

(1)ご飯をお弁当箱に敷き詰めます。

(2)茹でたキャベツをご飯の上に配置します。

(3)茹でたほうれん草をキャベツの上に配置します。

(4)カットした焼き海苔を配置します。

(5)薄焼き卵をカットして配置します。

(6)パプリカをカットして配置します。

(7)文字の形にカットしたカマボコをパプリカの上に配置します。

(8)文字の形にカットしたパプリカを配置します。

(9)文字の形にカットしたカマボコをパプリカの上に配置します。

(10)カットしたカマボコとパプリカを重ねて配置して完成です!

エディの気持ちとファンの気持ちがリンクします

『レッツ・プレイ・トゥー』はダニー・クリンチ監督が撮っています。彼はフォトグラファーとしても有名な方で、数々のアーティストを撮影しているそうです。調べていたら監督が撮った作品のDVDを持ってました。

パール・ジャムのエディと親友でもあるベン・ハーパーのドキュメンタリー映像『Pleasure + Pain』を撮っている方だったんですね、この作品も素晴らしいです。アーティストの歌以外の部分をすごく丁寧にクローズアップするのが得意な監督なのかもしれないなぁ。

パール・ジャムは20周年の時にバンドのヒストリーをまとめた映画『PJ20 パール・ジャム トゥエンティ』(2011年)も発表しています。

この映画も涙なしには観られない名作です。映画館に2回も観に行ってしまった個人的に思い出の作品でもあります。

今回の映画は、エディがカブスのファンってことがめちゃくちゃ伝わってくる内容なんですね。球団の応援歌を作ったり、7回のストレッチ(大リーグでは7回の終わりに『私を野球に連れて行って』という曲が流れて、そのときに立ち上がってストレッチをする恒例行事があります)の曲を歌ったり。それはミュージシャンとしてのカブスとの関わりなんですけども。

それ以外のシーンが、試合を観ながらスコアを自分で書いたり、球場近くのファンが集まるバーのTシャツを着ていたり、もちろん野球帽とユニフォームもバッチリ着用しています。その様子が、映画を観てるパール・ジャムのファンからすると、「あれ? これってバンドのファンと同じことをエディがしてる!」って思うわけですよ。

いつも自分が応援してる人が、自分と同じように大好きな球団を応援してる姿。試合を観て一喜一憂しているエディに伝えたい、「ファンは近い気持ちでバンドを応援してるんだよー」と! 本当にパール・ジャムの魅力の詰まった名作なので、上映日程は短いですがおすすめです。

また、前述のとおり12月8日にはBlu-rayの発売も決定しています!

やっぱりパール・ジャムのライブが観たいので、来日を願わずにはいられません。そのときはカブスの野球帽をかぶって参加したいな!

↓今回のジャケ弁制作過程の動画はこちら↓

『JAKEBEN - Pearl Jam "Let's Play Two" ジャケ弁 パール・ジャム『レッツ・プレイ・トゥー』 #PearlJam #LetsPlayTwo』

【著者紹介】

オバッチ(ジャケ弁職人)
本職は印刷関係のデザイナー。料理の腕は人並み、手先は器用。好きなミュージシャンはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ベン・ハーパー、岡村靖幸など。いつかザック・デ・ラ・ロッチャさんにお弁当を食べてもらうのが夢です。

[オバッチ(ジャケ弁職人)]