音楽の都市伝説:無気味な死亡者リスト『27クラブ』の存在

連載・コラム

[2018/5/6 10:00]

『月刊ムー』でも執筆するライター長田遊馬氏が音楽にまつわる都市伝説に迫る!


リストには約60名の名前……!?

『27クラブ』をご存じだろうか。著名なミュージシャン、アーティストのリストだ。しかし、ただのリストではない。その一覧に掲載された人物たちには、ある共通点がある。それは「27歳で亡くなっている」ということである。

なぜ、このようなリストが語られるようになったのか。きっかけは、1969年から1971にかけて、当時、絶大な人気を誇ったミュージシャンが立て続けに死亡したことから始まる。名前を挙げると、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョップリン、ジム・モリスンがこの2年間で亡くなっているのだ。しかも全員が「27歳」という若さで。

当時、偶然の一致といえる事象に、メディアを始めファンの間で話題となった。だが、その後の約23年後の1994年、カート・コバーンが27歳で自殺。薬物を服用した後、ショットガンで自ら頭を撃ち抜いたのだ。この衝撃的な彼の死によって『27クラブ』という名が世間に知れわたるようになったといわれている。

『27クラブ』を都市伝説化させたとされるインタビューも存在する。アメリカのジャーナリストに、チャールズ・R・クロスという人物がいる。彼はジミ・ヘンドリックス、カート・コバーンの伝記作家でもあり、『COBAIN UNSEEN - カート・コバーン 知られざる素顔』『ジミ・ヘンドリクス 鏡ばりの部屋』などの著作を出版している。チャールズによれば、カート・コバーンの母親ウェンディ・フレイデンバーグ・コバーン・オコナーが息子の死について「今、彼は去ってしまって、あの愚かなクラブに加わってしまった。私はあの愚かなクラブには参加しないように言っていたのに」と語っていたことを報じた。

この発言により、いくつかの陰謀論者たちは「カート・コバーンは27クラブに加わるために自殺した」「27クラブは悪魔に魂を売ったミュージシャンの末路だ」などといった噂が広まったといわれている。実際に『27クラブ』のリストを見てみると約60名の名前があった。改めて全員が「27歳」という若さで亡くなっていることに無気味さを感じる。

あの秘密結社の影!?

以前に、ロックと悪魔崇拝に関する記事を紹介させていただいたが、このリストを見れば、目に見えない存在=悪魔が、彼らの魂を異界(死の世界)へ持っていってしまったのかも、という荒唐無稽な見解が自然と生まれてしまう。だが「なぜそうなるのか?」という裏付けがない。こういった考えは陰謀論者の悪いクセだ。

しかし、こうした見解を述べる人物が多かったからなのかはわからないが、『27クラブ』は科学的調査が行われている。2011年12月に、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルが、「27歳の時点でミュージシャンの死亡リスクは増加していない」と発表。20代~30代のミュージシャンをサンプリングしたところ死亡リスク自体は増加していたようだが、それは「27歳に限定されない」という結果だった。

上記のような結果が出たものの、27歳で影響力のある多くのミュージシャンが亡くなっているのも事実。そして、気になる点がもうひとつ。名前はあげられないが、リストにはかの秘密結社・フリーメーソンの会員だとされている人物の名前もあるのだ。

音楽は人を魅了するものである。音楽で洗脳することなど容易い、という話をあるオカルト業界の人物から聞いたことがある。そのメカニズムに関しては、紙幅の都合上割愛させていただくが、仮に『27クラブ』のメンバーの多くが、メーソンとのつながりがあったとすれば、影響という名の「洗脳」をするために音楽を用いた。しかも、絶大な人気の渦中に突然死すれば、さらに業界に名を残すことができるだろう。

そうした、“何らかの計画”があったのかもしれない。そしてその計画はすでに達成し、われわれはすでに“何らかの洗脳”をされている可能性も否定できないのだ……。


さて、実は今回で『音楽の都市伝説』は最終回となります。音楽業界にも都市伝説はあるのか、そんな噂を紹介できれば、ということでお話しをいただき、約2年近く掲載させていただきました。

私のつたない原稿をご覧いただいた読者の方々には、大変感謝しております。そもそも「都市伝説」というジャンルに関して「本当だったらすごい」「そんなことがあるのか!!」、または「嘘だ」「作り話だ」といった、さまざまな思いがあることでしょう。私は“それでいい”と思っています。

しかし、話を読んで単純に肯定、否定するのではなく、「なぜそう思ったのか?」という感覚を大事にしていただきたいです。自分なりの見解で、自分なりの答えを出してください。そこにロマンを感じてほしいと思っております。

偉そうに発言して大変申し訳ございません。それでは、またどこかで世界に蔓延る「謎と不思議」をご紹介できましたら幸いです。ありがとうございました!!

【著者紹介】

長田遊馬
東京都出身。超常現象研究家の新星。幼少のころからUFOや超常現象に造詣が深く、オカルト界の重鎮・並木伸一郎を師と仰いでいる。専門誌「月刊ムー」でもUFO、UMA、超常現象に関する記事を執筆している。好きな音楽はヘヴィメタル。超常現象を研究するかたわら、『地獄のメカニカルトレーニングフレーズ』(リットーミュージック刊)を片手に、日夜スウィープ奏法を練習中。

[長田遊馬]